崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

「ヨ-コ物語り」So far from the Bamboo Grove

2007年02月22日 06時37分05秒 | エッセイ
 先週韓国旅行中連日テレビでカワシマヨ-コ作「ヨ-コ物語り」(韓国版)So far from the Bamboo Groveが話題になっていた。それは終戦直後日本人が韓国人から被害を受けたという英文小説の教科書載録に対して韓国系アメリカ人たちが反撥して裁判まで起こしているというニュースである。それは従軍慰安婦問題とともに韓国人の反日運動がアメリカまで広がっていくということを意味する。私は早速英文の小説を注文して、昨日一日で全部読み終えた。久しぶりに英語の小説を楽しく読んだ。
 私は引き上げに関して韓国やサハリンなどで調査をし、また北朝鮮での引き上げの状況を知ることができたが、韓国で言う「真実に基づいた(true story)ではない」という非難の的とはかけ離れた印象を受けた。まず多くの批判や非難は作品を文学作品としてきちんと読んでいないのではないかと思われる。また「日本人が被害者だ」ということへの批判も当てにならない。戦後の状況では日本でも一時期朝鮮・韓国系の人が勝者のような行動をしたことを考えると私はむしろ戦後直後の状況を良く描いた小説として評価したい。

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