漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

漢方家ファインエンドー薬局(千葉県)
http://kampo.no.coocan.jp/

花見in千鳥ヶ淵(2009)

2009-03-30 | 植物&動物
開花宣言が発表されてから巷では、
「3月中に桜が終わるかも」といわれたにもかかわらず、
(なのであわてて花見計画を立てたのに・・・)
あれからずっと寒気が居座って、昨日の「千鳥が淵」は「まだまだ」。
去年の千鳥ヶ淵


(満開になると花で埋まって空は見えなくなる)

やっぱ桜は、激しく花吹雪舞う中、
その儚さを喉の奥でぐっとこらえながら見るのが
最も日本人の心に響くのかもしれません。(まるで演歌のステージ?)


(「あのボートのアベックだけ満喫してずるい」という声あり)

しかし、それとこれとは別で、つまり食事会。

恒例の、学生時代の仲間での食事兼ウサバラシ大会は、
寄る年波にめげることなく大盛り上がり。
ちなみにメンバーは、全員既婚(一応)、全員50代、全員薬剤師それぞれ勤務、全員口うるさい。

話の主な内容:(書いてみると本当に大したことを話してないのでやや落ち込んでますが)

まず、食事の注文で質問の嵐。
筆書きメニュー「へしこ」を「ヘレン」と読む。
「生ヘレン」「焼ヘレン」「ヘレン茶漬け」ってなに!
で、おかみ登場。
おかみ、さっぱりした人でテキパキ。
メンバー:「きっとあの人、理系ね」「男っぽいってこと?」
(そういう我らはもろ理系)

それぞれの出身地の食材、旅行に行った話題。

50代になってコレステロール値が高くなった話題。
控えた方がいい食材の話をしながら、それを食す。

和風フォンデューの味が物足りないと勝手にワインを投入
メンバー:「ずっとおいしくなったー」「後で店員さんに教えとこう」

男と女の思考回路のちがいの話題あれこれ:
メンバー:「相性のいい夫婦なんているの?」
「こんな夫婦がいた」
「それ、別に仲いいわけじゃなくて、きっと相手が聞き流してるだけじゃない」
「このメンバーの中で、相性がいい夫婦の話題は、無理ね」
「納得、納得」

仕事の話:真剣

ちなみに場所は、和RAKU
面白い場所にあり隠れ家的一軒家、機会があったら利用してみてください。

は~、今日はやや脱力感。
だけどパワーをもらった気がして、またがんばりま~す。


こちらは近所の早咲きの「大寒桜」(佐倉城址公園にて)

この頃イライラする・漢方薬対策(気のめぐり改善)

2009-03-28 | 気持ち・眠り
なんとなくイライラしがちなこの頃。

ここ数日、来局される方々の訴えにも、そんな話題が多くなった。

たとえば

・ふだんはもっと冷静に話をするのに、なぜかイラっときて、ひどい言葉をいってしまう。
・イライラして「片頭痛」が起きる。
・年度末で忙しく、もう「パニック」。夜も「寝た気がしない」。
・忙しいと、「頭の中がワーッと」なる。
・イライラすると、無性に「こってりしたものが食べたく」なる。
・やけに「ゲップ」とか「おなら」が出て、「腹が張って」くるしい。
・「のど」とか「胸のあたり」に何かが詰まってる感じがして、苦しい。
・胃痛や腹痛をおこす
・生理周期の「リズム」が狂っちゃった。

春「木の芽どき」はこのような症状があらわれやすいと言われています。
イライラは、精神症状だけにとどまらず、
胃腸の動きや、生理周期のリズムに影響を及ぼしがちです。

漢方対策としては、体の弱い部分を補うとともに、
「気の流れを整える対策」を行います。

加味逍遥散(肝鬱血虚) 開気丸(肝脾不和) 星火温胆湯(胆胃不和湿熱)
柴胡加竜骨牡蠣湯(肝鬱化火) 半夏厚朴湯(痰気鬱結)
竜胆瀉肝湯(肝胆実化湿熱) などなど

ちなみに今日は、「開気丸」の症状の人が多かったです。

そうそう、養生法としては、
まず戸外で気分転換、そして食べ物は香りのあるものを。
春が旬の食べ物にはちゃんと、ちょっと癖のある香りを持つ野菜が多くなります。
旬を食べれば、体はその季節にあった調子を取り戻すことができるのでしょうね。

漢方の空間ファインエンドー薬局
漢方の空間ファインエンドー薬局  気滞(気って何?)

サンシュユ(山茱萸)の花

2009-03-21 | 薬草・生薬
急に暖かくなって、多少の心配事があっても、とにかくうれしい気分
公園で黄色いサンシュユ(山茱萸)が日差しに輝いてました。

この枝の向こうの高いところにもたくさん花が付いています。
サンシュユの実も漢方薬に良く用いられる生薬です。

収渋薬といって酸味と渋味で引き締める働きのある生薬です。
性味:酸・渋・微温 
帰経:肝・腎
効能:補益肝腎 渋精縮尿 固経止血 斂汗固脱
肝腎を強化するので、老化予防、生理の不正出血、または体力が低下して汗をかきやすい状態に用いるとよいでしょう。
六味丸類(六味丸、八味丸、牛車補腎丸、杞菊地黄丸、八仙丸(麦味地黄丸)、瀉火補腎丸(知柏補腎丸))などに含まれ、肝腎を元気にしてくれます。


ペンペン草ものびのび


咲くぞー


ホトケノザ(仏の座)仏様が蓮華に立っているような姿


青さが目にしみるオオイヌフグリ
オオイヌフグリは大犬の○○って意味です。(言えないけど・・・)

WBCが行われているサンディエゴの空も青かったなあ。(テレビで見ただけだけど)
にっぽん、がんばれー

老人介護施設の選択(その2)

2009-03-19 | 介護
前回の続き(6年前になりますが、母の介護施設を探した時の話です)

片っ端から介護施設を申し込んで、後は運を天に任せるという気分でいたら、

数日して、心配してくれたある施設の介護士から電話をもらいました。
「○○のグループホームにまだ空きがあるらしいから行ってみれば」

そこの入所金は少々高かったのですが、自宅からは車で15分、静かな住宅街の中にあり、
入居者の皆さんはおだやかな雰囲気。
そして経営者はすぐそばに住んでいたので安心だと思いました。

これを逃したらほかはないかもしれない。
失敗だったらその時はその時だ。

 
ショートステイ先の母のもとへ(私が介護施設をあちこち見て回る間、預かってもらっていた)
「引っ越しするよ」と母に。
(母は若いころから何回も引っ越ししてきたので納得は早いはずだ)
「ふ~ん、いいよ」と母。
ショートステイでさんざん「もう帰る」を繰り返していたので、喜んでそのまますんなりホームへ。(だますようで、ごめん)

このあと母がホームに慣れるまで、
まるで聞き分けの悪い保育園児をあやすようで、
私もなんだか罪悪感にも駆られて、しょっちゅう様子を見に行きました。
いやいや、本当に大変だったのはホームの介護士の皆さんです
おかげで、今ではすっかりホームが「マイホーム」になっています。

  
この後にも、その時あちこち伺って相談した他の施設介護士から、様子伺いの電話をいただくことがありました。
本当にありがたいです。
たくさんの方々に相談に乗ってもらえて本当に良かったです。
やっぱり、当たってくだけろ、です。

そうそう、親戚たちにはこのあとすぐ片っ端から電話連絡しておきました。
先手必勝です。
というより外野はうるさくしないことです。(事件は現場で起きている!)
幸い皆、よく理解してくれています。

 
ところで、
現状では母の年金と貯金を少々崩しながら、なんとかやりくりできているのはありがたいことです。
私が介護年齢に達した時は、年金は全然足りないでしょうね~

最近、弟に母の介護金額のことを聞かれたので、話したら、
「ええっ!そんなにかかるの!」
「・・・オレの時はどうなるの」
(彼はまだ子育てと家のローンに追われている)

「さあ~、ね~」・・・それこそ運を天に任せるって感じ。

老人介護施設の選択(その1)

2009-03-16 | 介護
老人介護施設をどのような視点で選ぶかもなかなか迷うところですね。
我が家の母の場合は精神科を受診し認知症という診断を受け、
ほかに体力的に不自由はなかったのでグループホームを選択したわけですが、
このとき(6年前)はじっくり検討して、というよりも、
その時巡り合ったのがこのホームだったという方が正しいでしょう。
このことはとても運がいいことです。
つまり、切羽詰まったとき、そうそう選択肢はないというのが現状です

おまけにグループホームでは今「越境」が認められず住所のある市町村内で探さなければならないようです。
(特養などその他の施設はどうなのでしょうか)
その地区の施設に空きがなければ、ずっと待っていなければならなくなります。

    

自分で看たいという気持ちはあっても私はその時すでに精神的に参っていました。
この程度しか自分はできないのかという落ち込みはあるもののどうにもなりません。

とにかく母がひとりでいる時間をなくしたい
母娘1対1では、お互いにわがままが先行して険悪になってしまう
母の病状が進み過ぎないうちに、母が納得して入所するほうが母にとっては幸せなのではないか
もしも今後、暴力行為をするような人格変化が起こったら受け入れてくれるところはないかもしれない

介護認定を受けたとき、相談する介護士がひとり付いてくれるのですが、
正直、その方からは広く情報を得ることができませんでした。

はじめて近所の特養に話を伺いに行ってみました。
「ちなみに今申し込んだら、いつ頃入所できるんでしょうか」
「何十人もお待ちです。いつになるかわかりません」
そこでいただいたアドバイス
「のんびりしていないで片っ端から施設に電話して申込書を取り寄せ、申し込みしておいたほうがいいですよ」
多くの人がそうされているので必ずしも何十人も先ではない場合もあるそうです。
(最近では、特養は介護を必要としている度合が高い人を優先するらしいです)

そこで腹をくくって、介護保険をフルに活用し母をショートステイに預けられるだけ預け、自宅から私が通えそうな施設をしらみつぶしに回りました。
特養、ケアハウス、グループホームなどなど
実際に見て、母に適したスタイルを検討しましたが、
でも、ちょっと気に入らないところでも次々と申込しておきました。

もう後は、運を天に任せる気分でした。

つづく

ジェネラル・ルージュの凱旋(映画)深刻な医療経済

2009-03-14 | 映画
まったく阿部寛は変わったキャラクターです。
この相手が堺雅人とくれば、まあ面白くないはずがないよね。
竹内結子、野際陽子のとぼけた感じは、安心感があるし・・・

    

全員を救いたい! 救急患者を全員、納得がいくまで処置したい!

できるものなら是非やってほしいと思う。
それをこの映画は、やってしまった。
もうやけっぱちだー、って勢いで。

だけどなかなか現実はそうはいかないなあ。
先日のテレビ特集番組でも見たけど、今や相当病院経営は難しいらしい。
だからと言って、儲からない部分をバッサリ切り捨てて、
金に目がない連中に医療を利用されるのは絶対にあってはならない。

千葉県のドクターヘリは幸い、比較的近くに一か所あり、
(テレビドラマ「コードブルー」の舞台にもなりました)
近所の小学校の校庭とか公園にしばしば降りるのを見るけど、
確かにお金はかかりそう。でも心強いです。

救急医療については、福祉として国が面倒をみるべきなのかも。
地方格差があってもならないしね。
だけど日本自体がどうやらそうとう財政難だし・・・

むむむ・・・現状ではどうにも解決策が見つからない。

      

ところで、「ジェネラル」は、「一般的」って意味だと思ったので、
この題名の意味がピンとこなかったのですが、
軍隊の「大将」という意味もあるそう。
なのでジェネラル・ルージュは「口紅大将」
というより、堺雅人の場合は「口紅王子」って感じ

じゃ、ジェネラル・タイヤは「タイヤ王子」?
そりゃ、まるでミシュランタイヤのマスコット
っていうか、ジェネラルでタイヤを思いつく私はかなり古い?

★★★☆楽しいことは楽しい。
大きなスクリーンじゃなくてもDVDでも十分楽しめそう、ということでマイナス☆

監督 : 中村義洋
原作 : 海堂尊
出演 : 竹内結子 阿部寛 堺雅人 羽田美智子 山本太郎 高嶋政伸 貫地谷しほり 尾美としのり 中林大樹 林泰文 佐野史郎 玉山鉄二 野際陽子 平泉成 國村隼

保湿剤の塗り方:皮脂欠乏症(乾皮症)

2009-03-12 | 肌トラブル・アトピー・美容
ところで、皮膚の乾燥に対して病院でも良く処方される保湿目的のクリーム。
(水分保持作用:尿素、ヘパリン類似物質、ヒアルロン酸、セラミドなど)

どれくらいつけるのが正しいかご存知でしょうか?

塗る回数:少なくとも1日2回(特に入浴後10分以内は効果的)
塗る量:皮膚が光る程度、ティッシュペーパーがくっつく程度
塗り方:指先ではなく手のひらにたっぷりとり、すりこまず皮膚になじませるようにやさしく塗る

もしも、ちょっぴりしかつけずにゴシゴシすりこんでいるとしたら、
かえって肌を傷めてしまうので、すぐに改善しましょう。

ちなみに、病院治療での治療方法は
①皮膚の乾燥に対して「保湿剤」
②湿疹化病変に対して「ステロイド外用剤」
③痒みに対して   「抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬の内服」

肌をいたわり元気にする対策は病院治療にはないので
日常の生活を改善して肌代謝を正常化することが必要でしょう。

日常生活での注意点(大切)
洗体:良く泡立てて、その泡で優しく洗い、こすり過ぎないこと
   肌トラブルは洗浄から 
   お湯の温度はぬるめ(38~40度)
   あまり長時間、頻回の入浴は避ける
衣類:下着は綿など肌なじみのいいもの
   静電気を起こしやすいものを避ける
その他:部屋の保湿、爪を切り、掻かないこと
    電気毛布やこたつを控え目に
    辛すぎるもの、アルコールを避ける

漢方の空間ファインエンドー薬局HP
女性のための漢方対策
肌トラブルの漢方対策

漢方家ファインエンドー薬局フェイスブック いいね!クリックどうぞよろしく

中高年の乾燥肌のかゆみと漢方対策

2009-03-11 | 肌トラブル・アトピー・美容
だいぶ春めいてきましたが、こじらすと春になってもなかなか症状が治まらないのが「乾燥肌のしつこいかゆみ」です。

中高年の女性に多いようです。
足とか腰とか背中とか、皮膚が無性にかゆくなります。
掻き壊して血がにじんでもかき続けてしまうくらい・・・。

掻いてるうちにだんだん皮膚面が荒れて乾燥しやすくなり、
角質層が肥厚してごわごわしてきます。
硬くなるとくすむので、あちこちシミやあざのように見えてきます。
この状態では「尿素」で少々保湿してもなかなか追いつかないようです。

50代後半女性
突然、あちこちかゆくてたまらなくなり、相談に見えました。
なにをつけてもかゆいそうです。
ふだんは穏やかな人なのに、気持ちまで痒そうでイライラしていました。

体質をチェックすると「血虚」症状があり、
皮膚面はまったく赤くなかったのでので「婦宝当帰膠」の服用を開始。
炎症が見えれば「五涼華」というハーブも一緒に使うといいのですが、
まず婦宝当帰膠から始めてみることに。
2,3週間後、やっぱりかゆみは治まらないので「五涼華」を一緒に飲んでいただくことにしました。

数日後、
「あれ(五涼華)よく効いたの~、痒みが落ち着いたら肌がずいぶん元に戻って」
「婦宝当帰膠を飲んでいるほうが皮膚がカサつかないみたいなのでこれは続けるわ」
五行草エキス配合のスキンケア(爽肌精)のサンプルをまた差し上げると
「あ、そうそう、これつけるといいわよね」

この女性の場合は、対策が早かったのでとてもスムーズに回復しました。
それに彼女は「飲む」派、かな。ふだんお化粧はほとんどしないようだし。

長年、掻き続けているという人も結構います。
皮膚は引っ掻き傷だらけですっかりゾウの皮膚のようにごわごわになっています。

だけど痒み対策は、肌につけるものを探しはしても、なかなか飲んで治そうという発想には行き着かないようで、漢方をご紹介しても二の足を踏まれることもしばしば。
つまり「つける」派が大多数。

80代の女性もそのひとり。
「あちこちの皮膚科にいったんだけどねえ・・・」という方ですが、
「飲むのはちょっとね」
五行草(ごぎょうそう)エキス配合のクリーム(爽肌精リフレッシュ(R)クリーム)は、つけると痒みが治まるというのでコツコツつづけていただいています。

「とにかく掻かないことよね。掻かなければ肌は回復するのよね」
と来局するたびに、最初にお願いしたことをしっかり復唱してくださるのですが、
そういいながら、つい手がかゆい所に伸びているのがちょっと気にかかる・・・
患部を見せていただくと以前よりはしっとりしてきているので、
ま、コツコツ参りましょう。

漢方の空間ファインエンドー薬局   爽肌精スキンケア

老人施設の区別がわからない(その2)の続き

2009-03-07 | 介護
前回に続いて。

老人介護施設が「生活の場」としてあることの問題。

実際に利用してみなければ、各施設の詳しい事情はわかりませんが、
入所できればそれで何があっても将来は安心というわけではないのです。

生活するための最低限の面倒はみてくれても、医療については完全ではありません。
施設内に、医師、看護師、医療設備が整っていませんから。
つまり医療的処置が必要になったら、住みなれたその場所ではなく病院に入らなければならないのです。
病院に入ってしまうと、いつもの行き届いた介護サービスを受けることができません。

   

 グループホームに入所している私の母が入院することになったときのこと。
病院から誓約書にいくつかサインさせられました。
たとえば認知症であればベッドに縛る必要性も発生するのでこれを容認することとか。
母の現実を知っている私にとってみればそれも仕方がないことだと思いました。

というより、
認知症患者がこの知らない場所で
無事に入院なんてことを
成し遂げることができるんだろうか???

 まずいつものホームから連絡が入り、私が病院につくまでホームの介護員が付き添ってくれました。
入院に必要なものは母の持ち物の中からすべて用意してくれていました。
本当に頼りになります

その後は私が付き添い・・・。
つまりここからはホームのテリトリーではなく、病院に任せることになります。

見慣れぬ場所で母は入院という事実を理解するはずもなく、スキあらば点滴を引き抜こうとし、ベッドを出ようとします。
「もう帰ろう」といいます。
一瞬たりとも目が離せません。
私が着替えのために1時間ほど席を外したら、看護師にお願いしたにもかかわらず、点滴をひきはがしベッドを抜け出したため、車いすに「確保」されていました

 病室は5人で皆高齢者、ナースステーションのすぐ隣。
だけど、ちょっとみている間にも、看護師を呼びたそうにしている人、点滴を引き抜いて腕から出血している人、トイレに行きたがってる人・・・
とても一定時間の見回り看護では追いつきそうもありません。

しかし病院はホームと違って入院患者全員が具合が悪いわけで、看護師や医師は大忙し。
とてもひとりの認知症患者の機嫌を取ってる暇などありません。

 このときは幸い一晩のお泊りで住み慣れたホームに戻り、母もほっとした様子でしたが、
何日も続いたらとても付添の体力は持つはずがない。
入院中の不慮の事故などで最期を迎えたりすることも多くなるんじゃないだろうか。

あくまでもこれは母の入院時に思ったことですが。

今後どんどん高齢者は増えていく。
体や精神の病気に困る人がどんどん増える。
その中に私もいる。あなたもいるかも。
いったいどうしたら老後を安心して過ごせるのだろう・・・


介護施設を探すときも大変でしたが・・・次回はこの話題を

老人施設の区別がわからない(その2)

2009-03-06 | 介護
今年初めにそのままになっていた老人施設の区別がわからないを調べておかなければ・・・

と単語を入力したら、「特養と老健の違いってわかる?」という、まるで友人との話を聞かれていたかのようなAllaboutの記事があった。

それをコピーしておきます。
「老健」介護老人保健施設
マヒやけがの症状が安定した高齢者を、原則として3ヶ月を限度に受け入れ、自宅での生活を可能にするためにリハビリテーションを行う施設。家に帰すことを目的にしているところが、特養との大きな違い。
しかし実際には、特養の空きが出るまで、特養代わりに使われているケースも。

「特養」特別養護老人ホーム
身体や精神に障害などがあって、家庭での介護が難しい、65歳以上の高齢者が入所する施設。入所者にとっては「生活の場」であり、終の棲家となる。

「認知症高齢者グループホーム」
認知症患者が対象となる9人一単位規模の施設。「生活の場」であり終の棲家でもある。

        

実際に利用してみなければ、詳しい事情はわかりませんが、
問題は「生活の場」という言葉。
入所できればそれで何があっても将来は安心というわけではないのです。

続きはまた明日

西加奈子「さくら」 覚書・家族がいとおしい

2009-03-04 | 
比喩表現がすっとんでいるのですが、不思議と違和感なく
ストンと心の中にそのイメージが入ってきます。
あれだけ独特な表現がこれでもかというくらい並んでいるのに、
すらすらと読み進んでしまいます。
不思議な新しい感覚の作家です。

主人公「薫(カオル)」からみた兄「一(ハジメ)」、妹「美貴(ミキ)」、そして両親を描いた物語。
お兄ちゃんにあこがれいつも一緒に遊んだ幼いころから、
大人になりその家を出るまで、いろんな事件がこの家族におこる。

そんな中でボールが大好きな犬のサクラはいつも尻尾を振ってにこにこしているようだ。

兄は
「神様は僕が打ち返せない変化球を投げた、もう打ち返せない」といい、
薫は
「ボールを投げてたのはいつもぼくらで、神様はすべてキャッチしてくれた」と考える。

兄の自殺後、はげしく崩壊してしまった家族だったが、
物語の後半、急に動かなくなった犬のサクラを小さな車にのせ
家族全員で大晦日の深夜に動物病院を探して走り回るシーンは圧巻。
小さな車の中で、ひとりひとりのこれまでの思いがすごい形で吐き出される。

家族のひとりひとりが愛おしくて心から大事にしたくなる物語。


西 加奈子 1977年5月、イラン・テヘラン市生まれの大阪育ち。
      関西大学法学部卒業。04年『あおい』でデビュー。

コルテオ(シルクドゥソレイユ):昔懐かしい感じ

2009-03-02 | その他
原宿にてダイハツ「コルテオ」観てきました。

千葉舞浜の「ZED」劇場完成でとうとう
シルドゥソレイユの演技が常時観られるようになり、続いて「コルテオ」の日本上陸。
シルクファンにとっては、こんなに恵まれた年はめったにない

で、率直な感想を言えば、
(観ていてたえず「ZED」と比較してしまうのだけど・・・)
「ZED」のほうがステージを飛び出すほどの演技で迫力はすごい。
(ま、天井の高さもずっと高いし)
そして終わった感動も大きかったと思う。
(思わず椅子を立って手を振っちゃったもの

一方のコルテオは、それに比べるとややこじんまりした感じで、
上演時間はZEDと同じなのに最後は「え、これで終わり?」とやや拍子抜けして一瞬拍手が遅れてしまった。

もちろんひとつひとつの演技はさすが。
(なんて言うのもおこがましいくらい素晴らしい)。
お気に入りは、綱渡りと人間空中ブランコ。
(すごすぎます

全体的にファンタジーな雰囲気。
夢の中にいるような演出で、うっとりしみじみする感じ。

それにしても、映画「おくりびと」大ブームのなか、「コルテオ」は「葬列」という意味だそうです。
「自分は死んでいるのだろうか・・・」
とベッドの上で思うことから始まって、
そして人生のさまざまな思い出が走馬灯のように
夢の中に登場するといったストーリーのようです。

二人で行ったのですがチケットをとるのが遅すぎて、座席はバラバラ。
偶然私のお隣もひとり観の女性。
はじめのうちは、一人で声を上げるのが恥ずかしかったけど、
お隣とちょっと言葉を交わしてからは、なんだか一緒に来たみたいな雰囲気に
後半からは、「すご~い」とか「えーっ」とか「きゃ~」とか
一緒になって叫んでおりました。

は~、思い出すとやっぱりよかったなあ。