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漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

漢方家ファインエンドー薬局(千葉県)
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ラスト、コーション(映画)時代に翻弄された恋

2008-02-18 | 映画
こんなに濃厚な情交シーンがあると思わなかったデス
いやいや濃厚ってんじゃなくて、ものすごい緊張感なのです。
で、思わず息を止め、こぶしを握り締めて見てしまい、シーンが変わるとほっとしてやっと肩の荷を下したような状態に・・・
この映像はもはや、一つも二つも超えた域に達していると思われます。

1942年日本軍の占領下にある上海が舞台。日本側のスパイとして抗日中国人を検挙する仕事をしているイー(トニー)。これを暗殺しようと工作員となったワン(タン)は彼に近づきうまく彼の愛人となる。

彼に見初められるに至るまでのワンの表情がすごく巧み。それをじっくり見せるカメラワークもすごい。
少女のようだったり妖艶だったり、それこそ瞳の光り方がわずかに変わるというくらいの細かな演技。それで彼女全体の見え方が一瞬にして変わるのです。もう圧倒されます。

絶えず命の危険にさらされるイーは誰にも心を開こうとしなかったが、唯一ワンに心を許した、らしい・・・
そして彼女もすっかり彼にひかれてしまったかのように見えるが、しかしそれでも彼女は彼を早く殺したいと思っている、らしい・・・

いや~、もうこの辺が見ていても演技が素晴らしすぎてよくわからないのです。この混乱がまたたまらなくいいのです。

そして迎える指輪のシーン。
女として、こりゃもう完全にノックアウトですよね。
「逃げて・・・」 と、イーにささやく
その言葉は同時に自分と仲間の死を意味する。そう、これまで彼女が抱えていた重荷はこんなにも重いものだったのだ・・・

彼が死ぬか自分が死ぬか、二つにひとつしか道のない、絶対成就することはない恋愛。
まさに大人の愛情映画。すっかりしてやられて完敗って気分です。


★★★★★ ワン役のタン・ウェイに最優秀主演女優賞をあげたい! 当時の上海や香港の人や建物の映像もすごい!


監督アン・リー

原作アイリーン・チャン

出演
トニー・レオン
タン・ウェイ
ワン・リーホン
ジョアン・チェン
トゥオ・ツォンホァ