毎年恒例のジャクソンホールのシンポジウムだかフォーラムだかが開催されましたけれども、今回ほど注目を集めたことはなかったんじゃないかと思いました。
昨年の白川総裁講演は、大したニュースにもならず、まあそんなもんか、くらいの反応でしたので。
(※ちょっと訂正、28日17時頃:去年ではなく、一昨年でございました。オヤジになると年の経つのは早いもので、もう2年も経過していたとは…
これ>カンザスシティ連邦準備銀行主催シンポジウム(米国ワイオミング州ジャクソンホール)における白川総裁講演(8月22日)の邦訳「金融危機に対する国際的な政策対応」 :日本銀行 Bank of Japan
間違って、ごめんね>>日銀&白川総裁)
>FRB: Speech--Bernanke, The Near- and Longer-Term Prospects for the U.S. Economy--August 26, 2011
ですが、今回のバーナンキFRB議長の言葉の中に「どんな文言が盛り込まれるのか」ということについて、経済関係者たちとか主要アナリストたちなんかが、耳をそばだてて聞いていたわけです。一言一句たりとも聞き漏らすまいと、耳をダンボにして集中していたわけです。
しかし、残念ながら、市場の期待をよそに、ありきたりの講演内容でしかなかったわけです。
私の理解で言えば、簡単に言うなら「金融政策でやれることはやっている、後は政府と議会が責任もってやってくれや」ということだったように思います。
>米FRB議長によるジャクソンホール講演のポイント分析 | Reuters
ああ、「少なくとも今後2年間は金利を上げない」ということについては、かなり堅い言質のように受け止めてよいのだな、ということは確認できましたね。
>FRBの”金融政策コミットメント”キター!→日銀「ホレ見ろ」勝利宣言
政策意図としては、中央銀行の「手札を市場に見せる」ということですから、割とはっきりとしたコミットメントということだろうと思いますね。市場参加者の行動は、それにつられるというか拘束される、ということです。「金利が上がらないなら、こうしよう」というふうに考えて行動して下さいね、投資選択や決定を行って下さいね、ということですもんね。
ですが、債務上限問題、格下げ問題、失業率高止まりに対する経済財政政策、これらは簡潔に言うなら「FRBの範疇の問題ではない、FRBの解決してあげられる問題というわけではない」ということなのです。まあ、政府や議会がしっかりやってくれや、ということも言いたくなるのですが、それを堪えているというわけです。
少なくとも日本とは違います。
行動や決定は早かった、と思います、日銀は遅かった。
故に、米国はデフレ突入には至らずに済んだ、ということです。初期治療の成果としては、確かなものだった、ということです。ショックへの対応は日本よりも良かった、これは確実です。これまでのところ、日銀の大失敗に比べて、米国の傷はまだマシ、という状況で留まっているのは、バーナンキ議長をはじめとするFRBの成果と言ってよいでしょう。
金融政策頼み、ということではなく、政府の姿勢や施策に頼らざるを得ない面はあるかと思います。こんなことを言うと、なんですが、日銀がかねてより言っていた「金融政策には限りがある、日銀にはできることとできないことがある」というのは、こういう時に用いても非難はされないかもしれません。日銀の場合ですと、まだできることがある(というより、更にやらねばならない責務がある)にも関わらず、そういうことを言うので批判されるんですけどね。デフレの深淵に落ちてゆくことを防いだFRBには、日銀のセリフを言う権利はあるかと思います(笑)。
ま、期待外れ、というのは、市場関係者たちの過度な希望と期待のせいなので、ある程度穏当な講演結果だったのではないかと思いますね。
昨年の白川総裁講演は、大したニュースにもならず、まあそんなもんか、くらいの反応でしたので。
(※ちょっと訂正、28日17時頃:去年ではなく、一昨年でございました。オヤジになると年の経つのは早いもので、もう2年も経過していたとは…
これ>カンザスシティ連邦準備銀行主催シンポジウム(米国ワイオミング州ジャクソンホール)における白川総裁講演(8月22日)の邦訳「金融危機に対する国際的な政策対応」 :日本銀行 Bank of Japan
間違って、ごめんね>>日銀&白川総裁)
>FRB: Speech--Bernanke, The Near- and Longer-Term Prospects for the U.S. Economy--August 26, 2011
ですが、今回のバーナンキFRB議長の言葉の中に「どんな文言が盛り込まれるのか」ということについて、経済関係者たちとか主要アナリストたちなんかが、耳をそばだてて聞いていたわけです。一言一句たりとも聞き漏らすまいと、耳をダンボにして集中していたわけです。
しかし、残念ながら、市場の期待をよそに、ありきたりの講演内容でしかなかったわけです。
私の理解で言えば、簡単に言うなら「金融政策でやれることはやっている、後は政府と議会が責任もってやってくれや」ということだったように思います。
>米FRB議長によるジャクソンホール講演のポイント分析 | Reuters
ああ、「少なくとも今後2年間は金利を上げない」ということについては、かなり堅い言質のように受け止めてよいのだな、ということは確認できましたね。
>FRBの”金融政策コミットメント”キター!→日銀「ホレ見ろ」勝利宣言
政策意図としては、中央銀行の「手札を市場に見せる」ということですから、割とはっきりとしたコミットメントということだろうと思いますね。市場参加者の行動は、それにつられるというか拘束される、ということです。「金利が上がらないなら、こうしよう」というふうに考えて行動して下さいね、投資選択や決定を行って下さいね、ということですもんね。
ですが、債務上限問題、格下げ問題、失業率高止まりに対する経済財政政策、これらは簡潔に言うなら「FRBの範疇の問題ではない、FRBの解決してあげられる問題というわけではない」ということなのです。まあ、政府や議会がしっかりやってくれや、ということも言いたくなるのですが、それを堪えているというわけです。
少なくとも日本とは違います。
行動や決定は早かった、と思います、日銀は遅かった。
故に、米国はデフレ突入には至らずに済んだ、ということです。初期治療の成果としては、確かなものだった、ということです。ショックへの対応は日本よりも良かった、これは確実です。これまでのところ、日銀の大失敗に比べて、米国の傷はまだマシ、という状況で留まっているのは、バーナンキ議長をはじめとするFRBの成果と言ってよいでしょう。
金融政策頼み、ということではなく、政府の姿勢や施策に頼らざるを得ない面はあるかと思います。こんなことを言うと、なんですが、日銀がかねてより言っていた「金融政策には限りがある、日銀にはできることとできないことがある」というのは、こういう時に用いても非難はされないかもしれません。日銀の場合ですと、まだできることがある(というより、更にやらねばならない責務がある)にも関わらず、そういうことを言うので批判されるんですけどね。デフレの深淵に落ちてゆくことを防いだFRBには、日銀のセリフを言う権利はあるかと思います(笑)。
ま、期待外れ、というのは、市場関係者たちの過度な希望と期待のせいなので、ある程度穏当な講演結果だったのではないかと思いますね。