神奈川新聞で笑う ―エスカレーターの乗り心地?―

 「神奈川新聞を嗤う」ではない。「神奈川新聞で笑う」である。くれぐれもお間違いなきように。笑わせてくれる神奈川新聞、素敵じゃないか。今日、笑わせてくれた神奈川新聞の記事は「エスカレーターが横浜駅東口に完成」。郷秋<Gauche>的にはこの記事内容はどうでもよくて、笑いの元は、添えられた写真のキャプションにあった。

「新エスカレーターの渡り初めも行われ、乗り心地を確かめた関係者」

 郷秋<Gauche>的笑いのポイントは二つだ。一つは「エスカレーターの渡り初め」。渡り初めとは「橋や道などが出来上がった時に、土地の高齢者などが最初に渡って祝うこと(儀式)」である。エスカレーターは橋でないことは確かだが、それじゃ「道」か?まっ、坂道の変形である階段に類するものと考えれば「エスカレーターの渡り初め」は正しい表現なのかも知れないな。深いぞ、神奈川新聞。

 笑いのポイントの二つ目は「新エスカレーターの乗り心地を確かめた関係者」だ。乗り心地は「乗り物に乗ったときの感じ」だ。うぅぅぅん・・・、エスカレーターは乗り物か。乗り物は「客などを乗せて運ぶ交通機関。電車、汽車、バスなど」のこと。動く階段と表現しても良いエスカレーターではあるが、交通機関か?電車やバスに類似したものか?いや、これは違うだろう。

 果たして横浜駅東口に完成した新エスカレーターに「試乗」した「関係者」は、「うん、このエスカレーターは乗り心地がいいぞ」と思ったのかどうか、残念ながら神奈川新聞は伝えていない。相変わらず読者の創造力を書き立てるのが上手い神奈川新聞だ。日々「B級笑い」と共にblogネタを提供してくれる神奈川新聞は郷秋<Gauche>にとってはなくてはならない新聞だな。

注:本日の記事中の「言葉の意味」は、独創的かつ面白いことでは最右翼と誰もが認める「新明解国語辞書 第四版」(三省堂)による。


 例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、落ち椿。木に咲く椿は勿論美しいが、力尽きてポトリを落ちた椿もまた美しいのです。
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