漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

漢方家ファインエンドー薬局(千葉県)
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しもやけも漢方で

2023-01-30 | 肌トラブル・アトピー・美容
梅が咲くころが一番寒いです。そして、しもやけのご相談が増えるのもこのころ。雨や雪が降って湿気を纏い、冷たい風も吹くようになるので、手足の先が一気に冷たくなってしまいます。


しもやけの王道漢方薬は「当帰四逆加呉茱萸生姜湯」
さすが王道で、しもやけを毎年起こすという人にすすめると、大概喜ばれます。
ちなみに、この漢方薬には「木通」つまりアケビの蔓が配合されていて、炎症を冷ましてむくみを改善する働きを持っています。

ところで、しもやけになりやすい人は血虚体質が多いようで、「血虚」つまり働きの良い血液が不足していると、西洋医学的に貧血ではなくても、手足末端などは栄養が十分届いておらず、皮膚組織はトラブルを受けやすい。
寒邪によって血流が停滞すれば、あっという間に傷んでしまいます。


先日ご来局の女性は、手指の爪の周りが荒れて赤くなってきたと言って「婦宝当帰膠」をお求めでした。
様子を伺うと、婦宝当帰膠を飲んでいたときは、爪周りの炎症がなく皮膚がきれいだったそうです。血虚を補っておくと肌は元気になるのですね。

寒くても小鳥たちは元気。昨日の散歩道で出会ったルリビタキ、♀かな。
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理気薬が効かなくなってきたという胃腸虚弱の患者

2023-01-25 | 胃腸
代謝のリズムが妨げられると「こわばり」が生じ、凝りや張り、痛み、つかえ、イライラうつうつなど多種の症状が出ることがある。
これを「気滞」といい「理気薬」で取り除くと、すーっとこわばりがとれて、様々な不快症状が消え去る。
理気剤は案外速効性があり、効いた感を実感できるので気に入っていただける患者は多いのだが、気滞を起こす原因を改善しなければ、また症状が再発してしまう。

たとえば、
お腹の張りが強く、げっぷやおならが出てつらいというストレスの多い男性のこと。
元来冷え性で少食なので、理気薬に補気健脾薬を合わせたいところだが「人に勧められてきたが漢方薬は初めてだし・・」と漢方薬に対する不信感もあるので、まず理気薬をお渡しした。

すぐに効いてとても喜ばれ、引き続き同じものを購入されたが、相変わらずストレス続きで疲れがたまりやがて「以前のように効かなくなってきたと」いう。新たに補気健脾薬を毎日服用するようおすすめしたのだが、理気薬のように頓服でスッキリとはいかないせいか、すぐに飽きて服用を止めてしまった。

理気薬を上手に効かせるには自身の力が必要で、これが弱いと作用が落ちる。
補気、補血、補腎などして弱い部分を元気にしていくには、日々続けていくことが必要。それは食事で言えば、毎日食べて体をつくる主食みたいなものだろうか

毎日続けるべきものと、その時々に使えばよいものを分類できていると、上手に体調コントロールができます。
その後その男性は、再度じっくりご相談くださり、理気と補気健脾で体調を上手に調整している

ソシンロウバイが良い香りを放つようになった。白梅も咲き始めている。


虫類で通絡(経絡のつまりを解消する)痛みやしびれ

2023-01-20 | 漢方的話題
生薬の中で、サソリ、ムカデ、ミミズ、ヒル、アリ、カイコなどは、経絡のつまりをとる働きがあります。
たとえば、帯状疱疹や脳卒中の後遺症である痛みやしびれは、なかなか頑固で、鎮痛剤を長期間続けても取れなかったりします。そんなとき、この通絡という対策もやってみてはいかがでしょう。当薬局では、ヒルやアリの製剤を利用しています。

脳梗塞の後遺症で何年もたつが半身の手足になんともいえない重痛やしびれがあるという方に、ヒルの錠剤を加えて飲んでいただいたところ、足の動きが少し軽くなってきたそうです。
また、高熱の後遺症で目が見えづらくなって治らないという方にもこれを用いて、驚くほど改善してくれました。
またつい先日は、歯科治療後、原因不明の歯痛が1年近く続いているという方に、まず三叉神経痛などに用いる漢方薬を数日使ってみていただいたのですが、今ひとつということで、通絡を試みることにしました。うまく改善してくれるといいなあと願っているところです。
私個人も歯茎の痛み(歯周病?)にこれを使って改善した経験があります。

昆虫食が注目されています。たんぱく質やミネラルが豊富で体に良いと思います。
日本ではミミズは解熱に使われていますし、ハチの子やイナゴも食べています。なんと大正時代でも50種類以上を食べていたそうで昔の日本の食物多様性は素晴らしいですね。
今では農薬(殺虫剤)の使用で、地球上の昆虫は激減しているそうで、今後が不安でもありますが。
先日の印旛沼付近の探鳥会の様子です。1万歩くらい歩きますが、鳥を探しながら歩いていると多少天気が悪くても、寒さも疲労もあまり感じません。知らず知らずのうちに健脚になれ、ストレスも解消できます。

寒九の雨、カシラダカ、コガモ

2023-01-14 | 植物&動物
寒に入って9日目に雨が降るとその年は豊作になるんだとか。
乾燥注意報が続いていたこの辺りは久しぶりに、昨日夜から今日にかけてしっとり雨。
寒の入り(小寒)1月6日だったから、ぴったりこの日。暦ってすごいです。

小寒次候は「水泉動く」
そして来週からは
小寒末候「雉始めて雊く」
春が来つつあるのですね。キジだけでなく鳥たちはもう囀っています。

このところ「気陰両虚」(エネルギーと潤いが不足している)に用いる「麦味参顆粒」をお買い求めの方が続きました。
「なんとなく飲みたくなったので」とおっしゃるのですが、「潤い」を体が欲しているのでしょう。
そして、湿気にやられそうだったら、勝湿顆粒を思い出してくださいね。
人の体も自然界の一部。気候に応じた漢方対策で行きましょう。


さて、上の写真は「カシラダカ」。
最近知ったのですが、国際的に絶滅危惧種なのだそうです。
確かにここ数年、群れをあまり見なくなりました。
昔は、アオジと一緒に100羽単位の群れがいたのに。
世界はいったいどうなっているんでしょう。

こちらは、田んぼの二番穂を食べていたコガモの群れ。
豊作なら、二番穂ぐらいは食べられてもいいかな。

冷えによる痛みは温める(肩や背中の張りと痛み)

2023-01-11 | 冬の養生法
寒さが厳しくなり、ホオジロ♀も羽を膨らませてまん丸です。


このごろ、肩こりや背中の張りを訴える方が増えました。
先日のご相談者は、肩や背中の凝りと痛みが激しく、お腹もガスが溜まって張りつめ苦しいとのこと。職場はスーパーの鮮魚部門で寒いのです。

さてこの痛みの原因は冷えですので、がっちり温める対策をします。
人参湯と、はじめの3、4日は柴胡桂枝湯を合わせて飲んでいただきました。
人参湯は主にお腹を温め、柴胡桂枝湯は体表の冷えを解消し、上半身の張りを和らげてくれます。

テレビCMなどで足のつりに芍薬甘草湯をご存じの方は多いですが、芍薬と甘草は筋肉を柔らかくほぐしてくれます。
そこで、柴胡桂枝湯の構成生薬をみると、
柴胡、半夏、桂皮、芍薬、黄ゴン、人参、大棗、甘草、生姜。
芍薬と甘草が含まれていますね。
これによって背中や胸脇部の張りや痛みがほぐれるのです。

この女性は数日で症状が改善したのちは、職場でのお腹の冷えを防ぐために人参湯を続けていただいています。
オオカワラヒワ。冬鳥です。普通のカワラヒワよりがっしりしていて風切り羽の白い部分が幅広です。植物の種を食べて栄養を摂っていますね。

寒いからと引きこもらず、戸外でウォーキングなど運動で体を温め、体を寒さに慣らすことも冷えに強くなる方法の一つです。


本年もどうぞよろしく。アカハラが囀っていた

2023-01-04 | その他
正月休みの散歩中に、囀るアカハラに遭遇。
この日は、久しぶりに凍らない朝。連日氷点下だったので暖かく感じました。
アカハラさんも春めいた気分になったのかな。
キョロリンキョロリンときれいな声でさえずっていました。

野鳥も住む町。この環境がずっと維持されますように。


わが薬局は本日より営業。
皆様の健康づくりにお役に立てますよう、引き続き研鑽を重ねてまいります。
本年もどうぞよろしくお願いします。


意外に多い冬の脱水症

2022-12-30 | 老化・血流
朝の凍った水辺に降りて水を飲んでいたツグミたちです。
このところずっと乾燥注意報が出ている当地。

マスクをしているとのどの渇きがわかりにくくなりますが、目がシバシバしたり、肌が乾燥して痒くなったりしますね。
温かめの白湯やスポーツドリンクなどでこまめに水分補給するのがおすすめ。
ただしビールは利尿作用によってかえって脱水気味になるので避けましょう。

脱水症状の簡単チェック方法で、手の甲の皮膚をつまみ上げて放し、戻るのに3秒以上かかると脱水気味だとか。
ずっとエアコンの中にいるので、気になってやってみたら、3秒近くかかりました。危ない危ない。
脱水状態になると血流もドロドロして循環器疾患を起こしやすくなります。

漢方薬で補陰補血活血対策も忘れずに。
常備薬の準備は整いましたか?
当薬局は12/31午後5時まで 新年は1/4より営業します。

今日は、玄関や床の間に迎春飾りをする日。薬局の正面も飾り付けを終えました。
準備万端整えて、静かな気持ちで新年をお迎えください。

日常茶飯事で旬を食べる

2022-12-23 | 暦・季節ごとの養生法
昨日は1年でもっとも日が短い「冬至」でした。
古代にはこの日を一年の始まりとしたところもあったそうで、ちょっと気持ちが新たかになります。

冬至の風習、ユズやカボチャ、アズキですが、
ユズは冬が旬の食材であり、カボチャは秋に収穫しますが、1,2か月置いておくと甘みを増すので、これも冬が食べごろといえるでしょう。小豆も晩秋から冬に新豆が出回ります。


「旬のものを食べる」ということは、1年で一番おいしいそれを食べることであり、中医学からみても旬のものは、その季節の養生によい食材であることが多いのです。ヒトも自然の一部であるということなのでしょう。

毎日、旬のものを口にしていれば、おのずと健康は作られるのです。

日常茶飯事という言葉があります。
茶飯(さはん)はお茶を飲み食事をすることで、ごく日常的に行われる事という意味。
いつもいつもすること、その時にある物、それらを粗末にしないことですね。


近所の散歩道で、木の実を食べるシロハラにシメ。

「還暦の祝いを母から」という、うれしい話

2022-12-20 | 漢方的話題
漢方のご常連さんから伺ったちょっとうれしい話。
彼女は還暦を迎えられ、お母さまから赤い洋服をプレゼントされたと苦笑いしながら話してくださいました。
彼女から定期的に送られる漢方を飲んで、元気で多趣味で活動的なお母さまなのです。

子供世代の若い(?)人たちは、当分、体調で弱音を吐けませんよ。

みんな元気で楽しく長生き、とてもうれしい気分になった。

語り合うようにダイサギと右にカワセミ。

コロナも症状や体質によって漢方薬は異なる

2022-12-14 | カゼ・インフル・ウイルス
コロナも初期症状はカゼとほぼ同じなので、病院で処方される薬も今のところ解熱剤、咳止めなどカゼ処方と変わりはありません。

ちなみに、カゼは風邪と書き、外から風のようにやってきて体内に入り込んで悪さをするものという意味。その風邪(ふうじゃ)は、上半身から入るので症状も多くは上半身に現れ、しかも症状はどんどん変化するという特徴を持つ。

当薬局では漢方で対応したい方もおられ、初めは現れている症状から判断して漢方薬を選ぶ。(電話などで対応して後で家族が漢方の受け取りに来局)
コロナウイルスの場合は、のどの痛み(上気道炎)や発熱、頭痛など「風熱邪」から始まることが多く、その場合は金羚感冒散、銀翹散など。
その後、黄色い痰を伴う咳に移行した場合は、麻杏甘石湯など。
さらに咳が長引いた場合もいくつかのタイプに分かれるのでそれに応じて漢方薬を使い分ける。
リンパの腫れが残ったり微熱が続くなどなら柴胡剤となるかと思う。

症状に適した漢方薬を服用すると体は楽になる。
つまり、コロナならコレというものはなく、症状の変化に応じて使い分けることが大切。

初期症状がおさまった後は、疲労感を訴えることが多く、西洋薬にはこれをフォローする対策はないので、漢方薬が頼りになると思う。
微熱や体の熱感が続いて発熱による消耗があれば、生脈散(麦味参顆粒)に補中益気湯を合わせたりして順調に回復されている。
普段から漢方養生をしている人なら、体質に合ったMy養生薬をしっかり服用すれば病後は良好のようだ。

その前に、コロナに感染しないために養生を日々行うことが大切で、体を冷やさない、温かいものをよく噛んで食べる、良く運動する、自然の中で気分転換してストレス解消、良質な睡眠で疲労回復です。

ここに挙げた漢方薬は一例であって、体調に応じて対策は異なるので、ぜひご相談ください。
空を見上げたらマガモが隊列飛行していた。どこへ行くのだろう。一緒に飛んでいけたらいいのにと思ったする。