ミャンマー軍事クーデターを跳ね返せ 真の民主主義を実現するために

ミャンマー軍事クーデターを跳ね返せ 真の民主主義を実現するために

 ミャンマーで軍事クーデターが起こった。クーデターによる拘束者は、スー・チー氏とウィン・ミン大統領や国民民主連盟(NLD)関係者ら数百人に及ぶ。ミャンマー国軍は2日未明までに、アウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相ら24人を解任し、新たに11人を任命したという。
 ミャンマーの議会は軍人議席が4分の1を占めている。憲法改正には4分の3の賛成が必要である。だから軍に有利な憲法は改正できないようになっている。安全保障分野の3閣僚の指名権も国軍トップが持っている。
 軍部は選挙で4分の1の議席を確保すれば過半数になる。軍部に断然有利な議会システムである。ミャンマーが本当の議会制民主主義になるのはまだまだ先のことであると思っていた。軍部に有利な国家体制だから軍事クーデターが起こるとは思っていなかった。しかし、起こった。不思議に思ってミャンマーのニュースを見ていった。するとミャンマー国民の民主主義への思いが非常に強いことを知った。
市民はクーデター後、自宅や路上で鍋などの金物をたたきながら、控えめに抗議を始めた。抗議は徐々に激しくなり,6日には最大都市ヤンゴンの中心部をシュプレヒコールを上げて行進。デモは7日も続いた。当局は情報網を断ち切って抗議行動を抑え込もうとインターネットを遮断したが、デモは第2の都市マンダレーや首都ネピドーにも波及し、市民の抵抗は大きなうねりとなっていった。参加者は最大都市ヤンゴンと第2の都市マンダレーだけで数十万人に上り、大規模デモは4日連続となった。
立ち上がったのは市民だけではなかった。公務員らが職場を放棄する「不服従運動」で市民運動と連帯した。最大都市ヤンゴンでは「我々は全員が不服従運動の参加者だ」「平和的な抗議活動への暴力をやめろ」といった横断幕を掲げ、自ら公務員であることを明かす人たちもいた。役所の公務員だけではない。公立病院の医療関係者らも不服従運動に参加した。不服運動は様々な省庁にも広がった。国軍トップのミンアウンフライン最高司令官が仕事に戻るよう警告したが、多くの公務員がデモに参加した。


不服従運動医療従事者を中心に始まった不服従運動は、鉄道や教育機関など幅広い分野に拡大した。金融機関にもストライキが広がり、大手銀行の支店が閉鎖となった結果、現金不足に陥る企業が出ている。
医療従事者のストの影響で、国内で休業状態の病院は100カ所以上に達した。PCR検査は減り、ワクチン接種への影響も懸念されている。
 国の電力・エネルギー省は約6割の職員が出勤をとりやめたとの報道があり、不服従運動は中央官庁にも広がっている。
 公務員が反国軍クーデターに参加している意義は大きい。国軍クーデターは国を麻痺状態にするだけであり国軍が国を支配することは不可能であることを意味している。
国軍トップのミン・アウン・フライン総司令官がテレビ演説で「国と国民の利益のために職務に復帰するよう求める」と呼びかけても全然効果は出ていない。軍権力の弱体化である。
軍のクーデターではっきりしたのはほとんどのミャンマー国民が軍を嫌い民主主義を目指していることである。
一部警察官にも参加の動きが出ているという。兵士にもデモ参加者が出てくるだろう。これこそが民主主義革命である。ミャンマー軍の権力はなくなり、議会制民主主義の国になるのは近い。
ガンバレ! ミャンマー国民。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )