ひとり座禅のすすめ

自分ひとり、坐禅(靜功)を日常生活の中で取り入れていくと今までと違った感覚を覚えていく。

自由な気の動きに任せ自然の摂理に委ねる気持ちが大切

2010-05-11 08:30:58 | 座禅

 口を閉じ鼻だけで呼吸します。 肩の力を抜き全身をリラックスします。 頭のてっぺんが天から引っ張られているような感じで、上体を維持します。 姿勢をよくしようとして、上体を反っては筋力が働きますので、筋力が働かないように上体を維持します。 

 私は布団の上で羽毛の枕の上に、半跏趺坐の胡坐で座ります。 長い間、普通の胡坐でしたが、私自身は胡坐のスタイルには、こだわりはありません。 結跏趺坐が何故よいか、それは足の裏を天に向けて座りますので、また足の裏は天の気を吸います、という理由で宇宙と自分の体が、一体になる感覚を感得できるからです。

 お尻に引くものは、出来るだけ低いものがよいと、私自身は思っております。 禅宗のHPを見ますと、お尻と両膝の3点で上体を維持するように書かれていますが、力学的に考えますと、重心は3点の中心に来ることになります。 長時間、胡坐を組むことを考えた時には、無理が生じます。 むしろ、上体をお尻全体で受け、両膝を転倒しないように床につけるべきなのです。 お尻、上体、天が、真っ直ぐになる感覚がよいのです。

 吐く息を出来るだけ長く吐き、吐く息をイメージで体の中へ吐き、吐く息だけに意識を集中する呼吸を伴いながら、1時間の座禅を継続的に行っていけば、ごく当たり前のように、生来もっていた気感を感得することになるのです。 人によると、これは神秘体験だ、特別なことだという言い方をする方がいますが、私は特別なことではなく、誰もが本来持っていたもの、肺呼吸を行うようになってから眠っていたもの、と考えています。

 ただし、ひとりで座禅を行う時の心構えとして大切なことは、無理をせず、いつも気の自由な動きに任せ、自然の摂理に委ねる気持ちを持っていることなのです。 必ずしも、座禅を行うときに、それなりの禅僧(指導者)がいるとは、限らないからです。

 ご自分が修行されたつらい経験を、そのまま私達に伝えようとするからです。 私達にほしいのは、修行時代を踏まえ更に、ご自分が座禅を行なう中で、その座禅の中から何を伝えたいかです。 座禅はつらい、苦しいものではありません。 むしろ私は座禅は、楽しいものと思っているのです。 そういう感覚を禅僧の方たちから、伝えてもらいたいことなのですが。