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漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

漢方家ファインエンドー薬局(千葉県)
http://kampo.no.coocan.jp/

風邪(ふうじゃ)は上から湿邪は下から:カゼの漢方薬

2024-11-19 | 
目まぐるしく天候が変る今年の冬。生暖かい雨天曇天が続いていましたが、冷たい空っ風も吹くようになりました。
カゼを引く人も多くなり、ご来局の方のご相談内容もこの頃日替わりです。
手持ちの漢方薬のあるご常連さんからは「今日はどれを使ったら、いい?」というご質問を受けます。

カゼを「風邪」と書きますが、中医学では「ふうじゃ」つまり外気の邪気を受けることを言います。

「風邪」は体の上半身から侵入するのですが、これに「湿」が絡むと胃腸や下半身に症状が現れます。

現れている症状がどんな邪気によるものかを、判断してください。

〇風寒邪(冷たい風にあたった)
・頂調顆粒(川キュウ茶調散):寒気、頭痛、鼻づまり
・葛根湯:寒気、頭痛、首筋の凝り
・小青竜湯:寒気、水っぱなやくしゃみ

〇風湿邪(湿気にさらされた、雨天曇天)
・勝湿顆粒(カッ香正気散 ):ムカムカ、モヤモヤ、軟便下痢、体が重だるい

これくらいは覚えておき、侵入した邪気を追い出すのです。
症状が出たら、すかさずその漢方薬を服用すると、あっという間に治ります。
症状もないのに「カゼ引きそうだから総合感冒薬を飲んでおく」なんてことは体に負担になるだけなのでやめてください。
何年振りかで見つけた美しいイシミカワ


散歩道で見つけた赤い実。名前不明、わかる方お教えください。
拡大してみました
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汗をかきやすくなったのはなぜ:衛気虚対策

2024-10-17 | 
「汗をかきやすくなった」というご相談が数件続きました。
この頃の不順な天候の影響もあるとすれば、気虚を考慮すべきでしょう。
汗をコントロールするのは皮膚の機能。これ中医学では「衛気(えき)」といい、その力が落ちているのを「衛気虚(えききょ)」といいます。


寝汗がひどいという60代の女性のこと
食欲もなくお粥をやっと食べるくらいだそうで、痩せて体力もなく、心配性で気持ちも弱っています。
寝汗、痩せている、というのは陰虚も考慮すべきで、衛気虚と気陰両虚を養う2種類の漢方薬を選択しました。

きちんと飲んでいただいて、徐々に食欲が増し顔色が良くなってて、その後約2か月、まったく寝汗をかくことがなくなりました。なにより初めの頃より、ぱっと見が、元気です。

漢方対策の特徴は、「汗を止める」ではなく、汗をコントロールする「体力を養う」こと、つまり体の弱いところを建て直すのです。
ですから飲んでパッと汗が引くわけではありません。もしもそんなことがあったらそれは異常な状況だというのはわかりますよね。

散歩道、ミゾソバがたくさん咲いていました。
別名ウシノヒタイ、葉っぱの形が牛の顔に似ている
アキノノゲシがずいぶん咲き進んでいました
ナルコユリの実がどっさり
その隣に茂っているのはホウチャクソウ
農道ではチャノキの花が咲き始めました

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