NGは「NG」でしょう

 親愛なる神奈川新聞、今日の23面に「サケ捕獲はNG」と云う囲み記事が掲載されていた。記事内容は、神奈川県内の河川でサケの遡上が確認されたことを受け「水産資源保護法により、内水面(郷秋<Gauche>注:川や湖のこと)でのサケの捕獲が禁止されている」ことを周知するものなのだが、郷秋<Gauche>が気になったのは「NG」の二文字である。「NG」って、いったい何なの?

 この「NG」、Infoseekマルチ辞書で調べてみると、

1. ナイジェリアのISO国地域コード
2. ワシントンにある(郷秋<Gauche>注:アメリカの)国立美術館
3. アメリカの州軍,また州兵

の省略形であることがわかるが判るが、「サケ捕獲はNG」の「NG」に当てはめてみてもどれ一つしっくり来ない。当然である。神奈川新聞が書いた「NG」はNo Goodの「NG」だからだ。でもの、このNGって、Infoseekマルチ辞書にも書かれている通り、本来「映画などで、本番の撮影が失敗すること。また、その失敗したフィルム」の事であって、No Goodの直訳、「良くない」「ダメ」とは違うんだよね。

 そうは云いながら、若い世代の間ではNGが「良くない」「ダメ」の意味で使われていることを郷秋<Gauche>は知っているし、「それはNGでしょう」などと自分でも使ってはいるけれど、60代以上の世代での「NG=良くない、ダメ」の認識率はどれ程なんだろうね。

 言葉は常に変化する。昭和初期の常識人が眉をひそめ言葉であっても、平成21年には堂々と使われている例はいくらでもある。問題は「公器」としての新聞が使ってよい言葉と使わない方が良い言葉とをきちんと認識しているかどうかである。残念ながら我が親愛なる神奈川新聞はその辺りがちょっと(と書いたが、実は相当)怪しい。地方新聞の悲しさと切り捨ててしまうことは看過できない重大な問題である。と、愛読者故に厳しく指摘しておこう。

参考:ANA、JAL共に国内ローカル路線、短距離国際線用に積極的に導入している新型小型ジェット旅客機にボーイング737GNというモデル群がある。型番としては737-700(同ER)、737-800がこれに当たるが、この場合の「NG」はNo Goodの省略形ではなく「New Generation」(新しい世代)の省略形である。
 

 例によって記事本文とはなんの関係もない今日の一枚は、3日から続いている「建物の表情」の5作目。建築物の魅力には色々あるけれどこれまでご覧頂いたものと同様、建物のグラフィカルな面白さだけを切り取った写真です。
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