漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

漢方家ファインエンドー薬局(千葉県)
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慢性腰痛の養生法

2022-06-29 | 老化・血流

痛みが発生するとそれを庇って姿勢が崩れがちで、左右の筋肉のバランスが崩れて更なる痛みが発生することもあります。

いつも正しい姿勢を意識して過ごしてください。

・アゴのずれを防ぐ。食事をするときは両方の奥歯を均等に使ってよく噛む 
・腕を回すなどして肩甲骨を動かし左右のバランスを整えると骨盤の位置も安定しやすい 
・スクワットで腰から太ももの筋力をつける (膝が痛いときは無理をしない)
・朝晩ストレッチ体操を行い、腹筋と背筋のバランスを整える
・正しい姿勢で毎日ウォーキングする
・デスクワークのときは、1時間ごとにイスを立って腰を伸ばすストレッチを行う 
・重い荷物を持つときはきちんと腰を下ろし重さを確かめてから持ち上げる 
・ハイヒールは3cmくらいまで! 
・寝床は、薄めのふとん2枚を重ねた程度の硬さが最適。うつ伏せ寝は厳禁 
・体重コントロール:肥満解消 

肩回し。腰痛の人は上半身も硬くなっていることが多いですね。

こつこつ続けましょう。

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老化による足腰の痛み

2022-06-25 | 老化・血流

年齢とともに筋骨が衰えると、足腰が弱って痛みが出ます。

その場合は、「腎虚」も補う(補腎)とよいでしょう。

腎虚は40歳前後から始まるのですが、足腰の弱りが顕著になるのは、60代くらいが多いです。

腎虚の症状の特徴は、足腰に力が入らない、足がふらつく、よろける、段差につまづく、動作がすっとできない、などです。

八味地黄丸を筆頭とする地黄丸類が補腎の一般的な処方ですが、

筋骨を強化するためには、亀板や鹿角など動物生薬が入ったものが頼りになります

適度な運動とともに、コツコツ続けて老化予防しましょう。

慢性腰痛などの養生は、体の前後左右の傾きを整えることです。

よい姿勢をいつも意識して過ごしましょう。

養生法は次回に。

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梅雨時の関節痛、腰痛などの痛み

2022-06-23 | 老化・血流

梅雨時にも痛みのご相談が増えます。

そもそも血虚で末端の血流不足気味だと、普段から筋肉などが栄養不足なので、「湿」がからむこの時期に痛みを発症しやすいようです。

「湿」が絡むのは、湿気の高い時だけでなく、飲み過ぎた時にも起こります。

関節が動かしづらいとか、重だるくむくんだりなどを伴います。

身体を冷やさないように気をつけます。

特に夜は冷たい飲食物の摂取を避け、温かいものを食べると痛みは緩和しやすくなります。

「散痛楽楽丸」は、よく痛みに用いる漢方薬ですが、この時期はヨクイニンなどを含む処方と組み合わせて水はけを促すとよいでしょう。痛みが強い場合は、活血剤と組み合わせてください。

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鼻の穴はなぜ二つ?鼻呼吸大切です

2022-06-18 | アレルギー・花粉症・鼻炎・咳

TVのクイズ番組で、なぜ鼻の穴が二つあるかという問いの答えに驚きました。

左右の穴が片側ずつ呼吸しているというのです。

検索してみたら、約3時間ごとに空気が多く通る穴が交代しているそうです(交代制鼻閉)。

自分の鼻の穴の前に指を置いて風の当たり具合を確かめてみたら、確かに一方が多くてもう一方が少ない。

そして3時間後ぐらいにまた確かめたら、左右が逆になっていました!

その理由は何か?

肺の負担を減らす:入り口が狭いと病原菌など異物の侵入を減らせ、空気を温めてから肺に送ることができます。また休んでいる鼻穴は乾いた粘膜のメンテナンスを行うそうです。

・匂いを敏感に感じる:左右の空気の流れる速度が違うことによって、匂いの成分の付着の仕方が変わるそうです。

2つの穴がある大切な理由はもっとありそうな気がしますが、それにしても鼻で呼吸するって大切です。

口呼吸では、浄化作用もないし、温める間もなく肺に入って、肺に負担がかかるし、匂いもよくわかりませんからね。

鼻の血行を改善して鼻の働きをよくするツボ

マスクをしていると呼吸がしづらいので口呼吸の癖がついてしまいがち。

マスクをしていてもしっかり口角を引き締めて、鼻呼吸を意識してください。

匂いは、最も脳に近いところで感知している。

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おもしろいイチョウの話

2022-06-14 | 植物&動物

イチョウ(公孫樹、銀杏、鴨脚樹)に青い実がついています。

先日読んだ牧野富太郎の伝記「ボタニカ」の中に、小石川植物園でのイチョウ研究の話が出ていたのを思い出しました。

4月に受粉(風媒花)して、雌株の花はこれを迎え入れて後、半年近く自分の中で育み、やっと9月ごろに精子が育って晴れて受精するのだそうです。そして10月ごろになると、私たちがギンナン(銀杏)拾いをするというわけ。

平瀬作五郎という研究者が、毎日毎日青い実を取っては、その切片を顕微鏡で見続けた結果この精子が発見されたそうです。

基礎研究の地道な努力には頭が下がります。

基礎研究あっての応用的発見があり経済につながるのでが、しかし基礎研究には企業がなかなか資金を投資しません。基礎研究の研究者たちを金銭的に手厚く保護しないと、いつか日本は足元をすくわれることになるのではないでしょうか。

イチョウの木の足元には、大量の若芽が伸びていました。ここでギンナンを拾う人があまりいないらしい(私は拾ったけど)

これから自然淘汰が始まるのでしょうね。

イチョウはイチョウ植物門、イチョウ網、イチョウ目、イチョウ科、イチョウ属の唯一の種。唯一無二の特殊な植物なのです。

秋の花だと思っていた萩がもう咲き始めていました。

 


気象病、循環器疾患の悪化に注意

2022-06-13 | 老化・血流

不順な天候が続く中、高血圧の患者さんに「体調はいかが?」とお尋ねしたら、「天気が悪いとなんとなくイライラして血圧が上がる」と言われました。

「気象病」といって、寒暖差が大きすぎると体調を崩しやすく、イライラして夫婦喧嘩や交通事故も増えるのだそうです。

実際、血栓、心筋梗塞、脳出血といった循環器疾患が悪化しやすく、また古傷が傷んだり、リウマチや神経痛、胆石や喘息も増えるそうです。

夏だから血管は開いて、循環器環境は良いのかと思ったら、そうではないのですね。

また、冷房を使うようになると、外と室内との温度差も体にとってストレスになります。

血流改善に心がけておくことです。

こまめに水分を摂り、よく動いてここちよく汗をかいて体内を巡らせましょう。

症状に応じて、漢方薬も利用すると体がすっきりします。

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暦は芒種初候「蟷螂生ず」。蟷螂の卵は生薬

2022-06-07 | 薬草・生薬

関東は梅雨入りしたらしいです。

暦は芒種(ぼうしゅ)

芒(のぎ)とは稲や麦の穂先の張りのような部分をいうそうで、芒種は田植えが盛んにおこなわれる時期ということですが、千葉のこの辺りは1か月前には田植えを終え日に日に緑を増しています。温かいのかな、千葉は。

芒種初候は、蟷螂が生まれるころ

害虫を食べてくれる虫のひとつ。農業には大切な虫なのでしょうね。

その卵は生薬で(桑螵蛸)、もれを防ぐ作用があります。

卵にはアミノ酸ヤミネラルが豊富で、栄養満点のいわゆる昆虫食で老化予防には最適です。