民主主義になれない沖縄新聞


 読谷村の米兵によるひき逃げ死亡事件の時、米兵は嘉手納警察の事情聴取に数回応じた後に、事情聴取を拒否した。理由は取り調べは密室で行われ、弁護士が付かないことであった。アメリカでは弁護士がつくが日本では弁護士がつかない。密室取調べに不安になった米兵は取り調べを拒否した。

 アメリカは容疑者の人権を守るために弁護士がつくが、日本の場合には容疑者の人権は認められないので弁護士はつかないし、密室で取り調べられる。そのために検事や刑事の脅迫が横行している。自供の強制による調書のてっちあげが問題になり、取調べの可視化運動が広がっている。日本のマスコミも取調べの可視化運動に積極的に参加している。

 しかし、沖縄の新聞は違う。沖縄の新聞は社説に書いているように、「『代用監獄』『取調べの密室性』『自白の強要』など、日本の警察の後進性を指摘する声が米側にあるという」と、アメリカ側は問題にしているらしいと日本警察の密室の取調べを深刻な問題とは考えていない。沖縄の新聞が日本警察の密室取調べを深刻な問題としていないことは民主主義思想の欠落だ。アメリカ軍関係容疑者者の出頭の遅れを沖縄の新聞は「米軍優位」「不平等」と主張しているが、遅れはしているが結局は出頭しているし、日本の裁判を受けている。出頭が遅れただけで「米軍優位」「不平等」と声だかに主張するのは大げさだ。
それよりも、日本警察の密室の取調べのほうが容疑者の人権を無視した深刻な問題だ。

米軍関係の容疑者が日本警察の出頭要請にすぐに応じない原因は容疑者本人の出頭拒否しているのが原因である可能性が高い。密室で取り調べられるのは恐怖を感じるはずだ。読谷村のひき逃げをやった米兵が、最初は取調べに応じたが、拒否するようになり、取調べの条件として弁護士の立会いを要求したが、彼は密室で取り調べられるのに恐怖を感じたからである。

 新聞は、米軍が少年たちを出頭させなかったと述べているが、もしかすると、米軍は出頭を嫌がる少年たちを出頭するように説得していたかもしれない。アメリカの取り調べ方と日本の取調べ方の違いを少年たちに教えていた可能性もある。
 「米軍優位」「不平等」の主張は日本とアメリカの条約を平等しろという思想であり、民主主義とは関係のない思想だ。士農工商身分制度の江戸幕府にも日米通商条約が不平等条約であり、不平等条約に不満を持った武士たちが井伊大老を暗殺した。つまり、国と国の平等・不平等問題は国が独裁国家、身分制度のある国家、民主主義国家であるかどうかは関係がないということだ。
 

 民主主義は国家と国家の平等・不平等の関係を改善していく思想ではない。国に関係なく人間としての自由・平等・人権を獲得していくのが民主主義だ。
 新聞は、米軍関係の容疑者をスムーズに取り調べができるようにするために、日本警察の人権を無視した密室取調べを批判し、取調べの可視化や弁護士立会いの実現を主張するべきである。

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