テルさん政教分離裁判の高裁で那覇市に勝つ



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テルさん政教分離裁判の高裁で那覇市に勝つテルさん政教分離裁判の高裁で那覇市に勝つ

 4月18日那覇高裁で金城テルさんが憲法の政教分離に違反していると那覇市を訴えた裁判の控訴判決があった。テルさんが勝った。
政教分離裁判であるが、訴訟は「固定資産税等課税免除取消(住民訴訟)控訴事件」となっていて訴訟の題名からは政教分離の訴訟であるか分かりにくい。政教分離の訴訟とは思えないが政教分離の訴訟である。民事裁判はお金の裁判にしなくてはならない。孔子廟は政教分離に違反していると直接訴訟わ起こすのはできないのだ。だから孔子廟に無料に貸与したのは違法であるから那覇市は賃貸料をいくら徴収するべきだという訴訟になる。
那覇市所有の松山公園に宗教施設である孔子廟を建設したが、那覇市は無償で貸した。無償で貸したことが政教分離に違反しているから、無償で貸したことを取り消せという訴訟であるのだ。

大久保裁判長の判決は次の通りである。
(1) 控訴人が、補助参加に対し、平成26年4月1日から同年7月24日までの間の使用量を請求しないことが違法であることを確認する。
(2) 被控訴人のその余の請求を棄却する。

「控訴人」とは一審を不服として控訴した城間幹子那覇市長である。大久保裁判長は那覇市が使用料を請求しないのは違法であると認めた。ということは政教分離に違反しているということである。これでテルさんの勝利が確定した。
この裁判で孔子廟は宗教施設か否か、孔子廟を管理する久米崇聖会が宗教団体か否かが問題になったが、それは儒教が学問であるか否かの論争になった。しかし、儒教が学問か宗教であるかを論争することになるが、専門学者でも意見が分かれていて、判断が難しい。そのために一審では明確な指摘がなかった。高裁の大久保裁判長は孔子廟が宗教であり、政教分離に違反すると明確な判断を下した。それが判決文にも書かれた。
大久保裁判長は一審では「儒教一般」と指摘していたことを、「控訴人及び補助参加人(久米崇聖会)の主張するところの本件儒教と関わりのある儒教」に改めた。これは徳永弁護士の努力の賜物である。
儒教は一般論では学問でもあるし宗教でもあると言われていて、儒教を研究している学者もはっきりと区別することはできない。儒教はあるところでは学問であるし、あるところでは宗教であるということである。大久保裁判長は那覇市や久米崇聖会にとっての儒教は学問ではなく宗教であると認識した。そのことを判決文ではっきりとさせたのである。
このような判決文になったのは徳永真一弁護士の並々ならぬ儒教、宗教への探求があったからである。これで那覇市側が孔子廟の儒教は学問であるという主張は完全に崩されたのである。
孔子廟で行われている儀式は宗教であり、久米崇聖会は宗教団体であることを高裁でより明確にしたのである。注目すべきことは、那覇市側の弁護士が宗教であり政教分離に違反していることを認めていることである。このことは次の判決文で分かる。
「本件施設が明倫堂のような釋奠祭禮に直接用いられずそれ自体は宗教性の乏しい施設及び公園利用者のトイレをも含んでいるなどの事情も存在する」ので、公園使用料の一部を免除してもいいと裁決している。那覇市側は釋奠祭禮が宗教儀式であり孔子廟が宗教施設であるということを認めたのである。認めたから宗教施設ではないものもあるから公園使用料を安くしてくれと訴えたのである。
 孔子廟が政教分離に違反していることは那覇市がわの弁護士も認めた。宗教性が強いことを地裁よりもより高めたのが高裁判決であった。

 翌日は、沖縄タイムス「那覇市、二審も敗訴 高裁那覇判決久米至聖廟訴訟」、琉球新報「孔子廟二審も『宗教的』那覇市の無償提供『違憲』」と孔子廟裁判でテルさんが勝ったことが掲載された。高裁に控訴したのは城間市長、共産党、ニライ(新風会、社民党、社大党)、公明党であった。憲法裁判に負けたのはタイムス、新報が応援している政党である。大々的に報じたら政党の支持率に悪影響する。だから目立たないように31面に掲載をした。もし、一面に大々的に報じていたら県民の関心は高くなっていただろう。タイムス、新報は県民に影響しないように細かい工夫をやった。
 タイムス、新報が県民の注目を集めないように工夫したのがもうひとつある。テルさんの名前と年齢を公表しなかったことである。タイムスは那覇市内に住む女性(91)、新報は市内の女性と報じている。裁判であるからテルさんは名前を公表している。テルさんの本名は金城照子である。結婚する前はテルであったが、結婚して沖縄に来た時にテルさんの夫が勝手に照子に改名したという。テルさんは照子よりテルが自分の本当の名前だと思っているから、テルを名乗っている。テルさんだけでなく戦後の沖縄では女性の名前をカタカナから漢字への改名は多かった。
タイムス、新報が「金城照子(91)」と掲載しないで市内の女性と掲載したのはテルさんが注目されることを避けたからだろう。名前を公表しないのは差別である。テルさんを那覇市民や県民に関心を持たせないためには差別を平気でやるのがタイムス、新報である。みみっちさを感じて苦笑してしまう。
 
 日本の神社の数は8万社以上である。神社に市町村が無償貸与すれば憲法違反である。8万社以上ある神社であるが無償貸与したことで政教分離裁判になって憲法違反であると判決されたのはたった一社である。八万分の一の政教分離裁判があろうことか沖縄で起こったのである。これは沖縄の不名誉だ。
不名誉ではあるが、神社だけでなく孔子廟も政教分離の対象になることを示したことは歴史的なことである。
 裁判で明らかになったことは儒教が宗教か否かではなく、松山公園の孔子廟を管理する久米崇聖会が宗教団体か否か、釋奠祭禮(せきてんさいれい)が宗教か否かが問題になったことである。一般論ではなく個別で判断するのが政教分離であるということだ。だから神社だけでなく孔子廟も政教分離に違反するという画期的な判決が下ったのである。

共産党、ニライ(新風会、社民党、社大党)、公明党などが城間市長の控訴に賛成した。一審で孔子廟が政教分離に違反していること、久米崇聖会は宗教団体であると判決した。この判決にも関わらず控訴したのである。一審判決を真剣に分析したか疑わしい。 
地方議員であろうと憲法を守るのは義務である。憲法違反をすれば議員失格である。控訴するか否かは議員生命をかけるに等しい深刻なことである。高裁でも確実に敗訴するのに控訴に賛成した政党は憲法を軽視しているとしか考えられない。

判決は28日(木)13時10分であった。判決前のテルさんの気持ちを聞いた。


 徳永弁護士から「必ず勝つ」と言われ、テルさんも勝利を信じていたが、判決が下りるまでは不安であると話した。テルさんは91歳である。高齢でありながら政教分離という憲法裁判の原告者になったのである。テルさんの不安は無理からぬことである。

 テルさんの勝訴の判決が下る。岩原義則弁護士が準備していた勝訴の紙を裁判所前で広げた。



裁判所前の広場で勝利の報告会を開いた。テルさんに笑顔はなく、まだ緊張していた。


報告会の次は県庁での記者会見があった。


 
 大勢の記者に囲まれての会見にテルさんの緊張は続いていた。



記者会見が終わり、チャンネル桜でテルさん、徳永弁護士と又吉の三人で判決の報告をやったが、写真で分かるようにやっとテルさんが笑うようになった。


テルさんおつかれさん。

チャンネル桜
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