漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

漢方家ファインエンドー薬局(千葉県)
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googleの写真機能を使ってみた:シラヤマギク、サルトリイバラ

2023-10-30 | 植物&動物
先日知人に「スマホのgoogle使えば名前がすぐわかるよ」と教わって、散歩中に使ってみた。
白雪じゃなくて白なんとかだったと思うけど・・・とgoogleの検索空欄の右端の写真マークをタップして写真をとれば、シラヤマギクと出た。そうそう、そうだった。これは便利。

すでに撮った写真を検索することもできる。
これはサルトリイバラとちゃんと出た。
クサギの実も大正解。
気になった小さな真っ白なクモは、残念ながら小さすぎて検索できなかったみたい。
だんだん図鑑を開かなくなるなあ。
朝の散歩道は今日もいい天気。

暖かすぎるのか、先日は、アオジが枝のてっぺんにでてきていた。
アオジ

シメもやってきた

田んぼにはタヒバリも。
小さな冬鳥たち。北の国からけなげに飛んできてくれるのは、愛おしい。
印旛沼には、カモたちもそろいつつある。

牛車腎気丸ってどんな体質に使う?

2023-10-25 | むくみ
なぜか「牛車腎気丸ください」と言われる事がしばしばありました。
ネットで検索するとこれがいいと書いてあったそうな。
そこで、牛車腎気丸はどんな体質に使うのか、書いてみます。

処方のつくりは「八味地黄丸」に牛膝(ごしつ)と車前子(しゃぜんし)を加えたもの。
八味地黄丸は腎陽虚。牛膝は活血化瘀、補肝腎、利水通淋作用を持ち下行の引経薬でもある。車前子は清熱利水作用があるので、つまりは、下半身が冷えるタイプのむくみや小便がスッキリ出ないという症状のある人に用いると有効。

腎陽虚は、
下半身が冷える、足腰の力が弱い、下腹部のひきつり、腰痛などの症状があり、むくみや尿量減少または多尿、夜間尿、失禁、スッキリ排尿できないなどの症状が現れやすい体質。

ということで、お客様の体質を伺ってのち「牛車腎気丸でないほうがいいのでは?」というと、「でもここに書いてある!」とスマホを見せつけられるのには困ったものです。その記事は私が書いたものでもないのに、なぜ詳細に説明しなおさなければならないのでしょうか。
ネット記事を読むときは、前後も十分読み込んで、そのニュアンスをしっかり理解してください。

あ、これもネット記事か。

今朝の通勤道に咲いていたヤクシソウ(薬師草)。名前のわりに効能はないとか。
ちなみに、牛膝はイノコヅチの根で、車前子はオオバコの種子。案外身近な植物です。
 
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漢方飲んで悪夢が消えた

2023-10-18 | 気持ち・眠り
体の重だるさなど体調不良と不安感が強く、電車に乗ったりするとパニック症状を起こすという女性のこと。

漢方薬の服用を始めたら、元気になったし緊張することがずいぶん減ったという。そして「あれだけ毎日見ていた悪夢が、ぱったりなくなった」とおっしゃる。

当初の問診で睡眠問題の訴えはあまりなかったのですが、体質を判定して痰熱を除去する必要を感じ、その漢方対策をおすすめしていました。
偶然というか、彼女が服用されている漢方薬は、悪夢を食べてくれる獏が図柄になっているほどこの体質の特徴的な症状なのでした。

今朝のウォーキング道で。チャノキの花が咲き始め。

いまさらながら、漢方ってすごいなあと思ったし、問診によって患者の体質を見極めることの大切さも実感しました。

くれぐれも、友達がこれ飲んでよかったからとか、ネットで検索してこの漢方が効くらしいという判断はしないでくださいね。

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美味しく感じる漢方がその季節の養生になる・重陽の節句

2023-10-11 | 漢方的話題
漢方のおなじみさんに「このごろ杞菊地黄丸を美味しく感じるようになって
毎日のんでいる」と言われました。

漢方の味に慣れた人になると、このような感想を言われることがあります。
季節に応じて服用したくなる漢方が変わるのです。旬のものを美味しいと感じるのと似ていると思います。そして不思議とその漢方薬が今の季節や体調にぴったりの養生になっているのです。

補腎剤のベース処方は六味丸。その1成分である山茱萸は、重陽の節句(9月9日新暦なら10月中旬)でも使われるもので、この小枝を髪に刺してお弁当を持って山を散策したのだそう。
そして菊をつけた酒を飲んで、無病息災や不老長寿を祝ったのだそうです。
(※残念ながら日本では9という数字を嫌うので、この節句だけは受け入れられてないのですが)

(趣味の園芸より)
杞菊地黄丸は、六味丸に秋が旬の枸杞の実と菊の花を加えたもの。
というわけで、まさに旬の食材がいくつも配合され、肝腎を養う今の季節にぴったりの補腎剤ですね。
漢方のおなじみさんは、体が何かを感じて杞菊地黄丸を選んでいたのでしょう。
すばらしいことです。

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タコノアシなど・散歩道にて

2023-10-04 | 植物&動物
田んぼ散歩の続きです。
「おまん、誰じゃ?」の筆頭だったのが、これ。タコノアシ
実が赤く色づいているのですが、その形がまさにタコの足。
調べてみると絶滅危惧種だそうな。身近なところで会えるとはうれしいものです。

これも面白い形。エノキグサ。
苞の中に実らしきものがあるのに、そのわきから花穂が伸びています。
小さすぎてもう見えません。かのトウダイグサ科でした。

ヒロハスズメノトウガラシ
イボクサと手前はヒレタゴボウ
これも小さい花。チョウジグサかな?
ヒメミソハギの類
これはハッカだと思うのですが、葉がやけに細い。
どれも、お馴染みの草花ですが、じっくり見ると面白くてたまりませんね。
サクラタデの群生
シロバナサクラタデ
アキノノゲシは私の好きな花。

脳の回線がつながった散歩道

2023-10-02 | 植物&動物
三歩、歩けば用事を忘れる、回線のつながりが悪いこの頃。
昨日は、久しぶりにのんびり近所の田んぼ道を散策。
そして、ふだんなら通り過ぎるようなこの草だが、
脳の片隅がピカッと光った。
「おまんどこぞで会うたかの?」

よく見ると茎を巻く葉が、小魚のように愛らしい。
と、記憶がよみがえった。
ボードの前に立って説明する老人とそこに張り付けられた茶色い植物の標本の情景が。そして小さいという字と魚片の文字が。
そう!これに会ったのは、5年以上前に行った八丈島。
黄八丈の染につかう小鮒草(コブナグサ)ではなかろうか。
当時は、どこに行ったらこんな植物が生えているんだろうと思ったものだったが、こんな近くに群生していたとは。

それよりも、霧が晴れたような脳の働きに、すごく安心した。
久しぶりに金木犀の香りを嗅いだせいかもしれない。

そのあとは「おまんだれじゃ~」の連続だったけど。