『九月が永遠に続けば』 沼田まほかる ☆☆★
東京に出張した際、本屋で平積みになっているのを見かけて手にとった。ホラーサスペンス大賞受賞作で、あとがきで相当褒めてあったのでそのまま購入。仕事の合間にホテルで読み終えた。読んでいるうちにはサクサク読めたので、つまらないわけではないが、読み終えて特にどうという感慨がない。印象が薄い。
新人さんのデビュー作としてはもちろん、よく出来ていると思 . . . 本文を読む
(前回からの続き)
花森ケイ子もまた、さらに存在感を増している。財前に事前に誤診の危険性を注意したり、財前の母親と会って語り合ったりするエピソードが追加されていることもあるが、財前の愛人でありながら、時に財前の痛烈な批判者になるというその多面性にますます拍車がかかる。たとえば、裁判には必ず勝つ、おれの処置に間違いがなかったことを証明してやる、有名な弁護士だってつけているんだ負けるわけがない、と . . . 本文を読む
『白い巨塔 ~誤診裁判篇』 ☆☆☆☆☆
田宮二郎ドラマ版『白い巨塔』は教授選篇を終え、いよいよ誤診裁判篇に突入。物語はますますヒートアップしていくのであった。
映画では教授選の忙しさの中で佐々木庸平を死なせてしまったことになっていたが、たっぷり時間が取れるTVドラマでは省略の必要はない。原作通り、教授になった財前がドイツの学会に出席している間に佐々木庸平は死に、成功の栄華に酔って帰国し . . . 本文を読む
『バビロンに帰る』 スコット・フィッツジェラルド ☆☆☆☆☆
『冬の夢』に続いてフィッツジェラルドの短編集をもう一冊再読。これには『ザ・スコット・フィッツジェラルド・ブック2』という副題がついていて、これに先行する『ザ・スコット・フィッツジェラルド・ブック』があり、また『マイ・ロスト・シティー』というものもある。『冬の夢』とあわせてこの四冊が今のところ村上春樹訳フィッツジェラルド短編集の全 . . . 本文を読む