goo

芭蕉の俳諧:猿蓑(45)

■旧暦9月24日、火曜日、

(写真)山茶花散る

朝、珈琲を淹れて、ウェブチェックをしていると、M警察の刑事がやってきて、近くで起きた女子大生殺人事件について聞かれる。容疑者の写真には見覚えがないので、なんとも言いようがないし、その女子大生も見たことがない。それだけの情報を取るのに、家族の氏名から生年月日、職業、果ては、娘の通っている大学名まで聞き出すのには、さすがに腹が立った。なぜ、そこまで個人情報を聞き出すのか、と尋ねると、たとえば、通学時間帯などを割り出して、その時間帯に不審な人物を見なかったか、などの質問をするときの枠組みを作るのだそうだ。本当か。それなら、後日、改めて来なければ無意味だ。家族の生年月日を意味もなく聞く理由は、よくわからない。ただ、前からそうしているから、というだけにしか思えない。この件について、本署の担当官に電話で問いただしたが、納得のいく答えはなかった。

朝から不愉快だったが、よく考えてみると、氏名・性別・年齢・職業というのは、権力が国民を識別するときに使う基本情報であり、権力とすれ違った時に感じる不快感は、この4つに人間が物象化されることによるものと思う。警察権力に限らないが、国家権力、経済権力、宗教権力など、権力の本質には暴力があるが、それは、人間を物象化したことの帰結ではなかろうか。

刑事いま枯野の人となりにけり

地味なるは刑事のネクタイ鳥渡る

柿日和一声落しからす過ぐ





いまや別の刀さし出す
   去来
せはしげに櫛でかしらをかきちらし   凡兆

■さして。女の句に、女の句を付けたらしい。いいおじさんがよくやるなあ、という感じはある。



Sound and Vision



コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )