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飴山實を読む(17)

旧暦5月19日、火曜日、

今日は、夕方まで調子良く、耳鳴りはあってもほとんど気にならない程度のものだった。TCI訓練再開。ただ、午後5時を境に急激に耳鳴りが激化してくる。この変化は、あたりが急に静まったわけではなく(図書館の学習室に長くいたのだから、音の環境的にはそう変化はない)、睡眠時間との関連性があると考えられる。昨日の睡眠時間は6時間弱だった。今までの経験から言うと、昼寝は、身体全体の負荷を軽減はするが、直接耳鳴りに効果はない。それよりも、夜の睡眠の質と時間が決定的に影響する。



ほのと香の三千世界花柚かな   『次の花』

■この句は、よく計算された構造をしていて、余韻が残る。それは、「三千世界」という言葉の使い方に由来する。この言葉は、他の俳人もよく使うけれど、大仰になったり、マッチョ系になったり、なかなか難しい。使い方によっては、句の格を下げてしまいかねないのである。掲句は、「ほのと香の」という措辞で、句の品格を維持しながら、「花柚かな」の「かな」によって、想像世界の広大で多元的な三千世界と夢の中で響き合わせている。しかも、5・7・5と上から読むことで、柚子の花の香りが三千世界に広がっていく現場に立ち会うことになるのである。三千世界は、そもそも想像上の世界であるから、どう感じてもいいのだが、山川草木月日のある昼間の多様な色彩の世界よりも、ぼくは、漆黒の宇宙空間を想像してしまった。
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