唐松林の中に小屋を建て、晴れた日には畑を耕し雨の日にはセロを弾いて暮したい、そんな郷秋<Gauche>の気ままな独り言。
郷秋<Gauche>の独り言
F3Pがやってきた
前々から欲しいと思っていたF3Pが郷秋<Gauche>の許にやってきた。一昨日の夜、忘年の酒を酌み交わしていたK氏がお持ちのF3Pを手放そうかと思っているとのこと。すかさず「手放すなら私にお譲りください!」とお願いした次第だ。アタリや塗装のハゲ、大きなキズもなく外観は大変綺麗で程度は上々、なおかつ最近メンテナンスもしているとのこと。「郷秋<Gauche>君が使ってくれるなら相場より相当安い価格で」との事なので、申し訳が無いので先日届いたばかりのヴィラデストのメルロー(2008年)もお付けしてお譲りいただいた。
Nikon(ニコン)F3Pは、カメラフリークには今更説明の要も無いほど有名なカメラだけれど、ご存知ない方の為にF3Pの特徴を記しておこう。
F3Pの「P」はPressの「P」。つまり、1980年に登場したF3(より正確には82年登場のF3HP)をベースに、報道カメラマン用にニコン自らが改造したもので83年に登場しており、報道カメラマンにとって必要の無い機能を省くと共に信頼性向上の為に入念な防塵・防滴処理が施されている。
まず、セルフタイマーが省かれ、それに伴ってアイピースシャッターも省かれている。素早いフィルム交換の為に裏蓋を開ける時に使うロックノブも省かれている(ただし誤動作防止に為にノブの引き上げが重たくなっている)。シッターボタンからレリーズ用の穴が省かれボタン全体が黒いゴムで覆われている。シャッターボタンロック機構もノーマルF3とは異なる。多重露光の際にシャッターチャージのみを行うためのレバーも省かれている。
凹みやすいペンタプリズムカバーが丈夫なチタン製に換えられ、同時にこの部分の塗装がちりめん状のものとなり、ストロボ用のシューが増設されている。これに伴い脱着可能なファインダーとボディの双方に電気接点が設けられているが、F3P用のファインダーをオリジナルのF3ボディに装着することも可能である。オリジナルF3との一番大きな外見上の違いがこのペンタ部のシューの有無であるが、これはフィルム巻き戻しの為に巻き戻しノブ基部に装着したストロボ用のカプラーを外さなくても素早く巻き戻しが出来るようにするための工夫である。
フィルムカウンター数字の視認性向上の為に数字色が白に変えられ、窓も若干大きな丸型とされている。また防塵・防滴性向上の為にASA(ISO)感度表示窓には透明カバーが付けられている。表面にはノーマルモデルと同様、F3としか書かれておらず、F3Pとの表示はどこにも無いが、裏面のシリアルナンバーの頭に「P」の文字が加えられている。
以上が外見上の相違点だが、ノーマルF3との違いはボディ内部にまで及んでいる。F3はニコン1桁として初めてAEを導入したモデルで、そのための電子基板がボディ底面に配置されているが、このボディ底面に念入りな防滴・防錆処理がされているのをはじめ、内部には徹底した防塵・防滴処理がなされている。見えない部分にまで耐久性向上のための手を緩めない姿勢こそが「報道のニコン」という評価を作り上げてきたのである。
プロカメラマンの絶大な信頼を得たF3Pの伝統は現在のフラッグシップであるD3シリーズに受け継がれているわけだが、予算さえあれば郷秋<Gauche>でも購入できるD3とは違い、F3Pはニコンプロサービスセンター(NPS)登録者のみに販売された報道用特需品であり、一般のユーザーが新品を入手するのは困難であった。それでも欲しいという愛好家のために、ようやく93年にF3リミテッドが発売になったが、これも限定発売であったので入手できた愛好家は多くはなかったはずである。
そんなこんなのF3Pが1983年の登場から四半世紀を経て郷秋<Gauche>の手許にやってきたわけだが、さて、これで何を撮ろうか。レンズは20mmから200mmまでのAi-sがほぼ揃った。現像タンクはある。行方不明になってしまったチェンジバッグとフィルムピッカーは購入した。現像剤と定着剤を購入すればいつでもフィルムの現像が出来る体制が整った。いつフィルムの自家現像に踏み切るか、問題はそれだけだな。
今日の一枚はオリジナルのF3との相違点をピックアップしてみたもの。既に書いたが、フィルムカンターの数字が白くなり(オリジナルは青)、窓が丸型(オリジナルは扇型)にされている。またシャッターボタンにレリーズ用の穴がなく、全体が黒いゴムで覆われている。そして一目でそれとわかるのがペンタ部に新設されたストロボ用のシュー。
追記:昨晩Upした写真が余りにもお粗末だったので、多少マシなものと差し替えました。(12/5 7:45)
Nikon(ニコン)F3Pは、カメラフリークには今更説明の要も無いほど有名なカメラだけれど、ご存知ない方の為にF3Pの特徴を記しておこう。
F3Pの「P」はPressの「P」。つまり、1980年に登場したF3(より正確には82年登場のF3HP)をベースに、報道カメラマン用にニコン自らが改造したもので83年に登場しており、報道カメラマンにとって必要の無い機能を省くと共に信頼性向上の為に入念な防塵・防滴処理が施されている。
まず、セルフタイマーが省かれ、それに伴ってアイピースシャッターも省かれている。素早いフィルム交換の為に裏蓋を開ける時に使うロックノブも省かれている(ただし誤動作防止に為にノブの引き上げが重たくなっている)。シッターボタンからレリーズ用の穴が省かれボタン全体が黒いゴムで覆われている。シャッターボタンロック機構もノーマルF3とは異なる。多重露光の際にシャッターチャージのみを行うためのレバーも省かれている。
凹みやすいペンタプリズムカバーが丈夫なチタン製に換えられ、同時にこの部分の塗装がちりめん状のものとなり、ストロボ用のシューが増設されている。これに伴い脱着可能なファインダーとボディの双方に電気接点が設けられているが、F3P用のファインダーをオリジナルのF3ボディに装着することも可能である。オリジナルF3との一番大きな外見上の違いがこのペンタ部のシューの有無であるが、これはフィルム巻き戻しの為に巻き戻しノブ基部に装着したストロボ用のカプラーを外さなくても素早く巻き戻しが出来るようにするための工夫である。
フィルムカウンター数字の視認性向上の為に数字色が白に変えられ、窓も若干大きな丸型とされている。また防塵・防滴性向上の為にASA(ISO)感度表示窓には透明カバーが付けられている。表面にはノーマルモデルと同様、F3としか書かれておらず、F3Pとの表示はどこにも無いが、裏面のシリアルナンバーの頭に「P」の文字が加えられている。
以上が外見上の相違点だが、ノーマルF3との違いはボディ内部にまで及んでいる。F3はニコン1桁として初めてAEを導入したモデルで、そのための電子基板がボディ底面に配置されているが、このボディ底面に念入りな防滴・防錆処理がされているのをはじめ、内部には徹底した防塵・防滴処理がなされている。見えない部分にまで耐久性向上のための手を緩めない姿勢こそが「報道のニコン」という評価を作り上げてきたのである。
プロカメラマンの絶大な信頼を得たF3Pの伝統は現在のフラッグシップであるD3シリーズに受け継がれているわけだが、予算さえあれば郷秋<Gauche>でも購入できるD3とは違い、F3Pはニコンプロサービスセンター(NPS)登録者のみに販売された報道用特需品であり、一般のユーザーが新品を入手するのは困難であった。それでも欲しいという愛好家のために、ようやく93年にF3リミテッドが発売になったが、これも限定発売であったので入手できた愛好家は多くはなかったはずである。
そんなこんなのF3Pが1983年の登場から四半世紀を経て郷秋<Gauche>の手許にやってきたわけだが、さて、これで何を撮ろうか。レンズは20mmから200mmまでのAi-sがほぼ揃った。現像タンクはある。行方不明になってしまったチェンジバッグとフィルムピッカーは購入した。現像剤と定着剤を購入すればいつでもフィルムの現像が出来る体制が整った。いつフィルムの自家現像に踏み切るか、問題はそれだけだな。
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今日の一枚はオリジナルのF3との相違点をピックアップしてみたもの。既に書いたが、フィルムカンターの数字が白くなり(オリジナルは青)、窓が丸型(オリジナルは扇型)にされている。またシャッターボタンにレリーズ用の穴がなく、全体が黒いゴムで覆われている。そして一目でそれとわかるのがペンタ部に新設されたストロボ用のシュー。
追記:昨晩Upした写真が余りにもお粗末だったので、多少マシなものと差し替えました。(12/5 7:45)
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