崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

別れの挨拶

2013年03月04日 04時41分17秒 | エッセイ
新年度に向けて人事異動のニュースが耳に入る時期になった。昨日は小春日和、韓国からの派遣教師として2年間下関中等学校に務めて3月に帰国する呉信媛氏と園芸センターへ梅の花を見に行ってきた(先日「南苑」で 送別会)。梅の花見は既に遅かった。彼女は二人の息子の母であるが少女のように日本での思い出を多く持ちかえりたいと花の写真をパチパチ撮っていた。彼女が派遣されて来て間もない時にここに案内した思い出の場所でもある。2年間彼女は教会でも数多く奉仕し、私の講演会などにも来てくれて親しく付き合ったので別れが近付くことだけでも寂しく思っている。これからそのように別れる人がまたあらわれそうである。
 別れ方に人間性が分かると失言のように言ってしまった。動物も会った時は挨拶に近い身振りをするが、別れの挨拶はしない。挨拶は人間文化の基礎ともいえる。送別会は人間的であること、もっと人間的なことは離れても完全には別れないということである。以前にも書いたが毎週会って、親しく三羽烏のようにつきあったがそんな友人の送別会に参加せず人間関係の全てが消えたような人がいた。私は形式的な会を重要視するわけではなく、別れ方から友情や人間性が伺われると思っている。