個人的には
モロッコの幼い兄弟の心の中に絶えず競う気持ちがあって、それが反発心となり、その危うい関係がどんどん最悪な結果を招いていく展開がどうにもたまりませんでした。
そして、
チエコの父親へのイライラした関係、アメリカ人夫婦リチャードとスーザンの踏み込まない関係、メキシコ人とアメリカ警察との泥沼的な結末・・・
違う言語で通じないだけじゃなくて、逃げて伝えようとしない、伝えているのに聞き入れようとしない・・・
地球上にこんなに多くの人々がうごめいていて、こんなに近くに押し合うように生活していて、なんでこんなに意思の疎通ができないんだろう。
最後の、東京の高層マンション群の夜景は、むなしくバベルの塔が林立しているような光景で、その最上階での菊池凛子と役所広司のシーンは塔にポツリと取り残されたようにも見えた。
映像のリアルさが抜群。
渋谷の景色の異様さ。
いつもならこの景色にあまり感じることはなかったけれど、
この映像を見たら、
日本人はどうしてこんな不思議な街をつくっちゃったんだろうと妙な気分になってしまった。
まだ、気持ちの中でこの映画は未消化で、★の数は決まらないけど
★★★★ ってとこかなあ・・・
監督
アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
出演
ブラッド・ピット
ケイト・ブランシェット
ガエル・ガルシア・ベルナル
役所広司
菊地凛子
アドリアナ・バラッザ