verse, prose, and translation
Delfini Workshop
the crisis game
2020-01-09 / 日記
■いったん、5時に目が覚めてウェブチェックして、トランプが反撃しないことを知り少し安心する。10時半に起きてウェブチェック。イランによるミサイル攻撃直後にスイスを通じてイランからトランプ政権へ書簡が送られ米国がイランに反撃しなければイランは対米攻撃を継続しないと述べたと共同通信が伝えていた。イランの米軍基地攻撃はかなり正確で、攻撃直後、トランプが上げた奇声は、それなりに根拠があったようだ。イランは意図的に人的被害が出ないように攻撃したという見方が強まっている。米軍の犠牲者は出なかったという米側の発表は本当だったのかもしれない。イランが死者、テロリスト80人と発表したのは、まさに、親イラン派のテロ組織向けてで、報復が行われなければ、これらの組織が自前でテロ攻撃に出る可能性があったためという見方も出ている。では、そもそも、なぜ、トランプは、こんな危険な一手を選んだのか。理由は一つではないだろう。イランは、ロシア製の対空システムS300をすでに実戦配備している。このシステムの命中率は85%から90%である。つまり、米軍の地上軍がテヘランへ侵攻するときに、上空支援が期待できないということを意味する。そうなると、相当な犠牲が強いられる。さらに、イランは、米国のアキレス腱であるイスラエルに対して弾道ミサイル攻撃を行うことができる。イスラエルや米国は核攻撃が可能だが、地理的に近いロシアの支援をイランは受けることになり、世界戦争の様相を呈する。つまり、いったん本格的な開戦になれば、どちらにとっても、いや、世界にとって、大変な犠牲と破壊を伴う。この点は、トランプもハメネイも、十二分に承知している。その意味で、非常に危うい均衡の上に立っている。
では、なぜ、こんな危ういスレイマニ暗殺という選択肢を採ったのか、あるいは、採れたのか。「スレイマニ」という「テロリストの親玉」を創り出し、オバマ大統領によるビンラディン暗殺のように、一つの自分の功績とするためだったというのが一つの仮説である。下院で弾劾訴追されイメージが非常に悪くなり上院の弾劾裁判開始直前での、この「大テロリスト」の暗殺は、たしかに汚名挽回の効果もあるだろう。もう一つの仮説は、さらに面白い。この事件、初めから終わりまでやらせだったというものである。この仮説は、あるブラジルのジャーナリストが、米国政権の高官からの機密情報として伝えたものをベースにしている。それによると、トランプはイラクから撤退したがっている。それは、駐留経費の問題だろう。しかし、撤退すれば、イスラエルの安全がイランに脅かされる。イランにしてみれば、イラクから米軍が撤退することは悲願と言っていいほどの望ましい事態である。つまり、イラクからの米軍撤退では、イランと米国は共通の利益を有する。困るのはイスラエルだけだ。トランプはユダヤロビーやシオニスト、さらには、右派福音派の支持と資金が再選には必須である。したがって、自分からイラクを撤退することはできない。撤退せざるをえない状況を作らなければならない。それが、このスレイマニ暗殺事件だったという仮説である。現に、イラク国会は米軍に撤退要請を出している。さらに、奇妙なことに、米政権内部から、あたかも、準備されていたかのように、撤退合意文書が流出したことである。この世界大戦に繋がりかねない危ない橋をトランプが渡れたのは、イランと話を事前につけていたからと考えれば納得できる。スレイマニはハメネイとロウハニに間接的に暗殺されたとも言えることになる。この仮説が荒唐無稽ともあながち言えないのは、このブラジル人ジャーナリストの伝える米政府高官の次の言葉だ。イラクの米軍基地内で高度警戒態勢に入っていたはずのパトリオットシステムが稼働したという報告を受けていない。つまり、米軍の手によってパトリオットシステムはあらかじめ切られていたのではないか。イランが攻撃に使用したのは弾道ミサイルであり、レーダースクリーンの下を地表すれすれに飛ぶHoveizeh cruise missileではない。
いずれにしても、「再選」というのは、一つの大きなキイワードであり、やらせだったというのが、本当かどうかは、イラクから米軍が撤退するかどうか、また、イランへの米国の追加経済制裁の内容はどうかで、判断できるのではないだろうか。
洗濯して干してから夕方買い出しに行き、鍋用の野菜を切るのを手伝った。人参、葱、春菊、白菜など。夜、ニコの仕事。
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