アブソリュート・エゴ・レビュー

書籍、映画、音楽、その他もろもろの極私的レビュー。未見の人の参考になればいいなあ。

去年を待ちながら

2014-10-01 21:55:12 | 
『去年を待ちながら』 フィリップ・K・ディック   ☆☆☆☆  再読。これはディック作品の中でも傑作の部類だと思う。ディック特有の迷宮感、悪夢感が充満し、読者を絡めとる得体の知れないパワーに満ち満ちている。核心となるアイデアは例によってドラッグで、兵器として開発された致死的なドラッグを服用すると副作用で時間旅行してしまう、というとんでもないものだ。しかも主人公のスイートセント医師がこれを使って時 . . . 本文を読む