『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』 ジョエル・コーエン / イーサン・コーエン監督 ☆☆☆☆
Amazon Primeで鑑賞。最近遅ればせながらAmazon Primeの会員になると色んな映画がタダ見できることに気づき、さっそく加入して観まくっているが、これもその一つ。コーエン兄弟の映画だけれども、『ノーカントリー』や『ファーゴ』や『バーバー』のテイストを期待すると全然 . . . 本文を読む
『サクリファイス』 アンドレイ・タルコフスキー監督 ☆☆☆☆
タルコフスキーの遺作、『サクリファイス』を日本版ブルーレイで鑑賞。タルコフスキーは『ストーカー』を最後に母国ソ連を離れ、『ノスタルジア』と『サクリファイス』はヨーロッパで撮られた。そのせいで『ノスタルジア』以降はテンションが落ちると評するファンもいるようだが、私にはあまり分からない。もっと何度も繰り返し観れば違うのかも知れないが . . . 本文を読む
『白夜』 ルキーノ・ヴィスコンティ ☆☆☆
『夏の嵐/白夜』ブルーレイ・セットで『白夜』を鑑賞。先日ドストエフスキーの原作を読んだばかりなので、一体どんな映画かと興味深く鑑賞した。正直、原作がまったく私の好みではなかったので、果たしてヴィスコンティはあの小説をどう料理したのだろうか、という興味がメインとなった。ちなみに本作はヴェネツィア国際映画祭で銀獅子賞を獲得している。
『白夜』の方 . . . 本文を読む
『眠れる美女』 マルコ・ベロッキオ監督 ☆☆☆☆★
日本版DVDで鑑賞。マルコ・ベロッキオはイタリアの映画監督で、数々の映画祭で受賞歴を持つベテランのようだけれども、この人の映画を観るのは今回初めてだった。本作はイタリア・フランス合作映画で、フランスの女優イザベル・ユペールが出演している。
物語の舞台は、17年間昏睡状態にある女性の安楽死問題で揺れているローマ。かの女性の安楽死を許可す . . . 本文を読む
『クローズ・アップ』 アッバス・キアロスタミ監督 ☆☆☆★
所有する日本版DVDで再見。キアロスタミはご存知の通り『ライク・サムワン・イン・ラブ』や『トスカーナの贋作』を撮った監督で、通常の映画作りから逸脱するような、きわめて特異な方法論を持つ映像作家である。この『クローズ・アップ』もそんなキアロスタミの定石破りが炸裂した、実に挑戦的なフィルムであり、ドキュメンタリーとフィクションが融合し . . . 本文を読む
『砂時計』 ヴォイチェフ・イエジー・ハス監督 ☆☆
カルト的な人気を誇るポーランドの映画監督ヴォイチェフ・イエジー・ハスの『砂時計』を観た。原作はブルーノ・シュルツの『砂時計サナトリウム』で、前にこのブログでご紹介したがきわめてシュールレアリスティックな小説である。これを映画化してまともな映画になるはずもなく、果たして、尋常な映画ではなかった。言うまでもなく奇怪な映像の続出、登場人物たちは . . . 本文を読む
『夏の嵐』 ルキノ・ヴィスコンティ監督 ☆☆☆☆☆
ヴィスコンティの日本版ブルーレイ『夏の嵐/白夜』が発売されたので購入。まずは『夏の嵐』を鑑賞した。
絢爛豪華なメロドラマ、とあったので心から愛し合う二人が引き裂かれる悲劇、みたいな甘いラブストーリーを想像したら全然違った。そういうロマンティックなものではなく、これは残酷なイロニーたっぷりの、意地が悪い、辛辣きわまりない人間観察ドラマだ . . . 本文を読む
『オーバー・フェンス』 山下敦弘監督 ☆☆☆☆
私は「佐藤泰志 函館三部作」ブルーレイ・ボックスを所有していて、それは前にDVDで観た『海炭市叙景』が大変良かったので三部作全部をブルーレイで観てみたい、と思ったためである。三部作は原作者が同じなので、函館という舞台も含め雰囲気はとても似通っている。が、監督は全部別人なので、当然ながら似通っているようで微妙に違う。私の勝手な評価では、『海炭市 . . . 本文を読む
(前回からの続き)
こうして、「おれの人生に足りないものは何もない」と豪語していたジャックが、ケイトや子供たちや友人たちとの(お世辞にもリッチとは言えない)暮らしの中で、本当の愛情や人間関係を学んでいく。そして再びドン・チードルが彼の人生に介入してきた時、ジャックはもう元の人生には戻りたくないと言う。が、夢の時間には避けがたく終わりがやってくる。必死の抵抗も空しく、ジャックは否応なしに元の . . . 本文を読む
『天使のくれた時間』 ブレット・ラトナー監督 ☆☆☆☆☆
所有する英語版DVDをブルーレイに買い替えて再見。久しぶりに観たが、この映画は何度観ても面白い。原題はあっさりと「The Family Man」なのだが、邦題「天使のくれた時間」は妙に説明的かつメルヘンチックで、こそばゆい感じである。とはいえ、まあ内容的にもメルヘンチックであることは間違いない。これはクリスマスを舞台にしたフェアリー . . . 本文を読む