電脳筆写『 心超臨界 』

人生は良いカードを手にすることではない
手持ちのカードで良いプレーをすることにあるのだ
ジョッシュ・ビリングス

「国賓」習氏は政権の首を絞める――楊海英さん

2019-11-25 | 04-歴史・文化・社会
 「東京裁判史観(自虐史観)を廃して本来の日本を取り戻そう!」
    そう願う心が臨界質量を超えるとき、思いは実現します。
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《 いま注目の論点 》
旧民主 桜を見る会の選挙利用――阿比留瑠比・論説委員兼政治部編集委員
【「阿比留瑠比の極言御免」産経新聞 R01(2019).11.21 】
「湾湾、家に帰ろう」の茶番――石平・評論家
【「石平のChina Watch」産経新聞 R01(2019).11.21 】
米映画で活発な中国の「歴史戦」――黒瀬悦成・ワシントン支局長
【「黒瀬悦成の米国解剖」産経新聞 R01(2019).11.20 】
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「国賓」習氏は政権の首を絞める――楊海英・文化人類学者/静岡大学教授
【「正論」産経新聞 R01(2019).11.25 】

安倍晋三内閣の大臣が先月相次いで辞任した。今の自民党政権のガバナンス能力の衰えが見え出したのはほかでもない中国の国家主席、習近平氏を来春に国賓として招待すると発表してからではないか、との見方が出ている。この状況を如何(いか)に理解すべきだろうか。

◆民主主義の日本と相容れず

そもそも世界最大の独裁政権の独裁者を国賓として呼ぶのには、国民の合意と理解を得なければならない。これは民主主義制度下では当然の手続きである。その国民の意思を軽視するのは、長期政権の驕(おご)りにみえる。

21世紀の現在、なぜ、特定の民族、ウイグル人を百万人単位で強制収容所に送り込み、あたかもナチスドイツのユダヤ人抹殺と同様な措置を取るのか。どうして人権を無視し続け、ノーベル平和賞受賞者の劉暁波氏を事実上獄死させたのか。そして、英国が租借していた香港を復帰させた際には「50年間高度の自治政権は変わらない」と高らかに宣言しながら、「英国と交わした公文書はもはや歴史の屑箱(くずばこ)に捨てられるものだ」との詭弁(きべん)に転じ、市民と学生に向けて発砲するようになってきた。日本の領土である尖閣諸島海域にはほぼ毎日のように公船を侵入させ続ける狙いはどこにあるのか。

中国が国内外に対して取っている行動は、民主主義制度が定着した日本とは相容(あいい)れないものばかりである。それにもかかわらず密室で決定された独裁国家の独裁的指導者を招待する政策は民意を完全に否定するあるまじき行為である。

おりしも、一部で根強い支持を誇る日本共産党は党綱領を改定し、中国の異質な行動を批判する姿勢をみせている。リベラル層は当然、こうした野党の行動を一層評価するにちがいない。保守層はもともと習氏を国賓として招待した自民党政権に強い不満を抱いている。となると、次期衆議院選挙において、驕りと弛(ゆる)みに陥った自民党議員、それも中国に宥和(ゆうわ)的な議員たちに対し、厳しい審判が与えられるだろう。日本国民の8割が中国に好意的な印象を抱いていないという世論調査を受け止めた方がいい。

◆世界の潮流に逆行する

現代中国は日本にとって、常に鬼門のような存在である。それは、日本が明治期から「脱亜」を実現できたのに対し、古い「亜細亜」の代表格である中国はずっと専制主義と強権体制の塊のような性質を放棄していないからである。「中国の亜細亜的後進性は革命を経ても変らない」、とマルクスやウィットフォーゲル(『東洋的専制主義』)らも予想していた。日本は西洋由来の思想と制度を駆使して独自の近代化を実現させたし、ウイグルやチベット、それにモンゴルなどの諸民族も西方の文明に親和性を感じ、「亜細亜的後進性」との政治的関係を断ち切ろうとしたために、歴世の中国政府から弾圧されてきた。

中国は自らの「亜細亜的後進性」を死守し、さらにはその後進性・独裁制を世界に広げる目的で中華周辺の諸民族を虐待し続けているし、近隣諸国にも侵略の手を伸ばしてきたのである。こうした「亜細亜的後進性」を拒絶せずに、かえって助長しようとする今の自民党政権は世界の潮流と逆行していると言わざるを得ない。

日本国民は誰も習近平氏の中国と断交せよとは主張していない。2020年という特別な年に、国賓としての来日が不適切だ、との心情は国民に共有されている。というのも、来年には平和の祭典、オリンピック・パラリンピックが東京で開催される。前回、即(すなわ)ち1964年の東京オリンピックの年に中国は原爆実験を行い、国際平和に水を差した。今回は独裁者の来日で国民の平和を愛する気持ちに冷水を浴びせようと自民党はもくろんでいるようにすら見える。

◆対中外交の抜本的練り直しを

平和祭典の熱気を冷ますだけではない。来年令和2年は、今上陛下の治世が世界に向けてスタートする。というのも令和元年には即位を含めた諸種の宮中行事が重なり、両陛下の外国訪問も次年度以降になる見通しだ。習氏の来訪が決まると、宮中晩餐(ばんさん)会も催さなければならないし、恐らくは両陛下の訪中も要請されるだろう。外交儀礼上、要請に応じられた場合は独裁国家への訪問が陛下即位後の最初の外国旅行になる。

これは、令和時代の幕開けに不適切な、天皇の政治利用である、と国民の誰もがそう考えている。五輪後の日本はどういう方向に向かうのか。次の目標は何なのか。もともと、国民には漠然とした一抹の不安があったが、自民党政権には次のビジョンが見えていないのだろうか。

日本の対中宥和的姿勢に対し、同盟国の米国が心底どう考えているのかも問題である。こうした不安は「国賓」習氏の来訪によってさらに増幅されるだろう。自民党政権がこのまま何人かの親中派議員に牛耳られているかぎり、国家戦略は見えず、次の選挙は危うい。国家百年の大計を誤らず、今一度、対中外交を抜本的に練り直すことが求められている。

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