ニコンの(型落ち)標準ズーム3本

 右からAi AF-S Zoom Nikkor ED 28-70mm F2.8D(IF)、AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G(IF)、AF-S DX Zoom-Nikkor ED 18-70mm F3.5-4.5G(IF)そして比較のための登場してもらったAi Nikkor 50mm F1.4Sである。

 D200と共に登場した18-200mmは最近VRIIに進化したが基本的なディメンションに変更はない。AF-S DX Zoom-Nikkor ED 18-70mm F3.5-4.5G(IF)はD70と共に登場した新世代の標準ズームであったが、この記事を書くためにNikon(ニコン)のサイトで確認をしたら「本製品の生産は完了しました」との表示があり、ちょっとショック。

 さて、問題は右端のやたらとでかいレンズである。これは既にAF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G EDに取って代わられたひと世代前、つまりフィルム時代最後期の大口径標準ズームレンズである。今月10日に「現在Nikon FXフォーマットへの移行に向けて準備を進めているところである。その準備の具体的な内容は遠からずご報告できるものと思う」と書いたのは、実はこのレンズのことである。

 フィルム時代最後期からデジタル創世期にかけて、このレンジでは最高峰と云われたレンズだが、最新のDSLRで使うと逆光に弱いなど画質の「あら」が目立つと云われてはいるが、「形から入る」郷秋<Gauche>としては、何だかひょろりとして頼りない現行の24-70 F2.8Gよりもデザインバランスがいいし、最新のAF-S NIKKOR 16-35mm F4G EDにVRが導入されたことを考えると早晩24-70 F2.8GにもVRが導入され、現行の24-70 F2.8Gは「型落ち」になるだろうと踏んで、それならばと、「美しくかつ逞しい」28~70mm F2.8Dの中古購入となった次第である。


 それにしても28~70mm F2.8Dはデカイ。Ai Nikkor 50mm F1.4Sが余りにも小さく見えるのだが、これとてMF時代のレンズとしてはごく標準的な大きさのレンズであり、現在のレンズが肥大化し過ぎていると云うのが正しいと、郷秋<Gauche>は思っている。

 そうは云ってもこの写真の右3本が現実でありこれを否定することはできない。先にも書いた通りAF-S DX 18-70mm F3.5-4.5GはDSLR普及の立役者、D70の標準ズームレンズとして登場した、今としてはまったく標準的なサイズのレンズであるが、D70よりも小柄なD40、D60に装着すると多少大きくも見える。その18-70mm F3.5-4.5Gと比べると一回り以上大きなAF-S DX VR 18-200mm F3.5-5.6Gであるが、右隣なりの28-70mm F2.8Dと比べるとまるで赤子のように見える。と云うか、やはり28~70mm F2.8Dが巨大過ぎるのである。

 28-70mm F2.8Dを試しにD40Xに着けてみた。AF駆動モーターを持たないD40Xだが、AF-Sタイプの28~70mmは勿論何の問題も無く使える。しかし、このレンズを着けたD40Xはカメラを構えると云うよりはレンズを持っている云った具合で重量バランスが悪いが、MB-D10(マルチパワーバッテリーパック)を装着したD300に着けると総計2000gは超えようと云う重量級ながら重量バランスがよいことからさほど重さを感じないから不思議である。

 28-70mm F2.8DをD300に装着するとフルサイズ42-105mm相当の画角となる。望遠側はともかく、広角側の42mm相当は物足りないので、このレンズが本領を発揮するのはやはりD700の後継機、D900に装着した時と云うことになるな。早く出ないかなぁ、D900。

追記:18-200のズーム環のところにゴーストが出ていますね。撮影用レンズのすぐ近くに照明光源があったためですが、最新のレンズならこんなことは起こらなかったものと思われます。たまには使ってあげようかと思って取り出したのが30年年以上前のSeries Eの50mm F1.8だったことがこのような無様な写真をご覧いただくことになった原因です。MFのボディに着けていれば当然自分でピントを合わせようとするのですが、D300につけていると、シャーターボタンを半押し、「あれっ、AF効かない!」と思ってしまうのが情けないところです(^^;
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