偏った沖縄基地・経済論 6 沖縄のGDPから検討



沖縄のGDPの推移の表である。生産のGDPは全体で約3兆8000億円くらいだ。支出のGDPは4兆円くらいでである。支出のGDPにはその他というのがあるが、その他にアメリカ軍からの支出が含まれているのではないだろうか。

県議会事務局は、全ての基地が返還された場合の経済効果は4兆7191億400万円であると資産している。表でわかるように2007年度の県の支出全部で4兆円である。基地が返還された場合は現在のGDPより多いということはあり得るだろうか。

県事務局による基地返還経済効果の内訳は、嘉手納基地以南が9109億6900万円で、嘉手納基地以北が3兆7350万円であり、100ヘクタール以下の小規模面積の経済効果は730億9400万円としている。

読谷飛行場跡ももとは米軍基地であったが返還された。しかし、読谷飛行場跡にはマンションやスーパーはひとつもなく、村役所以外には中学校と運動場と畑だけである。恐らく読谷飛行場跡の経済効果は那覇新都心の100分の1もないだろう。読谷飛行場や恩納村の基地返還跡地を見れば、新都心の経済効果をそのまま当てはめることができないのは明らかである。それなのに県事務局は嘉手納基地以北の経済効果を3兆7350万円と想定しているのだ。荒唐無稽な想定である。沖縄県事務局が誇大妄想しているのにはあきれてしまうしかないし。自民党や仲井間知事が反論しないのも情けない。

「基地経済の歴史とメカニズム」を書いた宮田氏も嘉手納以南は県事務局の試算を認めながら、嘉手納以北の試算についてはうやむやにしている。

県土の10%を占めるアメリカ軍基地が返還されたら、90%の土地と同じくらいの3兆7350万円の経済効果があるとするのはあまりにもでたらめな経済論だ。

なぜこのような理論が成り立つか。その原因はふたつだ。

その1、消費経済である那覇新都心の経済成長をそのまま県全体の成長とみなしたからだ。しかし、那覇新都心の人口が1万人増えるということは県内の他の地域で1万人減少するように、消費経済圏である那覇新都心で2000億円の経済成長があるなら、県の他の地域では2000億円の経済衰退が起こっていて、県全体ではプラスマイナスゼロであるのに、県事務局は新都心の経済効果が県全体の経済効果であると錯覚したからだ。

その2、那覇新都心は東京都なみの人口密度の高い地帯にあり、商業、サービス業に最適な場所である。だから高い経済効果ある。しかし、他の地域は商業、サービス業の条件としては那覇新都心より劣るから新都心並みの経済効果はない。
それどころが嘉手納以北は読谷飛行場を見ても分かるように那覇新都心どころか商業・サービス業には適さない場所だ。もし、読谷飛行場跡に新都心なみにマンションを立てたり、スーパー等の商業やサービス業を始めたらほとんどか一年も待たずに倒産してゴーストタウンになるだろう。読谷飛行場は嘉手納飛行場以北ではいいほうであり、読谷飛行場以北の恩納村からやんばるかけてはもっと商業・サービス業には適していない。

この二つの指摘から、県事務局の試算は成り立たないことがわかる。

その2はタイムスに投稿したが掲載されるだろうか。
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