唐松林の中に小屋を建て、晴れた日には畑を耕し雨の日にはセロを弾いて暮したい、そんな郷秋<Gauche>の気ままな独り言。
郷秋<Gauche>の独り言
「一眼レフにはまる20代女性が増えている」のか?
今日の日経によれば、「一眼レフにはまる20代女性が増えている」のだそうだ。ヨドバシカメラマルチメディアAkibaの店頭にずらりと並んだカラフルなK-rの一台を手にする20代と思しき女性の写真の下に、そう云うキャプションが付けられていた。
ご丁寧にと云うべきか、増えている根拠としてCIPA(カメラ映像機器工業会)の「一眼レフの女性使用者の比率は2009年で11%と過去5年間で5倍に増えた」とのコメントが紹介されていたが、これを裏付けるように、前出のヨドバシの一眼レフ売り場では来店客に占める女性の割合が3割になっているとのこと。
コンパクトデジタルカメラを使い慣れた20代の女性は、「500グラム程度まで軽量化した一眼レフにためらうことなく手を伸ばす」(ビッグカメラ有楽町店)のだそうである。具体的にはニコンのD3100やキヤノンンのEOS Kiss X4の事だと思うが、500グラムと云うのは本体(ボディ)のみの重さの事で、これにバッテリーとレンズを装着すると750グラムほどになる(為念)。
と、ここまではほぼ日経の記事をなぞっただけなので、郷秋<Gauche>の「ひとひねり」を期待している向きには物足りないことだろう。と云う訳でここからが本日の本題。
タイトルにもした「一眼レフにはまる20代女性が増えている」と、件の記事中に書かれた「男性の趣味というイメージが強い一眼レフ」と云うくだりに郷秋<Gauche>はどうしても引っかかる。何故「写真にはまる20代女性」や「男性の趣味というイメージが強い写真」ではなく「一眼レフ」なのか。
写真が趣味なのはわかるが、果たして一眼レフは趣味になり得るのか。確かにカメラはコレクションの対象となり得るが、それはライカやニコンのSシリーズ、F一桁シリーズなど、産業史の1ページを飾れるほど技術的にも貴重で、かつ美しいいカメラの話であって、1年毎に新型が出ては忘れされれる入門・初級者向けのDSLR(デジタル方式一眼レフ)はコレクションンの対象にはならないだろうと思うぞ(もっとも2005年のD50以降、毎年新機種が登場するニコンの入門・初級者向けのDSLRを20年分20台集めれば、それはそれで1つのコレクションと云えるだろうが)。
カメラはあくまでも写真を撮るための道具だ。「弘法筆を択ばず」と云う言葉があるが、当たり前の話だが郷秋<Gauche>は弘法ではないから、どんな筆(カメラ)でも良い字を書ける(写真を撮れる)訳ではもちろんない。だからこそ良い写真を撮るために、足らざる「腕」をカバーするためにより良いカメラが欲しいのだ。ただカメラが好きだからと闇雲に高価なカメラが欲しいと云う訳ではない。あくまでも、より良い写真を撮るための道具として、良いカメラが欲しいいのである(為念)。
例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は恩田の森、白山谷戸の道端の梅の木。日当たりも良くなく、時に根元にゴミを不法投棄され、剪定もされていない老木だけれど、毎年健気に花を咲かせるこの木に魅かれる郷秋<Gauche>である。