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フランス語の俳人たち:Daniel Biga(7)

(写真)虹二重

■当面の目標は、あるフランス語の小説を訳出することなのだが、まだ、散文が訳せない。俳句→詩→散文、という感じで、徐々に進めていこうと考えている。当面、これに集中するために、「Jack Kerouacの俳句」と「ドイツ語の俳人たち」は、それぞれ、英語版ドイツ語版に移行しました。ご興味のある方はそちらへ。それぞれ、ごく短いコメントのみです。




mangeant des olives
crachant des noyaux
face à l'orage


オリーブを食べて
種を吐き出す

夕立


■face à l'orage(夕立に遭う)というフレーズが効いているように思った。「orage」は雷雨、にわか雨、嵐の意でもあるから、かなり激しいものなのだろう。「mangeant des olives」(オリーブを食して)のオリーブは、やはり複数である。日本語の俳人なら、オリーブを食べたとしても、一つと作るような気がする。
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フランス語になった俳人たち(5)

(写真)初夏の花(名称不詳)


■病院の待ち時間に、フランス語を検討してみた。

五月雨に鶴の足短くなれり   「俳諧東日記」延宝9年(天和元年)、芭蕉38歳の作。

しかし、こんな初期の芭蕉の句、よく知っているなあ。


Sous la pluie d'été
racourcissent
les pattes du héron


※Traduction de Corinne Atlan et Zéno Bianu
HAIKU Anthologie du poème court japonais Gallimard 2002

夏の雨
鷺の足が
短くなる


■激しい雨で水嵩が増し鶴の足が隠れてしまったのだろう。これは、難しい翻訳だろう。梅雨がないフランスで、五月雨は「Sous la pluie d'été」(夏の雨の下)と訳されている。水嵩が増すほどの五月雨の激しさは、ここからはわからない(のではないか)。鶴が鷺になっている。フランス語で、鶴は「une grue」である。これは単純な間違いなのか、フランス人には、héron(鷺)の方が河川などにいるところを想像しやすいと判断したのか。おそらく、夏の雨に打たれて川嵩の増した情景には、鶴より鷺の方がフランス人にはしっくりくるのではなかろうか。確かなことはわからない。

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飴山實を読む(105)

■旧暦4月20日、木曜日、、出雲祭

(写真)薔薇

下の八百屋で買ったアスパラガスが非常に美味だった。穂先が茎よりも旨い。福島県産。午前中、叔母を病院へ。お年寄りの付き添いは、ハプニング続出。いささかくたびれた。その後、仕事。合間を見て、筋トレなど。




蜂の巣のころがつてゆく秋の風
  「花浴び」

■秋風という実体のないものが、蜂の巣をころがすことで可視化され、軽く音を立てている様子まで見えてきて惹かれた。巣は空であろう。その軽い質感までも伝わってくる。
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