遅ればせながら、マイクロエースから発売された京阪800形(落成時仕様・旧ロゴマーク)が入線しました。
実車のその特異性については今更……でしょうが、地下鉄から地上区間へ、それも急曲線あり山岳地帯あり併用軌道ありと変化に富んだ車窓を一本の列車で楽しむことが出来るのがこの京阪800形。私は東西線でたまに乗り合わせるくらいですが、琵琶湖が目と鼻の先にある浜大津から逢坂山を経由して三条京阪へ、そして洛中を突き抜け果ては太秦天神川まで直通しているのですからよく考えればスゴいことです。
時を同じくしてGMから113系更新車も発売されたということで、京滋の鉄模ファンはきっと嬉しい悲鳴を上げていることでしょう。(実は私も予約済w)
さて、製品の仕様は「落成時」。
これを「登場時」としていないのは、当初は窓下に位置していた車番が実際の営業運転時には視認性向上のため窓上に変更された由。
というわけで、そのままでは試運転くらいにしか供せない、何ともマニアックな仕様となっています。
それでも、従来はBトレしか製品が存在せず(当初は部品共用の幅広車体、後に改良品が出るもまだ幅広)、他にも小径車輪や動力の面においてNスケールで再現するにはハードルの高い車両でした。
ちょうどトミーテックの鉄コレやプラッツのキットでは京阪小型車シリーズが展開されている最中であり、それらと並べることの出来る同車の製品化は歓迎されたのではないでしょうか。
さて、製品を見ていきます。
M車はさすがに座席表現がオミットされていますが、これは致し方ないところでしょう。
それでも鉄コレ動力ほど室内は犠牲になっておらず、小型動力開発の成果が見えます。
例によって床下機器レリーフの「余白」は黒でブラックアウトしておきました。
M車を床下から。
製品状態では車体が微妙に膨らんでいますが、これは個体差なのでしょうか。分解して組み直すと幾分抑えられたものの、ボディそのものが薄いので先々不安なところではあります。
プラ屑混入は……取り除けばいいハナシですね。(笑)
しかし車体色、黄色と水色に挟まれた箇所の白色がくすんでいます。塗装工程上は仕方ないのかもしれませんが、鉄コレと同様の塗り方のように見えますね。
連結面間隔はそのままでも良好です。むやみにカプラーを交換すると急曲線に対応しきれなくなりそうなので保留していますが、替えるとすればどれが適しているのでしょうか。
以下は小加工です。
前面ガラスは車体を分解せずとも容易に外れるので、
裏側から印刷された車番部分を溶剤で拭き取り、Bトレ付属のシールを用いて車番と行先表示を貼りました。
車番に関しては国鉄汎用書体でも代用が効くでしょう。これで登場時からロゴ変更までの時期を再現出来ます。(厳密には、車幅灯の形状が変更されていますが)
前面部分を拡大。
行先表示のシールもBトレの方が優れています。旧ロゴ仕様ということで、あと一歩が歯がゆい「京都市役所前」行きとしました。(笑)
せめて乗り換え駅の烏丸御池まで延ばしてくれれば便利なのですが、太秦天神川延伸まではこの中途半端な行先に随分と不便を感じたものです。
それから、前面窓とライトの縁に黒を差すと表情が劇的に変化しました。(左)
浜大津方の先頭車は入庫運用の「四宮」行きとしています。かつては京都市交側からの四宮止めがありましたが、現在は浜大津からの折り返ししか残っていません。
室内インテリアを見ていきます。
両先頭車にみられる固定クロスシート。これが小旅行気分を盛り上げてくれます。
車幅灯は取れやすいのでゴム系などで接着しておくことをオススメします。
実際の座席はこのような色をしているので、濃い目の青で塗装、こだわる向きは黄色の枕カバーを再現してやると実感的になるでしょう。
ユーザーの創意工夫でまだまだカッコよくなる京阪800形。
小型車ともども、数年前までは考えられないような製品化ラッシュに恵まれていますが、肝心の京都市交車は市電やバスに留まっているのが現状です。
10系などはバリエーションも豊富、近鉄奈良まで足を延ばしますからそれなりに需要もありそうな気がしますが、そうこうしているうちに実車がリニューアルされてしまうので、またバリエーションがw
そういえば、
こんなのも作っていました。(汗)
いよいよ完成品の足音も近付いてきそうなので、どうにかしたいところです……。