崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

Da Vinci Code

2006年05月21日 22時50分48秒 | エッセイ
映画Da Vinci Codeが世界的に話題になっている。去年12月デンマーク新聞にイスラムを侮辱する風刺漫画12枚が掲載され、それがヨーロッパの多くの新聞に報道されムスリムの反抗デモが広がったばかりなのに目下カトリックとプロテスタントの抵抗運動が起きている中、映画はより人気を得て商売繁盛になっていく。また少し前にはパッションという映画がユダヤ人の抵抗運動を起こしたのは記憶に新しい。これからは仏教などあらゆる宗教がこのように侮辱されるようになるかもしれない。
 これらの現象は宗教の世俗化の時代に宗教の聖なるタブーを壊すこと、宗教の神聖さと言論の自由の葛藤、フィクションと映像の暴力性の強化などが読み取れると思う。ここで特定の宗教を信仰する人々はそれらの宗教への挑戦が起こることに柔軟性を持つべきである。抵抗することによって逆効果だけ増幅するようなことはしないほうが良い。また世俗的、あるいは合理的な立場から宗教の非合理を攻撃しても宗教は教義だけを重要視するのではないし、宗教的コミュニティに教権侵害することは良くない。人権侵害と同様教権侵害もしないように注意すべきであろう。