節分ミニトリップ

2014年02月05日 01時39分54秒 | 日記
2月3日。
「節分」とはよく言ったもので、冬から春への季節の分かれ目。
邪気を払って気分を一新し、また新たに歩いていこう、そんな心持ちにさせてくれた一日でした。

待ち合わせ場所へ向かうため、朝から京都駅へ。


電車を降りて八条口へ赴くと、中書島から来た19系統に遭遇。
ワイドなボディが特徴の横大路営業所所属・CNGエアロスターの538号車です。同営業所には他に兄弟車の537・539号車がいますが、多区間対応はこの車両のみ。前面帯に掛かった「整理券車」のマグネットが特徴的です。

次にやって来たのは……


京阪バスの運行する「ダイレクトエクスプレス直Q京都」。これに乗車してなんば(OCAT)へ向かいます。
大阪へバスへ向かうのは初めてのことで、興奮しながらも慣れたふりをしてICOCAをタッチ、車内に乗り込みます。


車内は普通の高速バス同様で、リクライニングは意外と深く倒れます。
途中停留所は高速京田辺、河内磐船駅、交野市駅の3つ。京都駅~京田辺、交野市~なんばの区間利用が目立ち、通しで乗ったのはもしかすると私だけ――だったのかもしれませんが、京都駅から鉄道利用では少し行きにくい、まさに「かゆいところに手が届く」エリアを結んでいると言えるでしょう。
ウトウトしていると森ノ宮電車区と大阪城が目に入り、程なくして終点・なんば(OCAT)に到着。鉄道に比べると少々時間はかかりますが、煩雑な乗り換えもなく、何より快適なひとときを過ごすことが出来ました。

OCATからは徒歩で近鉄難波駅に移動。ここでかつてのゼミ仲間と待ち合わせをしていたのですが、案の定、ターミナル駅での待ち合わせは少々手間取り(笑)、西改札から東改札への大迂回を経てようやく合流するに至りました。
何はともあれ卒業から11ヶ月ぶりの再会。SNS全盛の現代ではどうしても距離感が曖昧になりがちですが、やはり直接会うことの嬉しさは何にも代えられないものです。
予め用意してもらっていた切符を受け取り、ホームに降りるとやって来たのは阪神電車。そういえば、自分が大学に入った年の春に近鉄・阪神の相互乗り入れが始まり、家族で、開通したばかりの阪神なんば線を利用して入学式会場の京セラドームに行ったことをようやく思い出しました。あれから5年が経とうとしています。

思い出はさておき、ここからはリクエストに応えて「近鉄利用で」京都へ戻ります。
京阪間の移動は往路利用したバスのように数多くの選択肢が挙げられますが、真っ先に候補から除外されるのがおそらく近鉄。しかし、今回はきちんと理由があるのです。


その理由とは……観光特急「しまかぜ」の乗車です!
もちろん列車の行先は伊勢方面ですから、乗れる区間は八木までの僅か30分。
同行者曰く、今回は「乗ることが目的」。ならば必ずしも宇治山田や賢島へ行くことはありませんから、事前にダメ元で空席を検索したところ、全区間では埋まっていた座席も難波~八木に限っては〇表示が出ていたことから、少々イレギュラーな「大阪から奈良経由での京都行」が決まったのでした。


そんな「しまかぜ」ですが、この日は9時台に大阪線内で人身事故が発生したため、本来発車しているであろう時刻に回送が到着して入れ換え作業を開始。入線後はすぐの発車となり、5分遅れでの慌ただしいスタートとなりました。


私は昨年8月、賢島~宇治山田で空席を当日調達して乗車したことがありますが、またしても「ちょい乗り」。秋には京都発着便も新設されるようですから、全区間乗車はその時までお預けということにしておきます。
さすがに前回よりは落ち着いていますが(笑)、同行者は初めてのことなので興奮冷めやらぬ模様。試しに車内を徘徊すると、個室からは如何にもな「大阪のオバチャン」たちの楽しそうな笑い声が漏れ聞こえてきて観光特急らしさがムンムン。かの鉄道唱歌、その関西・参宮・南海編は「汽車を頼りに思い立つ伊勢や大和の国めぐり」という歌い出しから始まりますが、時代は変われどまさにその通り。こうした魅力的な列車があるからこそ伊勢観光の需要が喚起されているのです。


さて、「しまかぜ」は2回目でも、大阪線自体はおそらく小学生以来の乗車。故に車窓の景色(残念ながらこの日は各地で濃霧でしたが)は新鮮なものとして映りました。巡回の客室乗務員さんからはおしぼりと記念乗車証もいただき、アッパークラスの恩恵もしっかりと享受。前が詰まっているのか、時折徐行も見られ、八木には10分遅れで到着。

ここからはひたすら北上して京都を目指すのみですが、まず西大寺まで急行に乗り、後続の奈良発の特急に乗り換え。
車内では昼食がてら八木で買った柿の葉寿司を賞味。ガラガラの特急で思い出話に花を咲かせつつ、気付けば曇天の空に浮かぶ五重塔が京都到着を告げていました。


こうして、約3時間ぶりの京都へ。
時刻はまだ12時半、ここからはバスを乗り継いで京都の節分を満喫します。

市バス一日乗車券を握りしめて百万遍で下車、京大構内を突っ切って辿り着いた先は吉田神社。


京都の節分と言えば第一に思い浮かぶのがここ吉田神社ですが、私は普段の平穏な様子しか馴染みがないのでこの人出には少々驚き。


深夜におこなわれる火炉祭に備え、参拝者によって持ち込まれた古い神札が次々と積みあがっていました。
煌々と燃え上がる様子、一度は見てみたいものです。

移動中には、恒例の市バス臨時輸送も目撃。
なかでも目を引いたのは、


ブルーリボンシティハイブリッド・LED表示車の充当です。


拡大。
節分臨への充当実績は珍しい(初めて?)と思われますが、臨時らしくローマ字表記の類が添えられずシンプルな表示となっています。


合わせて従来の幕車も記録。
ダイヤ改正に伴う幕のデザイン変更で、こうした臨時幕にも変化が見られる可能性があります。
一方で、詰め込みの効く従来のツーステ車の充当は一切見られず、LED車を筆頭にノンステ車が次々とやって来る様子は世代交代を確実に実感させるものでした。

バスの記録もそこそこに次の目的地へと向かいますが、さすがに満員通過が相次ぎ、いかにも空いていそうな(笑)65系統と202系統を乗り継いで六波羅蜜寺へ。時間1本のローカル系統と、京都駅に寄らない循環系統はやはり観光客から避けられ、地元客中心の客層となるようです。

さて、清水道バス停から徒歩数分、六波羅蜜寺でも節分会追儺式の真っ最中。
以前にも訪れたことがありますが、こじんまりした境内でおこなわれる儀式、そして舞妓さんによる豆まきが魅力の一つです。


到着するとちょうど始まった六歳念仏の奉納。京都独特の伝統芸能ですが、この音色を聴くと幼少時を思い出します。京都なのに何処か田舎臭いと毛嫌いしていた時期もありましたが、今となっては「郷愁」の一部。






奉納のクライマックス、豆を撒かれて追い払われた土蜘蛛が糸を散らします(顔が妙にコワい)。
その後の豆まきでは、舞妓さんに混じってM主党のM原S司議員が登場……確かに地元名士なのは間違いありませんが、こうした形での登場は意外でした。(笑)

そして夕刻。
既に雨のちらついてきた五条大橋を渡り、


鴨川畔の「efish」で一休み。散々歩き回ったのでソファーでくつろぎつつ、やはりまた他愛ない話で盛り上がります。
大学4年間を通して関わりのあった人、というのは意外にも少ないものですが、今回の同行者はその数少ない一人で、ある程度分かり合っていることもあり、話すのも随分と気楽なもの。さすがに卒業後は疎遠になってしまいましたが、そのぶん話は多方面に弾み(笑)、このところモヤモヤしていたものがスッキリとしたような気がします。

窓の向こうには、鴨の流れと東山。
曇りの日に相応しい、アンニュイな、それでいて心地好い時間が流れていきました。(完)