崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

中国が怖い

2013年03月07日 05時19分22秒 | エッセイ
 十年ほど前から中国訪問の時「環境汚染」が最悪と感じたが日本ではあまりニュースになっていなかった。今日本のメディアは毎日大きく報道するのを聞いて日中関係の悪さから大げさに報道するのかとも思ってそれほど深刻に考えなかった。が、昨日定期的に呼吸器内科を受診した時、担当医師は寒さの峠を越えてやっと春を迎え多少安心だと思っている私に花粉症を警戒せよと注意してくれた。花粉症はないと自信を持って答えた私に先生は怖い話を続けた。空気中を漂う2.5マイクロメーターより小さい微粒子が中国から飛来してきて花粉に付着して、肺や気管支の深奥くまで入り込み、肺がんなどを引き起こす恐れがあるというのである。医師の説明を深刻に考えるようになった。
 サチュレーションで測った酸素供給率が90に満たない。これは酸素供給装置をつけるべきであるほど私の肺の機能が弱い私にとって花粉や中国の大氣汚染は怖いものである。私の事を含めて中国国民が心配になった。北京、大連、広州、成都、杭州などを訪問した時、酷い汚染を感じて中国人に言ってみると「霧が掛った」といったり黙っていたりで不思議にも気にせず、平気だったのを想起し、気の毒に思う。今でも一般の多くの国民は環境汚染は経済発展に付く「必要悪」と思い、我慢している。それは先進国が経てきた道のりでもある。しかし今黄砂や大気汚染は危機である。対策が遅れている中国はどうすべきであろうか。最高の対策の始まりは民主化しかないと言いたい。そして深刻な問題を自由に報道すべきである。
 東アジアには二つの危険国家がある。一つは大国の「汚染」国家、もう一つは小国の「核」国家である。我らはその危険な地域に住んでいることを認識しなければならない。