漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

漢方家ファインエンドー薬局(千葉県)
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夏は瓜

2021-06-30 | 薬膳・食育

西瓜(スイカ)、香瓜(メロン)、黄瓜(キュウリ)、苦瓜、南瓜(カボチャ)、冬瓜(トウガン)

これらは夏が旬。瓜類は渇きを潤しほてりを冷ます働きがあります。

ただし冷え性の人は食べ過ぎないようにします。

今月の「チャイナビュー」に掲載されていたキュウリを使った薬膳料理。

火を通して食べるところが体を冷やしすぎないコツでしょうね。

キュウリの酢漬けは作っておくと便利。

キュウリの酢漬けレシピ
・へたを取り縦に4つ切りにして種の部分を削いで塩を振ってしばらく置く
・甘酢(酢2:砂糖1)に細切りショウガ、種を取り除いた赤唐辛子を加えたつけ汁にキュウリを浸す
・熱く熱したサラダ油またはごま油(甘酢50㏄に対して大匙1杯くらい)を加える
・瓶に入れ蓋を占めて保存 1時間くらいから食べられる

これで細切り豚肉の炒め物を作ってみようと思ったのに、酢漬けがおいしくてご飯と一緒に食べてしまった。

また作らなければ(笑)

 


頭痛の位置

2021-06-26 | 頭痛、めまい、目

頭痛の漢方薬といえば、川芎茶調散(せんきゅうちゃちょうさん)や清上蠲痛湯(せいじょうけんつうとう)をとりあえずといったところですが、梅雨時になると、頭の前のほうがどんより重痛いという人が増えます。

前述の漢方薬で回復すればよいのですが、今一つというときは、胃腸の漢方薬を合わせてみてください。

たとえば勝湿顆粒とか五苓散など。

そしてこめかみあたりの痛みは、胆経なので逍遥散を一緒に飲むと気持ちまですっきりするかも。

経絡って不思議ですね。

何千年もの治療経験を積み重ねて、このようなラインが見いだされました。

それは、西洋医学的にも何かがこうしてつながっているはずだと思うのですが、いまだにはっきりしたことはわかりません。

しかし経絡に沿った対策をすると確かに回復するから不思議です。

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この頃増えたご相談・気持ちの落ち込みやイライラ

2021-06-24 | 気持ち・眠り

まだ世界の新型コロナ問題は収束しそうにない。体も心も蓄積疲労が溜まっている感じです。

例年だとこの時期は、蒸し暑いねーとか、おなか壊したとか、運動するんで熱中症をどう予防しようとか、旅行に行くのにどの漢方薬もっていく?とか、日焼けしてひりひりするとか、わりに明るい悩みで、お互いに笑いながら漢方紹介してるのだけど。

このごろは、そんな外向きの話題はなく雰囲気が暗い。
気持ちが落ち込む、イライラする、体がこわばる、のどが苦しい、おなかが張る、生理前の不快症状(PMS)、学校行きたくないって子供が・・・などなど
これらは我慢していると、体のあちこちが凝り固まって次々と様々な症状が出る恐れがあります。

概ね中医学でいうところの「気滞」症状ではあるので(⇒気滞とは)
疏肝利気の漢方薬をもっているならすぐ飲んでおこう。それらの漢方薬は香り、酸味、苦みの生薬が配合されています。なので食事もそんな味のものを取り入れてみてください。

気分転換
場所を変えることですね。戸外の散歩なんか手軽です。朝でも夕方でも。時間が異なると気分も違います。本を読むのもいい。とにかく情報機器から離れましょう。

深呼吸
「深呼吸してみて」というとこのタイプの人は、間違いなくため息みたいな呼吸をする。
まず「あー」と声を出す。何十秒出し続けられるか挑戦してみる。
気滞状態だと胸脇部がこわばっているので、呼吸が浅く息が続かない。だけど何回かやってるうちに体がほぐれて気持ちも和らぎます。

もちろん「気滞」だけの問題ではないことも多いので、漢方対策についてはよくご相談ください。


夏の養生法

2021-06-21 | 夏の養生法

今日は夏至。以後は昼が短くなるのかと思うと寂しい気がしますが、暑さはこれからが本番です。

そこで夏の養生法の復習。

朝は思いっきり早起きして元気に明るく暮らし、夜は少し夜更かししてもよい。」

朝は戸外で日光に当たり気を高めます。そして昔は日が暮れたら寝ていたのだから、日暮れ以降に起きているのはすでに夜更かし。なので夜更かししすぎないことです。

夜食は厳禁。消化にエネルギーをとられると体内の老廃物掃除ができなくなり、朝に疲労が残ります。
夕食とは夕方に食することをいい夜食ではない。この頃「夜ごはん」という言い方をする人が多くなったのが気になります。

よく動いてよく汗をかくようにしますが、発散するばかりでなく、良質の睡眠とバランスの良い食事で「陰」の消耗を防いでおきましょう。

体のほてり対策は補陰と瀉火です。潤いを補う果物や野菜を食べ、苦みのある食材で体を冷まします。
冷たいものは代謝を低下させてしまうのでごく少量にします。

現代は冷房被害が深刻ですね。その場合はやはり「補気」が必要でしょう。

 


入梅、栗花落(ついり)梅雨時の養生法

2021-06-18 | 夏の養生法

梅の実が熟して季節は梅雨へ。梅雨入りを栗花落(ついり)ともいうそう。

その通りに栗の木の雄花がしだれて茶色く枯れつつあり、

それに隠れるようにあった緑色のいがを持った小さな雌花が見えています。

これが少しずつ大きくなり秋にはがっしり固い実をつけ、私たちの秋冬の栄養となってくれるのですから自然はありがたいものです。

 

で、梅雨になるとやっぱり体がだるいですね。

なんとなムカムカとか胸苦しいとか腹がはる、のも湿気の影響が大きかったりします。

慢性の皮膚炎もじゅくじゅくしがちです。

そこで養生法。

夏野菜は、ちゃんと水はけを促す働きがあるのですね。旬の食材を美味しく調理していただきましょう。

漢方薬は勝湿顆粒、温胆湯、補気建中湯などなど。

体質に合ったものを用意して早めに対応し、体内に居座ってしまわないようにしてください。

 

 

 


ワクチン接種1回目・ナツツバキ

2021-06-12 | 植物&動物

これまでインフルエンザワクチンを一度も受けたことがない。

自分の薬局でもう30年を超え、風邪やインフルエンザの患者にしょっちゅう会いながらも、唯一3年前、所用で正月に東京へ出かけたときにインフルエンザを貰っただけで、その前もその後も罹ったことがない。

薬局の人がなぜ打たないの?と言われるが、従業員にしても初年度は風邪やインフルを貰うことがあるが、なぜかその後は罹らなくなる。

漢方やってると養生知識でなんとかなるし、罹るんじゃないかという弱気を起こさなければ、おおむね大丈夫だと思っている
(※あくまでも個人的な感想です)

で、このたびはどうするか。

この未知のウイルスの騒動はもううんざりで、7割の人がワクチン接種を行えば、集団免疫が獲得できるというし、高齢者になるともうそんなに抗体が激しくできなさそうで、副反応も少ないだろうし、ここは高齢者が率先してワクチンを打ち集団免疫獲得に協力するのがいいかなあ、と考えた次第。
(※個人的な考え方で他人に強要するものではありません)

ワクチン接種後、その指定病院は知らない場所だったので、散歩しながら帰った。

ナツツバキが咲いていた。沙羅とか沙羅双樹ともいう。

麻賀多神社もあった。このあたりには十八か所あるそうだ。

自然の力は頼もしいなあ。

腕の筋肉痛が翌日少々でたが、それも漢方の水分補給ですぐ和らいだ。

2回目も平常心と前向きな気持ちでトライしよう。

 


クララ(苦参)清熱燥湿・殺虫止痒、皮膚トラブルに役立つ生薬

2021-06-09 | 薬草・生薬

今年も小学校の土手にクララが咲きました。

これが生薬だと小学校は認識しているのかいないのか、草刈りのシーズンになるとザックリ切られてしまいますが、めげずに毎年生えてきます。根こそぎ抜かれないから、ま、いいか。

この根が、生薬「苦参(くじん)」とても苦い生薬。

「清熱燥湿・殺虫止痒」

つまりジュクジュクした湿疹やかゆい症状などを回復させるのに役立ち、漢方薬では三物黄ゴン湯などに配合されている。

外用にも使えて、おなじみ「爽肌精」や「瑞花露」と、スキンケアには欠かせない生薬です。

漢方処方として作られた爽肌精や瑞花露はリピーターが多い。

いずれも3千円台だが中身を知ると、本当に充実していて、手前味噌だが使う価値が高いと思う。

容器があまりおしゃれじゃないけどね。

瑞花露

爽肌精

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キカラスウリ(栝楼、根は天花粉)、あせもを知らない人が増えたこの頃

2021-06-05 | 薬草・生薬

キカラスウリの花。毎日通る道なのに、はたと気が付いたらたくさん咲いていました。

キカラスウリやトウカラスウリ、オオカラスウリなどの果実全体、果皮、種子は漢方生薬として用いられ清熱化痰作用があり、肺熱の咳や胸のつまり、とれにくい痰などに用いる、便秘にもよい

(生薬名は、栝楼、栝楼仁、栝楼皮など)

雌雄異株。これはどうやら雄花。

そして、

この太い根の外皮を除いたものが生薬「天花粉、栝楼根(かろこん)」

そう、あせもの時に使う天花粉。(内服にも用いる)

今どきは、あせもを知らない世代も増え、たまにできると、あせもとわからずに皮膚科を受診してステロイドを塗ったりする。

冷房生活がふつうになったせいでしょう。

天花粉もシッカロールもベビーパウダーも死語になりつつある。

 


梅雨時におすすめ痰湿のツボ

2021-06-04 | 漢方的話題

湿度が高くなると体が重だるくなる人は、ふだんから水分代謝がよくない傾向にあります。

手足が重くなるのですが、そんな時なんとなく指で押したくなる場所に、ツボがあります。

「豊隆」

ポイントが少々わかりにくいですが、そのあたりをいろいろ押してみて、痛気持ちいいところで大丈夫。

もちろん、食べ物は冷たいものを控え、ウォーキングなどで筋肉を使うようにしましょう。

むくみがひどくなる夕方の運動がおすすめです。

先日の夕方散歩で、ちょっと日が陰ってピンボケですがオオヨシキリです。ほかにホトトギス、セッカなどが良く鳴いていました。

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当薬局は「漢方体験.com」に紹介されています)


ツバメの巣立ち雛とアブラギリ(油桐)

2021-06-01 | 植物&動物

巣立ちしたツバメの雛たち。

風にあおられながら飛びなんとか電線にしがみつきました。

まだ翼も尾も短い

ほかのツバメが近くを飛ぶと、反射的に黄色い嘴を開きます。

餌くれー!しばらくは親からもらうのでしょうね。

散歩していたらアブラギリを見つけました

2,3年前に実がついているところを見つけ、花が咲いているころにまた確認しようと思ったのに、

それがどこだったか、ほかの樹木に紛れて場所が分からなくなり、忘れかけていたところでした。

1本道の散歩道なのに。

枝は華奢な木です。

調べてみると、南の方に多い木らしく、実から油がとれるのだそうです