米国の中国への貿易戦争はアフガン・イラク戦争と同じ。銃弾が追加関税に変わっただけ



沖縄内なる民主主義16新発売中
 

本土取次店 (株)地方・小出版流通センター
http://neil.chips.jp/chihosho/ TEL.03-3260-0355 
chihosho@mxj.mesh.ne.jp
県内取次店 株式会社 沖縄教販
電話番号098-868-4170
shopping@o-kyohan.co.jp

本土取次店 (株)地方・小出版流通センター
http://neil.chips.jp/chihosho/ TEL.03-3260-0355 
chihosho@mxj.mesh.ne.jp
県内取次店 株式会社 沖縄教販
電話番号098-868-4170
shopping@o-kyohan.co.jp

にほんブログ村 政治ブログへ
にほんブログ村
クリックお願いします。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
米国の中国への貿易戦争はアフガン・イラク戦争と同じ。銃弾が追加関税に変わっただけ
 トランプ大統領は、米国が「不公正な貿易」に悩まされていると主張して、輸入する鉄鋼とアルミに高関税をかけた。トランプ政権が中国産の鉄鋼とアルミニウム製品に新たな関税をかける措置を発動したことへの報復措置で、中国は果物など120項目に15%、豚肉など8項目に25%の関税をそれぞれ上乗せした。
 米国と中国の貿易戦争が始まった。

120項目に関税を上乗せした中国にトランプ政権は総額500億ドル(約5兆3000億円)相当の中国製品に対する新たな関税の対象品目リスト案を公表した。電子製品や航空機部品、医薬品、機械などが含まれる。
中国商務省は直ちにリスト案を強く非難し、報復する用意があると改めて警告した。

二度目の追加関税の対象になったのは電子製品などであるが、トランプ大統領が新たに追加関税するの中国だけであり、他の国々には追加関税はしなかった。それに追加関税する理由が鉄鋼・アルミ製品に追加関税した時とは違っていた。米通商代表部(USTR)は、追加関税の理由に知的財産の侵害などをあげたのである。
鉄鋼・アルミの時は不当に値段が安いことで米国が貿易赤字を出していることだった。しかし、二度目の追加関税の理由は中国が知的財産を不当に侵害していることであった。トランプ大統領は中国が米企業の知的財産や技術を盗んだと主張し、「通商法301条」に基づいて関税などの制裁措置をかける大統領令に署名をした。

通商法301条
外国による不公正な貿易慣行に対し、大統領の判断で一方的に関税引き上げなどの制裁措置が取れる。日米経済摩擦が激しかったレーガン政権時代の80年代以降に頻繁に使われたことがある。

米国は中国に知的財産の侵害をするなと警告をしたのである。そして、知的財産の侵害を続ければ追加関税の制裁をどんどん増やしていくと中国に忠告したのである。
貿易戦争拡大の原因がトランプ大統領米国第一主義による追加関税とは性質が異なってきた。中国の知的財産の侵害に対する制裁になってきた。実は通商法301条による中国制裁はこれが初めてではない。トランプ大統領が誕生する前に通商法301条による制裁が始まっていた。中国の通信機器メーカー、中興通訊(ZTE)に対する制裁である。
米商務省はZTE)が2016年にイランおよび北朝鮮への米製品・技術の輸出を制限する米国の法律に違反したとして、同社への輸出を規制した。
輸出規制の対象になると、ZTEのサプライヤーが米国で製造した機器や部品を中国のZTEに輸出する場合、事前に輸出許可を申請することが義務付けられ、ZTEは米国製品の取得が難しくなる。

輸出管理規則違反に伴う罰則措置
輸出特権を否認された企業は、米国輸出管理規則(EAR)に基づき、米国製品(物品・ソフトウエア・技術)を米国から輸出することが禁じられる。また、外国企業を含む他の企業は当該企業にそれら製品を供給することが禁止される。当該企業に他国から米国製品を供給する場合や、米国の規制品目リスト(CCL)に記載されている製品を組み込んだ外国製品を供給する場合も禁止措置の対象となる。

ZTEは1985年に「深圳市中兴半导体有限公司」として設立された国営企業である。携帯電話網設備、携帯電話端末、無線製品、ネットワークプロダクト などの開発および生産を主に手がける。
深圳、広東省、上海 、南京、江蘇省および北京など、世界合計14ヶ所のR&Dの設備がある。2008年には売上が約443億元(約65億ドル)、利益が約16億6000万元(約2億4300万ドル)に達している。
2016年にはアメリカ合衆国でのスマートフォンシェアが4位、スペインとロシアで2位、ヨーロッパ全体でシェア4位にランクされるなど、欧米でのスマートフォンの販売台数が増加していた。朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)ではトップシェアだった。

中国の国営企業であり大企業であったZTEだったが商品の部品の多くを米国から輸入していた。米国は北朝鮮とイランには米国の製品の輸出を禁じている。ところがZTEは米国産部品の入った商品を北朝鮮とイランに輸出したのである。
米政府はZTEがイラン・北朝鮮制裁への違反をめぐり虚偽を重ねた上、責任のある従業員らを処分しなかったことが判明した理由で同社に対する重要な米国製部品の販売を禁止した。
ZTEはこの制裁により経営危機に陥った。
ZTEに制裁したのはオバマ政権の時である。その頃に問題にしていたのはZTEのケースだけでなく、サイバーの
空間上の窃盗行為(産業スパイ)など違法行為によって利益を得ている中国企業が存在していることであった。中国企業への調査はその頃からずっと続けていた。
そして、米国は知的財産の侵害を理由に追加関税をやったのである。第二弾からの追加関税に積極的になったのはトランプ大統領よりも米議会である。
米国商務省は、ZTEが北朝鮮やイランに対する禁輸措置に違反したなどとして、米製品の販売を禁止する制裁を発動していた。ところが、トランプ大統領は5月、「ZTE救済」を求める習近平国家主席の要請を受け入れ、制裁緩和を指示した。このため商務省は販売禁止の代わりに、罰金10億ドル(約1120億円)の支払いと4億ドルの供託、経営陣の刷新などを求めた。
中国政府は商務省の要求を全て受け入れた。供託金入金を最後にすべての条件が満たされたとして、今後10年間にわたって商務省に報告を提出する法令順守専門家を外部から複数採用することを条件にして商務省は13日付で制裁を解除した。
ただ、ZTEは中国政府のスパイ活動への協力がうわさされいる。米議会は「制裁解除は国家安全保障を損ねる」として、ZTEへの制裁解除への反対を米上院は可決した。下院でも可決の方向に動いていたが可決する前にトランプ政権はZTE制裁を解除した。トランプ政権より米議会のほうが知的財産の保護を重視して中国への制裁を強化する方向にある。貿易戦争をトランプ大統領対中国政府と思ったら間違いである。
トランプ大統領が主張するアメリカ第一主義対中国グローバルの対決と思うのはとんでもない大間違いである。

2015年の模倣被害状況である。中国が圧倒的に多い。中国の模造品は世界に輸出されるから、外国も被害を受ける。日本に輸入される有名偽ブランド商品のほとんどが中国製品である。


知的財産を侵害している模造品が中国国内で生産されている場合に商品の出荷を止めたり、会社を罰することができるのは中国政府である。日本や米国の外国の国家が中国内の知的財産違反に対して抗議することはできてもを自国の法律で裁くことはできない。
中国政府が知的財産の保護をしない限り知的財産の侵害をなくすことはできないが、中国はブルジョア官僚独裁国家である。政府が経済成長を最優先しているから、急成長させるために知的財産の侵害を政府が推進している状態なのである。
ZTEは米国から輸入した部品の入った製品をイランと北朝鮮に輸出し米国の法律を破ったというはっきりした証拠があったので制裁をすることができた。しかし、知的財産の侵害を理由に経済制裁をすることは非常に困難である。確実な証拠をつかむことが難しいし、つかんでもそれはごく一部であり、多くの知的財産の侵害の証拠をつかむのは不可能に近い。

トランプ米政権は15日、中国の知的財産権侵害に対抗するため、中国から輸入する総額500億ドル(約5兆5300億円)相当の製品に25%の追加関税を課すと発表した。
追加関税の対象となるものは中国政府が「中国製造2025」で掲げた商品であった。

中国製造2025
2015年に李克強首相が全国人民代表大会で初めて発表した政策。
製造業基盤育成、技術革新、緑色成長を通して中国の経済モデルを量的成長”から“質的成長”に変えるという中国政府の産業戦略である。核心部品と資材の国産化率を2020年までに40%に引き上げ、2025年には70%まで達成し、10大核心産業を世界最高水準に引き上げる。

10大核心産業
次世代情報技術、ロボット、航空宇宙、海洋工学、高速鉄道、高効率・新エネルギー車、環境にやさしい電力、農業機器、新素材、バイオ。

米国が高率追加関税対象に挙げた年間600億ドルの製品は輸出全体の2.6%に過ぎないので、経済的な影響は小さいと言われている。ただ、追加関税に「中国製造2025」を対象にしたのは中国の知的財産侵害への米国の忠告であると考えられる。

経済制裁はそれだけにとどまらない。
トランプ米政権は中国の知的財産の侵害に対する制裁関税の追加措置として、食料品や素材など2千億ドル(約22兆円)に相当する6031品目に10%の追加関税を9月以降に課すと発表した。今回の措置で、追加関税の対象となる中国製品は合計二千五百億ドル(二十七兆五千億円)相当に膨らみ、米国が二〇一七年に中国から輸入した金額(五千五十億ドル)のほぼ半分が対象となる。トランプ大統領はさらに三千億ドル相当の対中関税を検討すると表明している。米国の制裁がすべての中国製品に拡大する恐れもある。

なぜ米国は中国との貿易戦争をどんどん拡大しているか。
中国は模倣製品生産をやり知的財産の侵害をどんどんやることによって急激な経済成長を遂げて世界第二位の経済大国になった。そして、これからも知的財産を侵害しながら経済を成長させようとしている。
米国は中国の不正な知的財産の侵害を正す目的で経済制裁をやっているのである。いわゆる貿易の公平、民主化のための貿易戦争である。米国と中国の単純な覇権争いの貿易戦争と思ったら間違いである。ところが単純な貿易戦争と考えている評論家は多い。
米中貿易戦争の原因が知的財産の侵害であることを見抜けない日本評論家
JBpressに加谷 珪一氏の評論が掲載されているが、彼は米国が゛貿易の公平、民主化を中国に求めた貿易戦争であるとは気付いていない。

加谷 珪一は、
「互いに高い関税を課すことは、両国の経済にマイナスの影響を与える可能性が高い。だが、トランプ政権はアメリカファーストを掲げており、自由貿易主義とは一定の距離を置くスタンスを明確にしている」
と述べているが、トランプ大統領のアメリカンファーストによる追加関税は相手国の高関税に不満があるからである。トランプ大統領が主張しているのは米国と同じ関税をかけるように主張しているのであり、自由で平等な貿易を主張しているのだ。米国は自由主義国家であり、トランプ大統領のアメリカンファーストは自由主義を前提したものである。そのことを加谷氏は理解していない。
加谷氏は、
「米国は中国から年間約5000億ドル(55兆円)の製品を輸入しており、一方、中国は1300億ドル(約14兆円)の米国製品を輸入している。米国は輸入超過となっており、米国が抱える対中貿易赤字は3700億(約41兆円)である。
この金額は製品(財)に限ったものであり、実際にはサービスの輸出入もある。財・サービスを合わせた中国からの輸入は約5200億ドル、中国への輸出は1900億ドル、貿易赤字は3300億ドルとなっている。モノだけの数値よりも状況がやや改善するが、いずれにせよ大きな金額であることに変わりはない」
と述べている。
トランプ政権は貿易赤字の額を問題視していると加谷氏は思い込んでいる。貿易赤字の原因が中国の知的財産への侵害と関係があるということを加谷氏は問題にしていない。
 加谷氏は今後考えられるシナリオとして三つのパターンを上げている。
1 米国の景気が今後も堅調さを維持した場合、トランプ氏は交渉スタンスはさらに強気になる。中国側も簡単には妥協できないので、交渉は長期化することになる。各国への影響は限定的だが、トランプ氏の矛先が日本に向いた場合には、日本にとって強烈な逆風となる。
2 関税措置によって金利の上昇が加速した場合ドル高を招き、米国の輸出産業にとっては逆風となる。自動車販売は減速する。。自動車の販売が鈍化するようなら、従来とは異なる政治的な力学が働く可能性が高い。
3 心理的な影響から貿易が縮小し、景気の失速が顕著となる。保護主義に対して見直しの動きが出てくる可能性が高い。

加谷氏のシナリオには米中貿易戦争で中国の知的財産侵害がどのようになるかについては一言も触れていない。米中貿易戦争で中国の知的財産への侵害は改善するかしないか。それが重要である。加谷氏さんの評論を読むとイラク戦争の時のマスコミや評論家のことを思い出す。
イラク戦争で米国による民主化を全然評価しなかったマスコミ、評論家
 次の文章がマスコミや評論家の平均的なイラク戦争評価である。

 アメリカのブッシュ政権はイラク戦争開戦の理由について、大量破壊兵器を開発・保有する独裁国家イラクの脅威から国際社会を守るためだと説明した。しかし、フセイン政権が崩壊し戦闘が終結しても、開戦の理由だった大量破壊兵器は発見されなかった。アメリカ政府は独立委員会で経緯を調査し、大量破壊兵器の情報は虚偽だったと結論づけた。イラク戦争に大義などなかった。

 ほとんどのマスコミや評論家は核兵器や生物・化学兵器という大量破壊兵器がなかったのにイラクを攻撃したことを非難するだけで、フセイン独裁政権を崩壊させた後に選挙による議会制民主主義国家にイラクを変革させたことを全然評価しなかった。
 米軍がフセイン独裁政権を倒した後に米国は指導してイラクを大統領と国会議員は国民の選挙で選ぶ議会制民主主義の体制をつくった。イラクは軍事独裁国家から議会制民主主義になったのである。
米国によって議会制民主主義になったのだから内側からの民主主義革命ではない。外側からの民主主義革命である。外側からであろうが民主主義革命であることには間違いない。しかし、多くのマスコミがイラクの民主主義革命に拍手をしなかった。フセイン政権は核保有の証拠もなかったのに米国が進攻したことを非難した。ほとんどのマスコミはイラクの民主化に興味がなかったのである。
米国が議会制民主主義国家にした理由は、戦後、内政干渉をして、普通選挙による議会制民主主義国家にした日本が平和であり続け。順調に経済も発展したことを重視して、日本を参考にして議会制民主主義国家体制をつくったのである。米国はそのことを公表したがそのことに関心を持つマスコミはいなかったようである。
米国がイラクのバアス党政権を打倒し、それに続く選挙の実施によってイラク「民主化」の達成を目指していたことは報道したが、イラクの民主化の困難性を指摘したり、民主化の壁となっている問題を指摘することはなく。その後のイラクの様子を淡々と報道するだけで民主化の進展に注目した報道はなかった。

イラク戦争後に米国には民主主義精神が存在しているがマスコミにはないことを知った。日本のマスコミ、評論家も同じであった。と書くとまずい。私は日本の全てのマスコミと評論家を調べたわけではない。ネットで調べただけだ。私がネットで調べた範囲ではイラクの政治を民主的な視点で分析している日本のマスコミと評論家はいなかったと言っておこう。
 イラク戦争後の日本のマスコミ、評論家を参考にすれば、今回の米中貿易戦争で、知的財産の保護、貿易の公平と民主化を求めている米国に理解しているマスコミ、評論家は居ないだろうと想像してしまう。
 加谷氏のシナリオには中国の知的財産の侵害が米中貿易でどのようになるかについては一言も触れていない。加谷氏に貿易は公平、民主的でなければならないという精神がないからである。

米国の追加関税は、知的財産への侵害、スパイ活動,「外資系企業投資参入特別管理措置(ネガティブリスト)、「中国製造2025」における中国政府の不正を打ち破るための追加関税という名の銃弾である。

そのことに気付いたマスコミや評論家が現れるだろうか。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 翁長知事が立... 共産党の政教... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。