電脳筆写『 心超臨界 』

人生は良いカードを手にすることではない
手持ちのカードで良いプレーをすることにあるのだ
ジョッシュ・ビリングス

真珠湾攻撃の戦術的勝利と戦略的敗北――茂木弘道さん

2019-11-25 | 04-歴史・文化・社会
 「東京裁判史観(自虐史観)を廃して本来の日本を取り戻そう!」
    そう願う心が臨界質量を超えるとき、思いは実現します。
   ( 心が臨界質量を超えるとは → http://tinyurl.com/5kr6f
     ( 東京裁判史観とは → http://tinyurl.com/kkdd29p
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《 いま注目の論点 》
米映画で活発な中国の「歴史戦」――黒瀬悦成・ワシントン支局長
【「黒瀬悦成の米国解剖」産経新聞 R01(2019).11.20 】
しらじらしい桜を見る会騒ぎ――阿比留瑠比・論説委員兼政治部編集委員
【「阿比留瑠比の極言御免」産経新聞 R01(2019).11.14 】
台風19号被害は「人災」である――藤井聡・京都大学大学院教授
【「正論」産経新聞 R01(2019).11.12 】
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●真珠湾攻撃の戦術的勝利と戦略的敗北

『大東亜戦争 日本は「勝利の方程式」を持っていた!』https://tinyurl.com/t3uxfgp
【 茂木弘道、ハート出版 (2018/12/1)、p163 】

さて、真珠湾攻撃ですが、確かにこの大勝利に日本国民は沸き立ちました。長年の鬱憤が晴れたという思いと、やればできるんじゃないかという自信が生れました。しかし、この自信が「勝利病」を生むことになり、むしろ弊害をもたらしたのでした。

友人の口石修(くちいしおさむ)氏は、山本長官の指揮した、あるいは関わった戦いのそれぞれについて、「戦術的勝利」と「戦略的敗北」という観点から評価した文章を書いています。真珠湾については、次ページの図表13の通りです。

  [図表13]真珠湾攻撃の戦術的勝利と戦略的敗北
  ───────────────────────────────────────────
   目的   米国海軍および米国民をして救うべからざる程度にそ
        の士気を阻喪せしめる                
        山本長官の独断を軍令部が追認、政府・陸軍・外務省
        との調整なし
  ───────────────────────────────────────────
   戦術的  正規空母6隻で奇襲、戦艦8隻中5隻撃沈(擱座を含
   勝利   む)・中破2隻・小破1隻
        ただし廃艦はアリゾナとオクラホマの2隻のみ、6隻
        は浮揚修理
  ───────────────────────────────────────────
   戦略的  山本長官の目的・意図に反し米国民の戦意を猛烈に高
   敗北   揚させた
        石油タンク無傷:450万バレルの重油を貯蔵、数カ
        月間の作戦行動が可能
        工廠施設無傷:沈没した6隻の戦艦を修理、艦砲射撃
        に活躍。珊瑚海海戦で大破した空母ヨークタウンを応
        急修理
        付近海上にいた空母エンタープライズに対する第2撃
        を実施せず。米機動部隊は健在
  ───────────────────────────────────────────
  口石修「山本五十六と帝国海軍(戦術的勝利と戦略的敗北)」より

戦術的には間違いなく大勝利です。しかし、これはあとになって分かったことですが、戦艦5隻撃沈、1隻中破にもかかわらず、廃艦となったのは2隻のみで、ほかはみな浮揚修理されました。

そして、戦略的にはむしろ敗北であったと、いくつかの理由を挙げています。石油タンク、工厰施設を破壊しなかったために、真珠湾はしばらくして機能を再開して反撃を開始しています。しかし、より重要なことは、そもそも攻撃の目的は「米国民をして救うべからざる程度にその士気を阻喪せしむる」であったのですが、これが完全に裏目に出たことです。ルーズベルトの巧みな宣伝に徹底的に利用され、85%ものアメリカ人が戦争反対だったのが、ほぼ全員が「ジャップをやっつけろ!」と叫ぶような、対日戦の戦意高揚が実現してしまいました。

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