アブソリュート・エゴ・レビュー

書籍、映画、音楽、その他もろもろの極私的レビュー。未見の人の参考になればいいなあ。

ダンシング・ヴァニティ

2008-04-22 20:26:40 | 
『ダンシング・ヴァニティ』 筒井康隆   ☆☆☆☆☆  筒井康隆の新作を読了。前作の『巨船ベラス・レトラス』がさすがと思わせる超虚構的な仕掛けを打ちつつもわりと読みやすい娯楽小説的な内容だったのに比べ、本書はかなりチャレンジングだ。筒井康隆の実験精神が炸裂している。本の装丁を見て気楽な娯楽小説かと思ったら全然違っていた。これは『夢の木坂分岐点』や『虚人たち』のような、作者が娯楽性を度外視して本領 . . . 本文を読む