『八月のクリスマス』 ホ・ジノ監督 ☆☆☆☆
DVDで再見。韓国映画である。韓国映画はそれほど詳しくないが、わりと有名な作品らしい。日本でリメイクもされている。ホ・ジノ監督はヨン様の『四月の雪』を撮った監督だ。
いわゆる難病ものである。男と女が恋に落ちる。男は不治の病に冒されている。悲恋ものの定番だ。この定番パターンを扱うにあたっての本作のアプローチは、ひたすら淡々と日常的な描写を積み . . . 本文を読む
『Secrets of the Beehive』 David Sylvian ☆☆☆☆
元ジャパンのヴォーカリスト、デイヴィッド・シルヴィアンのソロ。ファンの間ではおおむねこれが最高傑作ということになっているようだ。私もデビシルのソロをもう一枚持っているが、やっぱりこっちの方が好きである。
ジャパンの頃はシンセサイザー主体でオリエンタルな旋律を聴かせるポップ・ロックをやっていたが、この . . . 本文を読む
『謀略法廷(上・下)』 ジョン・グリシャム ☆☆☆★
日本に出張した帰りの飛行機の中で読了。大企業が水を汚染したせいで住民たちが癌になって訴訟、ということで『エリン・ブロコビッチ』を思い出すが、この小説は住民たちが訴訟に勝ったところからスタートする。すでに何年も審理が行われ、原告側弁護士のウェスとメアリの夫婦は家を売り払い、借金をし、すべてを犠牲にして裁判に打ち込んできた。結果、予想を上回 . . . 本文を読む
『東京物語』 小津安二郎監督 ☆☆☆☆☆
小津の代表作のひとつ、『東京物語』を再見。モノクロ映画である。
最初に観た小津作品がこれだった。笠智衆と東山千栄子の老夫婦が子供たちに会うために田舎から東京に出て行く。「ほんにお楽しみで」「おたくはお幸せですなあ」「いやあ」近所の人とのなんのことはない会話、棒読みみたいな笠智衆のセリフ回し。そして開業医をやってる長男(山村聰)のところへ行って「 . . . 本文を読む
『out of noise』 坂本龍一 ☆☆☆☆
今年の3月に発売された坂本龍一の最新ソロ・アルバム。前作の『CHASM』は2004年だから5年ぶりだけれども、ぱっと聴いただけで『CHASM』とはかなり違う作品になっている。『CHASM』はラップが入ったポップな『undercooled』とか、デヴィッド・シルヴィアンのヴォーカルをフィーチャーした曲、メロディアスなピアノ曲、ノイズ曲など色ん . . . 本文を読む