16 涌井秀章 投手 30歳 年俸2億2000万円
【2016年成績】 26試合 10勝7敗0S 防御率3.01 188回2/3 195被安打 15被本塁打 48与四球 4与死球 118奪三振 被打率.277
実は三年契約でした、の三年目の涌井は、トータルで見れば不完全燃焼な一年でした。
二年連続の二桁勝利ながらも4月まで開幕5連勝だったことを考えれば、以降は負け越しでチームが上位に食い込むところで貢献できたとは言い切れません。
それでもほぼ2点台の防御率でしたので打線の援護があれば最多勝争いに絡めずとも昨年に近い数字は残せたような、それもあっての「投手だけじゃ勝てない」と球団に補強を具申する発言に繋がったのは理解ができますし、勝ちたいからこそ、優勝をしたいからこそのエースとしての行動には拍手を送りたいです。
FA権を再取得する来年オフに向けて周りが騒がしくなってきましたが、ファンとしてはずっと地元のヒーローとしてロッテで投げ続けて欲しい、でも優勝を手土産にメジャーを目指すのであれば応援をしたい、そんな複雑な思いを抱いての来季を見守ることになるのでしょう。
開幕から4戦4勝、5戦目は西野が追いつかれて6戦目に5勝目と、今季こそはロッテとして初の沢村賞受賞、そんな声が聞かれるほどのロケットスタートで、自己最多の開幕5連勝、7年ぶりの月間MVPと昨年の最多勝に続いて完全復活を印象づける怪腕ぶりでした。
しかしQSながらも打線が湿って白星を手にできない試合が目立ち始めて、そうこうしているうちに夏場からは涌井の調子がもう一つな感じとなってのギリギリの二桁ですから納得はしていないでしょうし、打線に助けられての勝利はゼロ、3点でも取ってくれれば勝てた試合が5つ、査定とすれば昨年とほぼ同様といったところではないかと思います。
ただ涌井らしい粘り、点を取られてもひっくり返されないピッチングに陰りが見えたのもまた現実で、よーいドン!で初回に失点をするケースも少なくはなく、防御率は昨年より改善し、被打率が上がって被安打、被本塁打は増えたものの与四死球は減り、完投はリーグトップ、つまりは総合的には昨年とほぼとんとんながらも勝ち星が2/3でしかなかったのは、貧打だけではなく涌井自身がここぞで粘り切れなかったことも大きな理由の一つでしょう。
100球を超えても140キロ台後半のストレートを投げられる超絶スタミナ、指にかかったボールの伸び、キレは抜群、そんな涌井に例によって甘えてGW前から中5日を強いたのも後半の失速に繋がったのではないかと、終盤戦では100球に満たないところでの降板と「普通の投手」な扱いになったのが心配でもあります。
投げた瞬間にそれと分かる抜けたボールに首を傾げるシーンに言われ続けきた肘痛への不安、それを払拭できるかどうかが優勝、そしてメジャーへの鍵を握る2017年です。
【オリオン村査定】 2億2000万円 → 2億5000万円(△14%)