漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

漢方家ファインエンドー薬局(千葉県)
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アメリカン・ギャングスター(映画)この泥沼は人間のサガか?

2008-02-11 | 映画
久々のリドリー・スコット監督。最後のさわやかな感動はいかにも彼らしい。

1970年前後のアメリカ。ハーレムを中心に麻薬ビジネスで巨万の富を築き上げていたのは黒人フランク・ルーカス(デンゼル)。これを正義感に満ち溢れた警官リッチー・ロバーツ(ラッセル)がじっくり追い詰める。

フランクとリッチーは後半ぎりぎりまで直接出会うことがない。
それぞれの物語が別々に進む。当時のアメリカの根深い問題を織り交ぜながら。

それはベトナム戦争によってアメリカ軍の多くの兵士たちが現地の麻薬に侵されたこと、黒人街の麻薬におぼれて死にたえていく姿、ニューヨーク警察内の裏事情、そしてリッチーの危険な仕事ゆえの夫婦の問題など・・・

この映画は事実に基づいてつくられている
それゆえ、一層この映像が悲しいのだ。

リッチーと対面したフランクは言う。
「なにが正常だ?」
いきなり警官に銃を突き付けられ、何発も打たれて死にゆく・・・
「それがオレの正常だった」

「正常」がずれている恐ろしさ。
この正常が根底から変わることはおそらく難しい。だとすればきっと再びどこかで繰り返される・・・
そしてこれを正そうとする人間がごく少数派だということがとても悲しい。

★★★★

監督リドリー・スコット

出演
デンゼル・ワシントン
ラッセル・クロウ
キウェテル・イジョフォー
キューバ・グッディングJr
ジョシュ・ブローリン