漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

漢方家ファインエンドー薬局(千葉県)
http://kampo.no.coocan.jp/

単騎、千里を走る。(映画)

2006-01-31 | 映画
オープニングから久々の高倉健の声。ドキッとしますね。味わいのある声で包容力を感じます。
しかし年齢を重ねた彼の背中は、かつてより少し小さくなったように見え、それがこの物語の父親としての悲しみみたいなものを一層増幅させます。

ガイドたち、警察の人、村の人々、彼らの人としての接し方に、新鮮さを感じてしまった私は、こんなにも大切で当たり前なことを忘れてしまっていたのですね。

『義理』とか『道理』とか、言葉さえ忘れてしまいそうな今頃の生活は、なんと粗末だったんでしょうか。

さすが監督チャン・イーモウは、人に演技させるのがうまいというか、人の人格を引き出すのがうまいというか、おかげで役の人間性に深みや味わいがでていて感動します。
何があっても引かない高倉健の父親としての意地、それに心をひらく中国の人々。淡々としていながら、心が熱くなります。
舞踏家・李加民のきりっとした表情もステキでした。

日本側の映像にちょっとわざとらしさと流れが中断する感じがあって、ちょっと残念。


公式サイト

(メモ)
>「単騎、千里を走る」は、「三国志」の仮面劇の演目。後に蜀帝となる劉備の義弟・関羽が、劉備の妻子とともに敵の曹操に捕まるが、劉備への仁義を守り、ただ一人で劉備の妻子を助けて脱出、劉備のもとへ帰ってくるという”家族の再生”の話だ。
 たった1人で中国に渡り、心の中で”家族の再生”を果たす本作の主人公と重ね合わせている
マダム・クニコの映画解体新書より

★★★★

肌の炎症がおさまり、去年の冬とはぜんぜん違う

2006-01-28 | 肌トラブル・アトピー・美容
昨年4月から漢方対策をはじめ、昨年を振り返ってしみじみ、
「去年とはぜんぜんちがいます。たまに太ももあたりがかゆいけど、炎症を起こしているところもほとんどないし・・・」

子供の頃からのアトピーで、肌がすっかり黒くくすんでしまっていた30代女性のこと。
当初は、目の周りや指など色素沈着がつよく、思わずそこに目が行ってしまう肌色でした。全体的に乾燥肌で、耳や唇などが炎症を起こしてすぐに切れれてしまう状態。

これまで肌状態に波はありましたが、それでも少しずつくすみが取れてくるのがわかり、なによりご主人が、「よくなってるよ」、「前よりも調子良さそうだね」とよくほめてくれるのだそうです。

これってすごく大事。めげそうになっても、養生をまた続けられます。

逆に、調子悪くする方法は、
「疲れてるみたいね」「それ、大丈夫?」「具合悪そうだね、大丈夫?」
心配してあげてるみたいだけど、これで相手の寿命は縮まるとか。
気をつけよう。


夏場は補陰剤、活血剤とともに炎症を抑える処方を使い、スキンケアには生薬がたっぷり含まれるローションとクリーム。
漢方薬剤師が作った敏感肌対応化粧水&クリーム
寒くなってからは、補血活血を中心に潤いを補う対策を行っています。
どんなときも、決して炎症が治まらなかった手の甲も、今は落ち着いています。
いい状態を長く維持すれば、肌全体が安心して、過敏な状態がおさまってくると思います。

漢方の部屋






こちらはビッグサイズの赤ちゃん

2006-01-25 | 生理・生理不順・生理痛
久しぶりに婦宝当帰膠をお買い求めいただいた女性。こちらは、赤ちゃんがすでに生まれて4ヶ月になりました。体重がなんともう8kg近い男の子。食欲満点とのこと。
母乳の出が今ひとつですが、「漢方を飲んでいなかったら、もっと足りなかったと思う」とおっしゃっていました。

母乳には、ミルクには賄いきれない大切な成分が含まれています。母の恵を少しでも与えてあげましょう。

子育ては体力勝負、でも夢がいっぱい。
頑張れ!

漢方の部屋

不妊症



漢方対策でいきなり妊娠

2006-01-25 | 生理・生理不順・生理痛
「いきなりですが、妊娠しました」と控えめに言う20代女性。本日が2回目の来店。たしか先月初旬から妊娠対策の漢方薬を始めたばかり。

「中には漢方を始めたとたんに妊娠する人もいますよ」
なんて前回話したけれど、ほんとうにこんなに早く成功するなんて。
本音のところ、これじゃ儲ける暇もない(うれし泣き
でも、小気味いいというか、思わず拍手してしまいました。

結婚して1年半、そして年齢も若いけど、もともと生理周期が45~60日と長く、すごく冷え性。
ホルモン療法も同時進行中でしたが、多嚢胞性卵巣でもあるので、できるだけ早く結果を出さなければならない状態でした。

先月来店時は、生理が始まったところで、いわばちょうど生理周期のスタート点。
わずか1ヶ月でも、卵胞や子宮内膜の成長には、がっちりサポートを与えられたと思います。

今日からは、婦宝当帰膠を少なめですが服用を続け、母子の成長をサポートしてゆくことにしました。

元気な赤ちゃんを産んでね。

また、私の孫が一人増えます。

不妊症対策

漢方の部屋




博士の愛した数式(映画)

2006-01-23 | 映画
こんなに淡々と美しく、心洗われ素直に涙が流れる映画は久しぶりです。

『とても潔い数字だ』なんていわれると、すごくほめられたみたいで不思議ですね。
『友愛数』なんて命名した数学者はなんとロマンティックなんでしょうか。
『なんにも役に立たない数学』に哲学や自然や宇宙を感じてしまいます。

そして『記憶』の問題。
『それは前に聞きました、って言わないことにしよう』とか、きめこまやかな思いやりがうれしいです。
『私の記憶は80分しか持たない』ことを思い知らされるとき、本人はどれほどの恐怖感、不安感に陥ることだろう。

しかしそれを乗り越え、『あるがままを自然に任せて、生きてみよう』と言わせる心境に到達する博士は、時の流れに流されるのではない『永遠の真実』に見事に到達したといえるのでしょう。

”-1”の心にそんな強い気持ちが”+1”として加わると『0すなわち無に受けとめられる』というセリフも、よくわからないけど、胸にぐさっと刺さり、みるみる救われる気持ちになりましたね。

言い訳がましい媚も一切感じさせることなく、母親(深津絵里)と博士(寺尾聰)とのエピソードと数学教師となったルート(吉岡秀隆)の教壇での解説が、心地よく染み入る。
憂いを漂わせた義姉役の浅岡ルリ子もすごくいい雰囲気でした。

監督は小泉堯史(雨あがる、阿弥陀堂より)

公式サイト

★★★★★



シマウマみたいに髪が黒々

2006-01-19 | 老化・血流
70代の女性。来店当初は、きれいな白髪で、そして杖をついてゆっくり歩いてこられていました。
足腰が冷え、痛みもあるので、温める効果のある補腎剤を半年ほど服用していたら、ある日、どこが違うのか、なんとなく急に若返った感じがしました。

「調子良さそうですね」
「ずいぶん元気になりましたよ。これ、飲み始めてから髪が黒くなってきちゃって」
「あ、確かに黒くなってる」
「後ろのほうはもっと黒いよ。うれしくてさ」

それから2ヵ月後
「また若くなったんじゃないですか?お友達に言われるでしょう」
「そうなのよ。みんなに髪黒くなったってめずらしがられるの。真っ白い髪になりたかったんだけど、どんどん黒くなっちゃって、もうシマウマみたいになっちゃった」
「忘れないように、しっかり8粒づつ毎日飲んでるよ」

たしかに、あちこち真っ黒な、しかもつやつやした髪になっている。
気がつけば、
「今日は杖を使われていないようですね」
「足の痛みもずいぶん楽になったから、できるだけ使わないようにしてるの。ここまで30分くらいかかるけどゆっくり歩いてくるのよ」

すごい。
前にも、不妊対策で補腎剤を服用していて、生え際の髪が生えてきたと喜ばれた女性もいたが、これほど顕著な例は初めてでした。

漢方の部屋







THE有頂天ホテル(映画)

2006-01-19 | 映画
あつかましいくらい三谷幸喜監督のパワーに押されっぱなしって感じでしたね。しかし一方で、演出が、役者たちに気を使いすぎていて、ストーリーに身が入らず、役者のことばかりハラハラしながら見ている状態でした。

これって、映画としていいことなんでしょうか?
おなかいっぱいの割には、満足できない変な後味です。

個人的には、オダギリジョーのあの役は、かなり目新しくて気に入りましたが・・・

あらすじなど

ちなみに、『ラヂオの時間』、『みんなの家』 は大好きでした。

★★★☆

漢方周期療法で生まれた赤ちゃん

2006-01-14 | 生理・生理不順・生理痛
薬局に、生まれて3ヶ月になる赤ちゃんを連れて夫婦がやってきた。
まるまると太った男の子。3ヶ月で7kgになったという。
元気いっぱいで、すでに首もすわり、よく笑い表情が豊か。髪はふさふさ。すでに足を踏ん張っている。
父母の生命力をがっちりいただいて誕生したという感じで、先天の力の大きさを感じさせる赤ちゃんだ。

実はお母さんになった女性は、30代後半で稽留流産を経験し、体調を立て直そうと当店に漢方を求めてきた方。
熱心に『漢方生理周期調整法(周期療法)』を行い、始めてから5ヶ月で妊娠に成功した。
妊娠初期は少量の出血が続き、前回流産したときの週齢を超えるまで不安でしたが、漢方薬対策で体調管理がうまくいき、前回と違って胎児はぐんぐん成長。
結婚11年目にして、みごとな男の子のお母さんとなったのでした。

漢方生理周期調整法

で、うれしくて抱っこさせてもらったものの、ずっと抱えていたので、彼らが帰った後、左上腕が固まって、物を持とうとする手が震えてしまった。

お母さんになりたい人は、腕立て伏せでもして、筋力もつけておいた方が良いかも・・・



五千回の生死

2006-01-14 | 
前回の『私の中に三千もの生き方があるなら・・・』で思い出したのが、同じく宮本輝の小説、その名も『五千回の生死』
どんなにすごい人物が登場するのだろうと思ったら、夜明け前の暗くて寒い街を自転車でふらふらとやってくる男です。

その男は、すぐに気持ちが落ち込んで『死にとうなった・・』とつぶやいて暗い顔をする。
が、自転車を少しこぐうち、すぐにまた晴れ晴れとして顔になる。そしてまた落ち込む。
そうやって何度となく気持ちが揺らぐのだ。

1日のうちに5千回も死にたくて仕方がなくなり、そしてそのたびに新しく生まれ変わるのだそう。

変なやつ、と思ったけれど、読み続けるうちに、「落ち込んでもいいんだ」って思えてきた。



原因が生まれたと同時に結果が決まる、か?

2006-01-11 | 
『因果倶時』(いんがぐじ)。意味は「原因が生まれたとき同時に結果も決まる」
すべてに定められた動かし難い運命のようなものがあるというふうに解釈できますが・・・

蓮の花が咲くときすでに種子もできているという花果同時の状態からできた言葉だそうです。

『因果倶時』 ならば、どうするか?
もう運命が決まっているなら、今の自分を諦めて悲しい運命がやってくるのを待つしかないのか?

この言葉は、宮本輝の小説『睡蓮の長いまどろみ』の中に出てくるのですが、登場する薄幸の女性のこの言葉に対する理解の仕方がすごい。

「ならば、違う原因を作れば、新しい運命が開けるかもしれない」と考えたんですね。
「私の中に三千通りもの生き方があるなら、私は三千の自分を生きてみたい」
すごい、セリフです。
背筋がぞくっとしました。

原因を作り出すのが自分なら、望む結果を勝ち取るのは自分しだいだ
行動を起こさなければ何も変わらない
と考えたわけです。

もちろん半端でできるものではないけれど、『因果倶時』ならきっとできると思えるし、そう考えると未来に希望が広がって、人生が楽しみになるよね。



キングコング(映画)

2006-01-05 | 映画
不覚にも、キングコングの切ない瞳に、涙してしまった・・・
最後に『なぜあんな逃げ場のないところへ登ったのか?』
それは、すでに彼はあの島でも一人っきりだった。自分の終りを知っていたのでしょうね。だから最後に、アンと感動を分かち合った『ビューティフル』な夜明けをもう一度二人っきりで見たかった・・・悲しい~

”叫び”のナオミ・ワッツ、『アン』に適役でした。
”戦場のピアニスト”のエイドリアン・ブレディ、『アン』の引き立て役にぴったりでした。
そして”あの”ジャック・ブラックの無茶な映画監督、彼らしい出来でした。

そして、あの”ロード・オブ・ザ・リング”のピーター・ジャクソンの映像。
あまりにも”らしい”創りでした。
当時を知らないけど、あの街並みのシーンは、相当凝りまくっていましたね。
恐竜が現れるに至っては、どうかと思うけど、島に到着してからの景色は、『彼の世界にきたきたっ』って感じでした。(ちょっと長くてたまにあくびが出たけど・・・)

『キングコングの映画を撮りたかった』という彼の気持ちは、ひしひしと伝わってくる作品でした。

キングコング オフィシャルサイト

★★★☆

ALWAYS三丁目の夕日(映画)

2006-01-05 | 映画
もう、”泣かせるツボ”にしっかりはまってしまう造りでしたね。
特に、淳之介が迎えに来たお金持ちのお父さんを断って、龍之介のところに戻ってきたシーン。
走ってきたところで、(やっぱり・・・)ウルウル(もう泣いちゃう)、でもってさらに、淳之介少年がなんどもイヤイヤと首を振りながら、龍之介にしつこくすがりつくに至っては(やりすぎだよ、勘弁して~)もう涙が滝状態・・・

学生時代に読んだことのある西岸良平の作品。そのコミックの中でも昭和30年代の様子が細かく描かれていて印象的だったけど、この映画もかなり作りこまれていました。

家の中にひとつひとつ、電化製品がそろっていくうれしさって当時ありました。
我が家にあの冷蔵庫がやってきたときのことを思い出しました。
幼いながらも『氷屋さん、来なくなるの?』と不安に思ったものでした。

父は私に『お前のために冷蔵庫を買ってやった』といい、私は、『すごい、私に!?』とマジに受けて数日間は喜びの中でした。映画のように、頭突っ込みましたね。

が、しかし毎日の冷蔵庫の利用状況を見ていると、どうもこれは私のためだけではないと気づき(当たり前だ)妙に落胆したのを覚えています。
(父は私にうそをついた・・・)
ちょっと恨んだ気持ちになりました。
今思えば、ずいぶん強欲な子供でした。


で、映画の俳優陣も皆よかった。
特に、吉岡秀隆は”北の国から”を脱していい芝居をしてたと思う。”茶川龍之介”彼の新境地がやっと開けたのかな。
これまでまじめな役ばかりだった小雪のちょっとあばずれな女も新鮮でした。

監督は、リターナー、ジュブナイルの山崎貴

あらすじ

★★★★★

おめでとう!(妊娠と出産・不妊症克服)

2006-01-04 | 生理・生理不順・生理痛
12月にめでたく出産された方から赤ちゃんの写真を年賀状でいただいた。
病院のベッドでの写真で、なんとも初々しい。
お母さんの肩越しから抱かれた赤ちゃんを撮っているので、お母さんとなったばかりの彼女の横顔も写っている。「アプー」とでもいっているような赤ちゃんの口元。
やさしい幸福が、ひしひしと伝わってくる。
彼女は、不妊症の漢方対策を行って9ヶ月でみごと妊娠。結婚8年目です。
すでに30代後半だということもあってか、その間はとても熱心にそして焦らずコツコツ体質改善の養生を行ってくれました。
これからの育児、体力がいるぞ~。また漢方薬で産後もがんばってね。

一方メールでも今日は、うれしい知らせをいただいた。
生理不順で漢方対策を行っていた方からの妊娠の知らせです。
彼女は、生理がごくたまにしかこない状態でしたが、しだいに改善してきた昨年の秋に、子供がほしいということで、不妊症対策を始めたばかりでした。
つわりが苦しいとのことですが、がっちり養生を続けて、授かった赤ちゃんを育ててね。
だってもうお母さんなんだからね。

それにしても自分でやっててなんだけど、漢方ってすごい。

生理と漢方(生理不順、不妊症など)