崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

日本文化論

2006年05月27日 23時59分16秒 | エッセイ
 韓国出身の私が今、日本で日本文化論を講義している。青木保氏の『日本文化論の変容』をテキストとして使っている。敗戦直後日本人は失望していたが朝鮮戦争を契機に日本が経済成長をして肯定的な日本人論へ転換していくことに触れられている。ここで二つの疑問がわきでる。一つは戦争を契機に成長することは倫理に反するか、否か、倫理と経済には相互関係がないのか否かということである。実際には経済事情によって、ものごとの見方が変わる。特に成金など、急に金持ちになった人が心も変わっていくのをみる。つまり経済は人を変え、国民の心をも変えるものであるということを感じている今日この頃である。