崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

「師匠は心の親」

2013年05月16日 04時38分24秒 | エッセイ
 昨日は韓国の師匠の日(先生の日)、多くの弟子から「師匠の日」をもってメールやあいさつの言葉をいただいたが思っていても表現しない人も多いだろう。私も恩師に対して感謝の思いはあるが言葉では何も言っていないが私の師弟関係は上下に健全だと思う。
 「師匠は心の親」と表現している「師匠の日」の歌がある。師匠の「恩」「愛」について弟子の「感謝」と「恩返し」が歌われている。日本では芸能界では師弟関係ということばがよく言われるが、学校などではあまり聞けない。古い因習であり捨てるべきだと思う人が多いようである。師弟関係は確かに公的な関係を独占的にし、派閥となりやすい負の面がある。それが合理的な現代人の考え方であろう。彼らによると師弟関係は多くの授受関係の一つに過ぎない。極端に言うと師弟関係とは知識の売買関係であるかもしれない。教育上質高い商品をインタネットでも受けることが出来、学校教育は、師弟関係はなくても良いかもしれない。
 親子関係もドライに考える人がいる。親は必ずしも養育専門家や料理師ではない。親によっては自分の子供を育てる能力も資格もなく、イスラエルのキブツのように幼児の時から専門機関が扱う制度が必要かもしれない。しかし、そこに大きい問題点がある。親子関係はただ物の交換関係ではない、愛情関係の大切さを悟ったのである。
 親子関係には質を問わず親子の愛が普遍的に存在している。親子関係や師弟関係は特定の人にだけあるものではない。軍隊の内務班にもあるべきである。それは派閥という負の面をはるかに超える絶対的な価値のあることだと言える。高級百貨店は高級な「愛」(商品)を売る処ともいえる。そこには店員さんの親切さが必要条件になる。その親切を不要な儀礼形式と思う人は物の塊のような唯物主義の人であることを自覚すべきである。

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