漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

漢方家ファインエンドー薬局(千葉県)
http://kampo.no.coocan.jp/

意外に多い冬の脱水症

2022-12-30 | 老化・血流
朝の凍った水辺に降りて水を飲んでいたツグミたちです。
このところずっと乾燥注意報が出ている当地。

マスクをしているとのどの渇きがわかりにくくなりますが、目がシバシバしたり、肌が乾燥して痒くなったりしますね。
温かめの白湯やスポーツドリンクなどでこまめに水分補給するのがおすすめ。
ただしビールは利尿作用によってかえって脱水気味になるので避けましょう。

脱水症状の簡単チェック方法で、手の甲の皮膚をつまみ上げて放し、戻るのに3秒以上かかると脱水気味だとか。
ずっとエアコンの中にいるので、気になってやってみたら、3秒近くかかりました。危ない危ない。
脱水状態になると血流もドロドロして循環器疾患を起こしやすくなります。

漢方薬で補陰補血活血対策も忘れずに。
常備薬の準備は整いましたか?
当薬局は12/31午後5時まで 新年は1/4より営業します。

今日は、玄関や床の間に迎春飾りをする日。薬局の正面も飾り付けを終えました。
準備万端整えて、静かな気持ちで新年をお迎えください。

日常茶飯事で旬を食べる

2022-12-23 | 暦・季節ごとの養生法
昨日は1年でもっとも日が短い「冬至」でした。
古代にはこの日を一年の始まりとしたところもあったそうで、ちょっと気持ちが新たかになります。

冬至の風習、ユズやカボチャ、アズキですが、
ユズは冬が旬の食材であり、カボチャは秋に収穫しますが、1,2か月置いておくと甘みを増すので、これも冬が食べごろといえるでしょう。小豆も晩秋から冬に新豆が出回ります。


「旬のものを食べる」ということは、1年で一番おいしいそれを食べることであり、中医学からみても旬のものは、その季節の養生によい食材であることが多いのです。ヒトも自然の一部であるということなのでしょう。

毎日、旬のものを口にしていれば、おのずと健康は作られるのです。

日常茶飯事という言葉があります。
茶飯(さはん)はお茶を飲み食事をすることで、ごく日常的に行われる事という意味。
いつもいつもすること、その時にある物、それらを粗末にしないことですね。


近所の散歩道で、木の実を食べるシロハラにシメ。

「還暦の祝いを母から」という、うれしい話

2022-12-20 | 漢方的話題
漢方のご常連さんから伺ったちょっとうれしい話。
彼女は還暦を迎えられ、お母さまから赤い洋服をプレゼントされたと苦笑いしながら話してくださいました。
彼女から定期的に送られる漢方を飲んで、元気で多趣味で活動的なお母さまなのです。

子供世代の若い(?)人たちは、当分、体調で弱音を吐けませんよ。

みんな元気で楽しく長生き、とてもうれしい気分になった。

語り合うようにダイサギと右にカワセミ。

コロナも症状や体質によって漢方薬は異なる

2022-12-14 | カゼ・インフル・ウイルス
コロナも初期症状はカゼとほぼ同じなので、病院で処方される薬も今のところ解熱剤、咳止めなどカゼ処方と変わりはありません。

ちなみに、カゼは風邪と書き、外から風のようにやってきて体内に入り込んで悪さをするものという意味。その風邪(ふうじゃ)は、上半身から入るので症状も多くは上半身に現れ、しかも症状はどんどん変化するという特徴を持つ。

当薬局では漢方で対応したい方もおられ、初めは現れている症状から判断して漢方薬を選ぶ。(電話などで対応して後で家族が漢方の受け取りに来局)
コロナウイルスの場合は、のどの痛み(上気道炎)や発熱、頭痛など「風熱邪」から始まることが多く、その場合は金羚感冒散、銀翹散など。
その後、黄色い痰を伴う咳に移行した場合は、麻杏甘石湯など。
さらに咳が長引いた場合もいくつかのタイプに分かれるのでそれに応じて漢方薬を使い分ける。
リンパの腫れが残ったり微熱が続くなどなら柴胡剤となるかと思う。

症状に適した漢方薬を服用すると体は楽になる。
つまり、コロナならコレというものはなく、症状の変化に応じて使い分けることが大切。

初期症状がおさまった後は、疲労感を訴えることが多く、西洋薬にはこれをフォローする対策はないので、漢方薬が頼りになると思う。
微熱や体の熱感が続いて発熱による消耗があれば、生脈散(麦味参顆粒)に補中益気湯を合わせたりして順調に回復されている。
普段から漢方養生をしている人なら、体質に合ったMy養生薬をしっかり服用すれば病後は良好のようだ。

その前に、コロナに感染しないために養生を日々行うことが大切で、体を冷やさない、温かいものをよく噛んで食べる、良く運動する、自然の中で気分転換してストレス解消、良質な睡眠で疲労回復です。

ここに挙げた漢方薬は一例であって、体調に応じて対策は異なるので、ぜひご相談ください。
空を見上げたらマガモが隊列飛行していた。どこへ行くのだろう。一緒に飛んでいけたらいいのにと思ったする。


寒くなると便秘になる

2022-12-09 | 冬の養生法
寒くなってから便秘がち、という訴えもこの頃多い。
寒さで胃腸の動きが悪くなった状態(寒邪直中)で、酸化マグネシウムや大黄甘草湯などを服用してもますます腸を冷やしてしまうのでスッキリしない。

このような場合は、冷えているのだからお腹を温めればよい。
・朝に白湯を飲み胃腸を温める。温かい食事をする。
・腹や腰を冷やさない服装を工夫する。
・体が温まるまで運動する。
※白湯とは、水を10分ほど沸騰させて塩素や不純物を飛ばしたお湯のこと

漢方薬では人参湯(理中湯)など脾胃虚寒を改善するものを用いる。
人参湯は、冷えによる下痢、嘔吐、胃痛などによく用いるが、「原因」が同じなら処方も同じで大丈夫。
いい具合に腸が動いて、胃やお腹の張りも取れて体が楽になります。


冷え込んだ朝、西印旛沼の藪の中で羽を膨らませて冷えないようにしているジョウビタキ♂


手賀沼で探鳥

2022-12-05 | 植物&動物
我孫子にある手賀沼を歩きました。
山科鳥類研究所や鳥の博物館もあり全国野鳥ファンのメッカですが、東京通勤圏で住宅街が沼の間近まで迫り、しかしギリギリまだ野鳥の自然が保たれています。
マガモが飛んできました
着水~
トモエガモもあちこちにいます。
ミコアイサも1羽やってきているそう。見つけられなかったけど。
オオジュリンが葦にいたのですが写真撮れず(今季初見)
20羽以上の群れでゴイサギもやってきました。
眠るゴイサギ幼鳥(ホシゴイ)両サイドはユリカモメ、奥はカンムリカイツブリ、その奥がマガモ。


案外優しい目をしているセグロカモメ
広がる田んぼのずーっと遠くに鳥を発見するのも楽しく、右から4羽はカワラヒサで、左はスズメです。
ノスリが気持ちよさげに飛翔
午後は曇ってふわっと暖かくなった手賀沼でした。
こうしていると、ストレスが解消され、気持ちの毒が洗われ・穏やかな気持ちになれます。

鉄不足でうつ

2022-12-03 | 気持ち・眠り
体の鉄イオンが不足するとうつになりやすいと昔から言われていている。
やる気が出ない、出かけたくない、朝起きられない、漫然とした疲労感、焦燥感など元気になれない症状が現れる。

生理のある女性の約半数は潜在性鉄欠乏症(貯蔵鉄不足)と言われ、出産後はこれが助長して産後うつに陥ることも多い。育児ストレスも受けやすく大変な事態になる。

レバーや貝類を毎日食べない昨今。鉄剤を飲めばいいようだが、案外胃に負担がかかって長くつづけられない人も多い。

さて、当薬局で「ササヘルス」というクマザサエキスの商品がある。
これは、葉緑素クロロフィルの中に鉄イオンを配し血液とよく似た構造になっているうえ水溶性なので吸収もよい。
効能は疲労回復、食欲不振、口臭、体臭除去、口内炎。

効能に則ったおすすめをするのだが、なぜか、
「これを飲むと気持ちが落ち着く」「怒らなくて済む」「気分がスッキリする」という精神的な改善も言われることが多い。
思うに、鉄イオンを含む様々な微量ミネラルの総合作用で、うつ気分が解消しているのかもしれない。

うつの漢方対策は様々あるのでぜひご相談ください。