漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

漢方家ファインエンドー薬局(千葉県)
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スタチン系(高コレステロール対策薬)

2008-02-27 | 調剤薬
スタチン系薬剤(HMG-CoA還元酵素阻害薬)

(作用)
スタチンが肝細胞内でのコレステロール合成をブロック。
  ↓
コレステロールが足りなくなった細胞は、血中のコレステロールを積極的に取り込むようになる
  ↓
結果、血液中のコレステロールは少なくなる

(特徴)
悪玉コレステロールLDLおよび中性脂肪の減少に有効
副作用として横紋筋融解症注意


(開発の歴史)
1)第一世代スタチン系(微生物代謝物から単離されたもの)
プラバスタチン(商品名:メバロチン)1989年
シンバスタチン(リポバス)1991年

2)第二世代(化学合成品)
フルバスタチン(ローコール)1998年

3)第三世代(化学合成品)(スーパースタチンと呼ばれる)
アトルバスタチン(リピトール)2000年
ピタバスタチン(リバロ)2004年
ロスバスタチン(クレストール)2005年

ごく最近では、スタチン系とは作用が異なる
新しい高脂血症薬エゼチミブ(ゼチーア)2007年が発売され注目。
小腸からのコレステロール吸収に関与する「小腸コレステロールトランスポーター」を阻害する作用を有する。

コレステロールそのものは悪いものではなく体にとって必要なもの(細胞膜の成分だったりステロイドホルモンや胆汁酸の元となる)。しかし食事からの合成量が多すぎると血液中に余ってしまい、これらが血管壁にくっついて酸化されると動脈硬化が進む。

ただし、極端に脂ものや甘いものなどを制限しすぎると、細胞膜が弱くなるので、抵抗力が落ちたり、また精神的にもイキイキしなくなるので、何事も行き過ぎには注意しましょう。
運動を気分よく行うことも大切。

更年期になると高脂血症