崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

悪文のエッセイ

2013年06月20日 04時04分13秒 | エッセイ
新しく本を企画している。福岡のある出版社から1年前に頼まれたのが進まず新しく動かそうとのことである。旅行エッセイストの小川裕司氏と相談した。そのために既刊のガイドブックを集めてみた。釜山のある処や物について紹介をしてからは歴史を遡って書いている書き方であることが分かった。昨日倉光氏が読書会で古都めぐり平壌の1920年代の紀行文を読んだ。難しい漢字語と古い高句麗の歴史を埋め込んで書いている。悪文だと思った。しかしその書き方は今の多くのガイドブックの書き方とほぼ同様であり、戒めも含め、大いに参考になった。
 今度書きたいガイドブックは教科書で読んだものやテレビで見たものを思い出すために観光するような、その場や物を確かめるような証明写真を撮るような本になってはいけないと思っている。物を見て、それがどう使われているか、人々の生活から考えるように書きたい。そのためには人々を観察し、インタビューをするという楽しい作業が始まらなければならない。ネット上の情報を書き埋めるような安易な本を作ってはいけない。古都めぐり式の紀行文のように書いてはいけない。福沢諭吉が見聞して『西洋事情』を書いたが、それを真似して兪吉濬のように知識や情報で埋め込んだ『西洋見聞記』のような書き方をしてはいけない。この短文に「いけない」のことばを繰り返して、恐縮ではあるが、私は上記のことを強調したい。
 読書会に名古屋の名物ういろうが差し入れられた。私は韓国から姉が持ってきた伝統的な餅を持って行った。餅を作ろうと努力する朴氏にサンプルという意味もあった。しかし彼はなぜか欠席であり、他のメンバーたちと試食した。評判は非常に良かった。日本でも普及させても良いという感を受けた。韓国の典型的な餅作りは「粉を蒸す」ことに才がある。それは稲作文化と粉文化の混合であると私は主張した。それについては第2回の「楽しい韓国文化論」で私の講話と朴氏の試作の時間を持ちたい。これから会員募集が始まる。参考までに内容は下記の如くである。

第2回「楽しい韓国文化論」
                         
山口県日韓親善協会連合会と東亜大学東アジア文化研究所が共催し、9月から始まる「楽しい韓国文化論」講座。今回は食文化を中心に行います。全7回の講座を開講し、現地研修旅行も実施予定。講師は東亜大学東アジア文化研究所所長の崔吉城が主に担当します。講座日程および概要は下記の通りである。

日 程    講 座 内 容
第1回 9/7 「明太子はどう生まれた」久間直樹(RKB北九州支社報道部長)映像と解説
第2回 9/14 「観光と食文化」李良姫(東亜大学教授)
第3回 10/5 「餅作り」朴仙容(海龍食品)
第4回 10/19 「焼き肉」崔吉城 
第5回 11/2 「キムチ作り」柳鐘美(東亜大学非常勤講師)
第6回 11/9 「味付海苔」映像と講義 崔吉城
第7回 11/16 「食事文化」奈良美香(梅光大学非常勤講師)
11/30-12/2 「板門店旅行」崔吉城か李良姫が同行 米軍キャンプで食事
 *第1回目は公開講座なので無料、第2回~第7回までの受講料6,000円(含資料代)
 講座時間 14:00~15:30
*申込み締切:平成25年8月20日
*申込み先:山口県日韓親善協会連合会
      下関市彦島福浦町2-23-11 TEL083-267-8884 FAX083-266-9328 担当:伊藤
*申込み方法:ハガキまたはFAXにて、住所・氏名・電話番号を記入の上申込み

 東亜大学東アジア文化研究所所長 崔吉城