goo

フランス語の俳人たち:Yves Tissot(2)

■旧暦11月15日、水曜日、

(写真)無題

大掃除の日である。ぼくの俳句の影の師匠であるK.A氏にこういう句がある。大掃除遊び心をいかんせんよくわかるが、実際やったら、しばかれるだろうな。駅前の立ち食い蕎麦の前で、年越し蕎麦の販売をやっていた。始めて見る光景だった。

娘が金がないというので、旅行したときのユーロを円に換金してやったのだが、ユーロ紙幣に印刷された石柱のデザインやユーロ圏の広がりを眺めていて、これはローマ帝国の再現だなとふと思った。欧州の多様性のベースはローマなのだろう。

さて、これから、風呂の掃除である。




le lièvre se cache
loin des sorbiers alanguis
je trace ma ligne



野兎がしおれた七竈の先に
姿を消す
雪につけるわたしの足跡


■少し意訳した。原文に「雪」はない。この句は、ブログの写真と一緒に掲載されていて、スイスの12月の雪原に七竈が雪に埋もれるように写っている。そして、その先に、兎の足跡がついている。三行目は、原文では、「わたしは自分の足跡をつけていく」となるが、雪が想像できないと美しさが半減するので、あえて入れてみた。また、原文は、論理的な展開を感じさせ、切れのない三行詩と言えるだろう。それはそれで面白いとは思う。ただ、写真と俳句のコラボで難しいのは、俳句が独立したとき、写真の情報すべてを表現しきれない点にある。目で見たものをすべて言葉にはできないからである。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )