英がTPP参加・2021年はTPPの世界拡大始まりの年になる

英がTPP参加・2021年はTPPの世界拡大始まりの年になる
欧州連合(EU)から完全離脱した英国が2月Ⅰ日、トラス国際貿易相が西村康稔経済再生担当相と会談しTPP加盟を申請した。英国はEUよりTPPを選択したのである。
英国がEUを離脱してTPPに参加する意義は大きい。EUは旧ソ連と対抗するために設立した欧州連合であり、政治の結束を優先した条約である。そのために自由な経済活動が束縛され、英国の労働者の仕事が他国の労働者奪われるという、経済が発展していながら、その恩恵は他国の労働者に奪われるという矛盾が生じていた。
TPPはEUのような政治的な束縛はない。TPPは、議長国を務める日本の西村康稔経済再生相が強調したようにハイスタンダードでバランスの取れた21世紀型のルールである。社会主義国と民主主義国家が対立していた20世紀型の政治優先のEUルールとは違う。

英国のTPP参加で他の欧州国も注目するだろう。イタリアは中国の一帯一路に参加したが、これからはTPPに参加する国が出てくるだろう。

英国のボリス・ジョンソン首相はTPPに参加することを、
「EU脱退後、我々は英国人に莫大な経済的利益をもたらす新たなパートナーシップを構築する」
と述べた。そして、
「英国は、TPPに新規加盟する最初の国としてグローバル自由貿易の先駆者となる。TPP参加は全世界の友好国およびパートナーと最良の関係でビジネスを展開するという我々の熱意を示すもの」
と強調した。経済大国の英国が加盟することによって、環太平洋TPPが世界TPPになる。

トランプ大統領は米国中心のFTAを進めていたが、バイデン政権はFTAを中止するだろう。バイデン政権にとって中国の一帯一路と対抗するためにもTPP参加は必要である。英国が参加すれば米国のTPP復帰は早まるに違いない。
2021年はTPPが全世界に広がる足がかりの年になる。
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