マラライさん、リビアを見よ






 リビアは市民が立ち上がり、圧倒的に勝るカダフィ大佐の軍事力に抗して戦った。リビアの市民革命は四万人以上の市民の血が流れた。アフガンのタリバン政府もカダフィー大佐と同じように武力で市民を弾圧していた。
 もし、アフガン市民が立ち上がり、タリバン政権と戦っていたならリビアと同じように何万人もの血を流していただろう。
 だが、アフガンの市民は立ち上がらなかった。10年前のアフガンはタリバンによって完全に制圧され、アフガンはイスラム原理主義が支配する社会となり、市民は弾圧されどん底の生活を強いられた。女は学ぶことも働くことも禁止されていた。市民はタリバンに逆らったり、軽い違反でも処刑された。10年前のアフガン市民はタリバンを倒す思想も力もなかった。

 リビアは市民がカダフィ独裁国家を倒したが、アフガンではアメリカ軍がタリバン独裁国家を倒した。
マラライさんは「米国の対テロ戦争によって、多くの民間人が犠牲になった。対テロではなく、罪のない市民に対する戦争になっている。犠牲者の数も少なく偽って世界に報道されている」とアメリカ軍のタリバン勢力との戦争でアフガンの市民が犠牲になっているとアメリカ軍を非難している。
 マラライさんはアメリカ軍とタリバンの戦争を他人事のように見ている。アフガンで平和と民主主義を実現するには、本来ならアフガンの市民が立ち上がり武力でタリバンやアルカイダのようなテロリストと戦って排除しなければならなかった
 マラライさんはアメリカ軍はタリバンと戦っている理由、対テロ戦争をやっている理由を真剣に考えたことがあるのか疑問だ。
アメリカ軍がアフガンで戦っているのはアフガンを植民地支配するためではない。アフガンからタリバンやアルカイダを排除してアフガンを民主主義国家にするためだ。

 「罪のない市民に対する戦争になっている」とはひどい。リビヤを見ろ。市民が武器を持ち圧倒的な軍隊に立ち向かい4万人以上の犠牲者をだしながらカダフィ独裁国家を倒した。民主主義国家を実現するには市民が立ち上がり実力で反民主主義者を排除しなければならない。「罪のない市民」という次元の問題ではない。

 アフガンの治安悪化や人権侵害はアフガンの内部の政治や市民の思想の問題だ。アメリカ軍とは関係ないし、アメリカ軍が治安を悪化しているのではない。むしろ、アフガンの治安をよくするために警察管の教育をしているのはアメリカ軍である。しかし、アフガンはタリバン時代に教育は否定され、無学な人間が多いために警察管の養成がスムーズにいっていない。警察管にするためには読み書きから教えなければならないのだ。アメリカぐんは治安に関する法律を教えるのに悪戦苦闘しているという。

 マラライさんの、「平和を愛するため、正義の実現のため、米国に従うことはやめるべきだ」の発言には呆れる。アメリカがアフガンに望むことはアフガンが自立した民主主義国家になることである。それには大統領と国会議員は国民の選挙で選ばれ、自国を守ることができる軍隊を持ち、社会の平和を守るために警察を強化することである。軍隊が弱く警察も弱いアフガンでアメリカの協力を拒むのは平和も正義も放棄するのに等しい。

 マラライさんが国会議員になれたのはアメリカ軍や多国籍軍の国民選挙への強力なバックアップがあったからであり、アフガン単独でやればタリバンや地方の有力者やテロリストの妨害で実現していなかった。

 アメリカはリビアの市民が立ち上がったときにすぐに市民を支持して、市民革命が成功するようにバックアップをした。クリントン米国務長官は数日前にリビアに行き、リビアの「国民評議会」への援助を約束した。
アメリカは民主主義の推進者であり、アフガンでもアメリカはアフガンを民主主義国家にするために尽力している。

マラライさんはアメリカ軍を一方的に非難するのではなく、アメリカ軍のメリットとデメリットを明確にし、アメリカ軍への協力を仰ぐべきである。アメリカ軍が今引き上げればアフガン政治は混乱し、内乱状態になるだろう。
マラライさんはアフガンの現実を理解していない。
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