オールド・ニコン(その9)FM3A+Ai 50mm F1.4S


 今日ご覧いただくのは、Nikonの、と云うことは事実上この地球上で最後のメカニカルな一眼レフ、FM3A(レンズはいまだの新品が入手可能なAi 50mm F1.4S)です。(製品に刻印されている型番やカタログ等では最後のAの文字が小さく表記されます)

 FM3Aが登場した2001年は、SLR(一眼レフ)はすでにAF(オートフォーカス)化を完了し、DSLR(デジタル方式一眼レフ)の台頭が始まる、そんな年です。シャッター機構の低速側は機械式、高速側は電子式という非常に凝った、いわば究極の機械式SLRとも云えるカメラですが、2006年に発表されたNikonのフィルムカメラ事業の大幅縮小に伴いわずか6年で市場から姿を消すことになります。

 Nikonは1999年にD1を発売、2001年には高画素版のD1Xを送り出して以降、矢継ぎ早にプロ用の高性能DSLRを送り出します。アマチュア向けには2002年に当時としては低価格である30万円のD100を、2004年には価格を更に半分の15万円としたD70を発売、2005年にはフィルム版SLRを超えたかと思わせるD200が登場し、アマチュア用SLRも一気にデジタル化へと向かいます。

 そんな時代の流れの中でFM3Aの製造・販売が終了されるわけですが、New FM2の時と同様に、メーカーの在庫払拭と同時に程度の良い中古が新品価格を上回る現象が起きています。それ程までに完成度が高く貴重なFM3Aであったわけです。

 フィルムで、しかもマニュアル・フォーカスで写真を撮りたいと云う方には自信を持ってこのFM3Aをお勧めします。もちろん中古でしか入手できないのですが、販売台数が少ないこともあり良品~美品は5万円(ボディのみ)以上と、新品のD3300よりも高価となります。FM3Aで使えるMFレンズはいまだにメーカー純正が新品の入手が可能なだけでははく、たくさんの中古品が流通しておりますので心配ありません。

 横浜市青葉区の里山「恩田の森」の四季の移ろいを毎週ご紹介する「恩田の森Now」も是非ご覧ください。最新版は明日(26日)撮影、明後日の掲載を予定いたしております。
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