雨の潤いを享受してか、コブシの花が次々と咲き始めました。
民家のモクレンも開花が始まったようです。

春の訪れを告げる花ですが、コブシ、モクレンなどの蕾は生薬の辛夷(しんい)でもあります。
呼び名も、辛夷花、木筆花、春花などの呼び名があるそうです。
ハクモクレン、シモクレン、コブシ、タムシバなどの相称ですが、
現在、生薬としては主にモクレンが用いられているようです。

「葛根湯加川キュウ辛夷」や「辛夷清肺湯」など、花粉症の鼻づまりにも用いられることがあるので聞いたことがある人もいるかもしれませんが、辛温で宣肺通鼻作用があり、鼻閉や鼻汁などに用いられます。
他にも花の生薬はいくつかあり、概ね「寒」つまり冷やす働きを持っているものが多く、例えば金銀花(スイカズラ)、連翹、野菊花、紫花地丁(ノジスミレ)、全草を用いるものとしては蒲公英(タンポポ)、魚腥草(ドクダミ)など。
辛夷はめずらしく温める作用を持っています。
寒い時期に咲くからでしょうか。

コブシは小さな葉がついていてモクレンとの違いの一つ。
